西の魔女が死んだ
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『西の魔女が死んだ』(にしのまじょがしんだ)は、梨木香歩による日本の小説、および同作品を収めた単行本、または文庫。1994年に単行本が、2001年には新潮文庫より文庫本が出版された。日本児童文学者協会賞新人賞、新美南吉児童文学賞、第44回小学館文学賞受賞。
2008年6月に実写映画が公開。
目次 |
[編集] 概要
主人公のまいが、自らを魔女と呼ぶおばあちゃんと過ごしていた頃を回想する形で物語は進む。まいは傷つきやすい少女として描かれ、今の現代社会に対しておばあちゃんが暮らす自然にあふれた生活が対照的に描かれる。また同時に一つの重要なテーマとして、人の死というものを含んでいる。
注意として、この作品に登場する魔女が使う魔法とは、ファンタジーの世界のようなものではなく、ちょっと不思議なことが分かる程度のものである。現実に魔女と呼ばれた人達のように、物語中でもこの力により迫害を受けたような描写もある。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] あらすじ
まいの元におばあちゃんが危篤だと連絡が来る。おばあちゃんの家に向かう車の中でまいは、おばあちゃんと過ごした2年前のことを思い出す。
まいは中学校に入学したばかりの頃、不登校になってしまい、しばらくの間、おばあちゃんの元で2人で暮らしていた。そこで、まいは「魔女」になるための修行をすることになる。その修行は、「なんでも自分で決めること」だった。 そうしてまいは「魔女」になるための修行をすることになった。
[編集] 登場人物
- まい
- 本作の主人公。イギリス人の祖母をもつクオーター。中学校で他人に同調するのを止めた為にいじめに遭い、喘息の治療も兼ねておばあちゃんの住む田舎で「魔女修行」という名の療養をした。ゲンジさんに対する感情からおばあちゃんと仲違いしたままT市に行くことになってしまい、2年後(=現在)まで後悔し続けていた。
- おばあちゃん
- まいの母方の祖母で、イギリス人の魔女。まいに魔女になるための修行をさせる。自分が所有する土地の一角をまいの名義に変え、それが後々の地域開発と言う名目の自然破壊を阻止するのに一役買った。ゲンジさんに対しても寛容であるためにまいと意見が合わず、強情なまいに手を上げてしまった。しかし、まいとの約束(魂の脱出)を果たし、彼女との確執は消えた。
- ママ
- まいの母親。おばあちゃんの娘で、日本人とイギリス人のハーフ。まい共々、おばあちゃんを「西の魔女」と呼んでいる。しかし、家事と仕事の両立や教育方針に関しては意見が合わないようだ。インターナショナル・スクールもない時代に日本で大学まで出ているが、やはり学校と言う場に溶け込めなかったらしく、まいが不登校になった理由も聞かずにいた。愛車はダークグリーンのミニ。
- 髪の毛の色はダークブラウン、目の色は琥珀色。
- パパ
- T市に単身赴任中のまいの父親。「魔女修行」中のまいの元にやってきて、家族共々引っ越すことを提案する。
- ゲンジさん
- おばあちゃんの家の近所に住むおじさん。まいの土地に無断で立入ったり(竹の子を掘っていたと弁解した)、いかがわしい雑誌を平気で投げ捨てたり、更にはまいが「ガイジンの孫」で「不登校」であることを理由に嘲ったりと、まいの神経を逆撫ですることばかりしていた。まいとおばあちゃんの確執を生んだ張本人(まいの怒りと嫌悪が頂点に達した時でさえ、おばあちゃんが彼に対して寛大だったため)。
- おじいちゃん
- おばあちゃんの夫。物語の中では既に故人である。おばあちゃんの回想にのみ登場。生前、ゲンジさんに良くしていたらしい。
[編集] ラジオドラマ
NHKラジオ第1放送、FMの「ラジオ深夜便小劇場」枠においてラジオドラマ化されて、2005年3月に数回放送された。
[編集] 映画
| 西の魔女が死んだ | |
|---|---|
| The Witch of the West Is Dead | |
