文學界
『文學界』(ぶんがくかい)は、日本の文芸雑誌。文藝春秋が発行する月刊誌で、文學界新人賞を主催する。文藝春秋社の純文学部門を担う位置付けとされており、同社の『オール讀物』が大衆小説部門を担っているのと対をなす。 この『文學界』と、『新潮』(新潮社発行)、『群像』(講談社発行)、『すばる』(集英社発行)、『文藝』(河出書房新社発行、季刊誌)は「五大文芸誌」と呼ばれ、これらに掲載された短編・中編が芥川賞の候補になることが多い。
歴史
1933年より発刊され、のちに小林秀雄、林房雄、永井龍男らが軸になった。この文芸誌の主な出版方針は、芸術至上主義であった。だが1938年に、石川淳の「マルスの歌」を掲載したところ反戦意識を高めるという理由で発禁にされ、作者と編集主任の河上徹太郎も罰金を払うことになった。このとき、菊池寛が罰金を肩代わりしたのでその後、この雑誌は文藝春秋社が担うようになり、現在に至るまで文藝春秋が発行している。
1951年より「同人雑誌評」を継続してきたが、2008年12月号を以て最終回を迎えた[1]。慶應義塾大学出版会発行の『三田文学』が「新 同人雑誌評」として引き継いだ[2]。
歴代編集長
- 菊池武憲 1938
- 式場俊三 1938-39
- 川崎竹一 1939-40
- 徳田雅彦 1940
- 庄野誠一 1941-42
- 鷲尾洋三 1943-
- 上林吾郎 1949-50
- 鈴木貢 1950-54
- 尾関栄 1954-56
- 中戸川宗一 1956-57
- 上林吾郎 1957-59
- 車谷弘 1959-60
- 小林米紀 1960-64
- 杉村友一 1964-67
- 山本憲章 1967-68
- 印南寛 1969-72
- 西永達夫 1972-76
- 豊田健次 1976-79
- 松村善二郎 1979-82
- 阿部達児 1982-84
- 湯川豊 1984-87
- 雨宮秀樹 1987-89
- 湯川 1989-91
- 重松卓 1991-94
- 寺田英視 1994-96
- 庄野音比古 1996-99
- 細井秀雄(平山周吉)1999-2002
- 大川繁樹 2003‐2007
- 舩山幹雄 2007-2011
- 田中光子 2011-2014
- 武藤旬 2014-
脚注
- ^ 小山内伸「岐路に立つ「同人誌」――「文学界」での「評」打ち切りに」『朝日新聞』2008年11月11日付朝刊、第13版、第34面。
- ^ 三田文学|同人雑誌評
関連項目
外部リンク
- 文學界
- 文學界編集部 (@Bungakukai) - X(旧Twitter)
- 同人雑誌評