日本児童文学者協会新人賞

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日本児童文学者協会新人賞(にほんじどうぶんがくしゃきょうかいしんじんしょう)は、社団法人日本児童文学者協会が、児童文学の創作、評論・研究の新しい書き手の単行本作品に対して毎年与える賞。児童文学者協会新人賞日本児童文学者協会短篇賞など名称や規定が二度ほど改定されたのち1968年から現在の名称となった。前年1月から12月の間に出版された新人の第3作目までの単行本が対象。同様な新人の賞としては、日本児童文芸家協会による児童文芸家協会新人賞がある。

受賞作一覧[編集]

児童文学者協会新人賞[編集]

(1951年~1960年)

作品 作者 版元・掲載誌
第1回 1951年 貝になった子供 松谷みよ子 あかね書房
第2回 1952年 鷹の子 さがわみちお 『魂あいふれて』(百合出版)
川将軍・村の一番星 前川康男 「びわの実」2号・「文学教育」2号
第3回 1953年 風信器 大石真 「童苑」9号
第4回 1954年 ツグミ いぬいとみこ 「麦」3号
第5回 1955年 該当作なし
第6回 1956年 ゆみこのりす他 今西祐行 『そらのひつぎかい』(泰光堂)
トコトンヤレ・チャコベエ他 長崎源之助 「日本児童文学」1956年2号・「童話文学」
赤毛のポチ 山中恒 「小さい仲間」
第7回 1957年 かくまきの歌他 杉みき子 「日本児童文学」1957年2、3号
ミノスケのスキー帽 宮口しづえ 筑摩書房
中止 1958年
第8回 1959年 さぎ 岩崎京子 「日本児童文学」1958年5号
サラサラ姫の物語 森宣子 日本童話文学会
人魚のくつ 立原えりか 私家版
ネーとなかま 小笹正子 「いたどり」1号
第9回 1960年 つるの声 加藤明治 「日本児童文学」1959年4号
だれも知らない小さな国 佐藤暁 講談社
現代児童文学論 古田足日 くろしお出版

日本児童文学者協会短編賞[編集]

(1966年~1967年)

作品 作者 掲載誌
第1回 1966年 和田登 「とうげの旗」40号
第2回 1967年 二年二組はヒヨコのクラス・ひろしまのオデット 山下夕美子 「子どもの家」11号、12号

日本児童文学者協会新人賞[編集]

(1968年~)

第1回 - 第10回[編集]

作品 作者
第1回 1968年 きょうまんさまの夜 宮下和男
車のいろは空のいろ あまんきみこ
第2回 1969年 ああ!五郎 柚木象吉
祭りの日 鈴木悦夫
第3回 1970年 さんしょ子(短篇) 安房直子
石井桃子論(評論)他 小西正保
第4回 1971年 新美南吉童話論 佐藤通雅
グリックの冒険 斎藤惇夫
はらがへったらじゃんけんぽん 川北りょうじ
第5回 1972年 地べたっこさま さねとうあきら
母と子の川 菊池正
たいくつな王様(詩集) 高木あきこ
第6回 1973年 絵にかくとへんな家 さとうまきこ
旅しばいの二日間 佐々木赫子
第7回 1974年 ぼくらは6年生 黒木まさお
じろはったん 森はな
石井桃子論(「児童文学作家3」所収、評論) 清水真砂子
第8回 1975年 兎の眼 灰谷健次郎
巣立つ日まで 菅生浩
第9回 1976年 霧のむこうのふしぎな町 柏葉幸子
帰らぬ大ワシ 遠藤公男
第10回 1977年 トビウオは木にとまったか 菊池俊
闇と光の中 日野多香子
樹によりかかれば(詩集) 和田茂

第11回 - 第20回[編集]

作品 作者
第11回 1978年 朝はだんだん見えてくる 岩瀬成子
星に帰った少女 末吉暁子
第12回 1979年 野ばらのうた 山里るり
青葉学園物語「右むけ、左!」「さよならは半分だけ」 吉本直志郎
第13回 1980年 なきむし魔女先生 浅川じゅん
ひろしの歌がきこえる 伊沢由美子
第14回 1981年 放課後の時間割 岡田淳
おれたちのはばたきを聞け 堀直子
第15回 1982年 くろねこパコのびっくりシチュー 北原樹
第16回 1983年 まなざし 横沢彰
てつがくのライオン(詩集) 工藤直子
第17回 1984年 好きだった風 風だったきみ みづしま志穂
かむさはむにだ 村中李衣
第18回 1985年 太陽の牙 浜たかや
銀のうさぎ 最上一平
そらいろのビー玉(詩集) 尾上尚子
第19回 1986年 風の音をきかせてよ 泉啓子
第20回 1987年 ぼくのお姉さん 丘修三

