核燃料
核燃料(かくねんりょう)とは、核分裂や核融合などにより、原子核エネルギーを放出し、それにより原子炉などの動力システムを運転させる物質のこと。原子燃料とも。通常、核分裂連鎖体系をつくる燃料のことを言い、その物質にはウラン、プルトニウム及びトリウムがある。
ウランはウラン235の含有量やその出自により天然ウラン、濃縮ウラン、劣化ウラン等に分類される。純金属・合金・酸化物等の固体の燃料、または水溶液・溶融合金・フッ化物等の液体の燃料の形で使用する。
現在の技術ではまだ実用化されてはいないが、軽い元素同士を高速で衝突させることにより融合させ、より重い元素になる際に放出される質量エネルギーを利用するという核融合も未来のエネルギー源として期待されている。 (詳しくは原子核融合の項を参照)
核燃料物質
原子力基本法は、ウラン、トリウム等原子核分裂の過程において高エネルギーを放出する物質であって、政令で定めるものを核燃料物質と定義し、これをうけ制定された“核燃料物質、核原料物質、原子炉及び放射線の定義に関する政令”では、次に掲げる物質が核燃料物質とされている。
- ウラン235のウラン238に対する比率が天然の混合率であるウラン及びその化合物( = 天然ウラン)
- ウラン235のウラン238に対する比率が天然の混合率に達しないウラン及びその化合物 (= 劣化ウラン)
- トリウム及びその化合物
- 前三号の物質の一又は2以上を含む物質で原子炉において燃料として使用できるもの
- ウラン235のウラン238に対する比率が天然の混合率をこえるウラン及びその化合物 (= 濃縮ウラン)
- プルトニウム及びその化合物
- ウラン233及びその化合物
- 前三号の物質の1又は2以上を含む物質