| 監督 | 長崎俊一 |
| 脚本 | 矢沢由美 長崎俊一 |
| 製作 | 柘植靖司 谷島正之 桜井勉 |
| 製作総指揮 | 豊島雅郎 |
| 出演者 | サチ・パーカー 高橋真悠 りょう ほか |
| 音楽 | トベタ・バジュン |
| 主題歌 | 「虹」手嶌葵 |
| 撮影 | 渡部眞 |
| 編集 | 阿部亙英 |
| 配給 | アスミック・エース |
| 公開 | |
| 上映時間 | 115分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 日本語 |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
2008年6月21日に全国一斉ロードショー。文部科学省特別選定作品、青少年映画審議会推薦作品、厚生労働省社会保障審議会推薦作品。映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」第59位。
「おばあちゃんの住む家」を忠実に再現するべく、山梨県の清里高原にセットが作られ、撮影はそこで行われた。セットは2009年はじめまで保存・公開され、その後も建物はキープ協会の管理の下で保存されているが、内部公開はしていない[1]。
[編集] キャスト
[編集] スタッフ
- 監督:長崎俊一
- エグゼクティブ・プロデューサー:豊島雅郎
- プロデューサー:柘植靖司、谷島正之、桜井勉
- 脚本:矢沢由美、長崎俊一
- 撮影監督:渡部眞
- 照明:和田雄二
- 録音:弦巻裕
- 美術監修:種田陽平
- 美術:矢内京子
- 編集:阿部亙英、坂東直哉
- 音楽:トベタ・バジュン
- 製作:『西の魔女が死んだ』製作委員会
[編集] 主題歌
[編集] 渡りの一日
「渡りの一日」(わたりのいちにち)は『西の魔女が死んだ』の後日談を描いた小説作品。文庫本に収録されている。
[編集] あらすじ
まいは友人のショウコとサシバの渡りを見にいく約束をしていた。しかしショウコは約束をすっぽかし、家を訪ねてもなかなか起きてこない。ショウコは起きてきてもわびる様子もない。時間的にも渡りを見に行けなくなったため、ショウコの母親に勧められて、絵画展を見に行くことにする。が、途中で同級生・藤沢に怪我をさせ、彼の用事までしぶしぶ引き受けることに……。
[編集] 登場人物
- 加納 まい(かのう まい)
- 『西の魔女が死んだ』の主人公。転校先(T市と推定される)で、「何事にもこつこつと取り組み、人のために働くことが好き」というおばあちゃんとの魔女修行の成果が発揮されているため、密かにショウコからは尊敬されている。
- 和邇 ショウコ(わに ショウコ)
- まいの親友。少し変わった性格なのでクラスではやや浮いているが、本人は気にしていない。サシバの渡りを見に行こうと言い出しておきながらすっぽかした。自分の興味あることは他人も興味があるはずだと思い込み、押し付ける癖があるが、物語の最後でまいとの誤解が解ける。
- 順子さん
- ショウコの母。元婦人警官。
- 藤沢
- まいとショウコのクラスメート。サッカーの練習試合に出る兄に自転車で忘れ物を届けに行く途中、まいとショウコを避けたはずみに転び怪我をする。ショウコの言葉不足のために、2人から好かれているとあらぬ勘違いをするが…。
- 藤沢の兄
- サッカーの試合に出るのにユニフォームを忘れてしまったおっちょこちょい。笹島あやと婚約している。弟同様にまいとショウコに関して誤解をする。
- 笹島 あや(ささしま あや)
- ダンプカーの運転手。藤沢の兄と婚約している。「やりたいことを仕事にする」のが信条で、まいとショウコから憧れられている。
[編集] 書籍情報
- 単行本(楡出版、1994年、ISBN 4931266169、小学館、1996年、ISBN 4092896107)
- 文庫本(新潮社、2001年、ISBN 4101253323)
[編集] 出典・脚注
- ^ “西の魔女・おばあちゃんの家”. キープ協会. 2011年12月7日閲覧。