第21回 - 第30回[編集]

作品 作者 出版社
第21回 1988年 シゲちゃんが猿になった 原のぶこ 新日本出版社
「家なき子」の旅(評論) 佐藤宗子 平凡社
第22回 1989年 空色勾玉 荻原規子 福武書店
のぞみとぞぞみちゃん ときありえ 理論社
第23回 1990年 海辺の家の秘密 大塚篤子 岩崎書店
第24回 1991年 クヌギ林のザワザワ荘 富安陽子 あかね書房
第25回 1992年 月の森に、カミよ眠れ 上橋菜穂子 偕成社
初潮という切り札(評論) 横川寿美子 JICC出版局
第26回 1993年 でんぐりん 正道かほる あかね書房
夏の庭 The Friends 湯本香樹実 福武書店
第27回 1994年 半分のふるさと イ・サンクム 福音館書店
風のラヴソング 越水利江子 岩崎書店
第28回 1995年 地獄堂霊界通信ワルガキ、幽霊にびびる! 香月日輪 ポプラ社
西の魔女が死んだ 梨木香歩 楡出版
第29回 1996年 マサヒロ 田中文子 解放出版社
第30回 1997年 ぼくらのサイテーの夏 笹生陽子 講談社

第31回 - 第40回[編集]

作品 作者 出版社
第31回 1998年 ねこかぶりデイズ 錦織友子 小峰書店
第32回 1999年 霧の流れる川 岡田依世子 講談社
第33回 2000年 蝶々、とんだ 河原潤子 講談社
第34回 2001年 わすれてもいいよ 渋谷愛子 学習研究社
しろかきの季節(詩集) 関今日子 新風舎
第35回 2002年 えんの松原 伊藤遊 福音館書店
第36回 2003年 ドッグ・シェルター 犬と少年たちの再出航 今西乃子 金の星社
バイバイ。 李慶子 アートン
第37回 2004年 かめきちのおまかせ自由日記 村上しいこ 岩崎書店
いいねこだった(詩画集) 本間ちひろ 書肆楽々
第38回 2005年 青いチューリップ 新藤悦子 講談社
近代沖縄における児童文化・児童文学の研究 齋木喜美子 風間書房
第39回 2006年 かはたれ 散在ガ池の河童猫 朽木祥 福音館書店
第40回 2007年 天山の巫女ソニン①黄金の燕 菅野雪虫 講談社
冬を飛ぶ蝶(詩集) 鈴木レイ子 てらいんく

第41回 - 第50回[編集]

作品 作者 版元
第41回 2008年 幸子の庭 本多明 小峰書店
第42回 2009年 花火とおはじき 川島えつこ ポプラ社
第43回 2010年 ユリエルとグレン 石川宏千花 講談社
第44回 2011年 満月のさじかげん 樫崎茜 講談社
第45回 2012年 カエルの歌姫 如月かずさ 講談社
〈物語〉のゆらぎ-見切れない時代の児童文学- 奥山恵 くろしお出版
第46回 2013年 糸子の体重計 いとうみく 童心社
第47回 2014年 かさねちゃんにきいてみな 有沢佳映 講談社
第48回 2015年 どろぼうのどろぼん 斉藤倫 福音館書店
第49回 2016年 おばけ道、ただいま工事中!? 草野あきこ 岩崎書店
ABC!曙第二中学校放送部 市川朔久子 講談社
第50回 2017年 日小見不思議草紙 藤重ヒカル 偕成社

第51回 - 第60回[編集]

作品 作者 版元
第51回 2018年 ラブリィ! 吉田桃子 講談社
第52回 2019年 ピアノをきかせて 小俣麦穂 講談社
あさって町のフミオくん 昼田弥子 ブロンズ新社
第53回 2020年 一富士茄子牛焦げルギー たなかしん BL出版
第54回 2021年 ハジメテヒラク こまつあやこ 講談社
第55回 2022年 かすみ川の人魚 長谷川まりる 講談社
うさぎとハリネズミ きょうもいいひ はらまさかず ひだまり舎
第56回 2023年 黒紙の魔術師と白銀の龍 鳥美山貴子 講談社

関連事項[編集]

外部リンク[編集]

  • 文学賞 - 社団法人日本児童文学者協会