怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス
『怪獣大奮戦 ダイゴロウ対ゴリアス』(かいじゅうだいふんせん ダイゴロウたいゴリアス)は、1972年12月17日に「東宝チャンピオンまつり」の一作として公開された円谷プロダクション製作の特撮映画作品。円谷プロダクション創立10周年記念作品。同時上映は『ゴジラ電撃大作戦(「怪獣総進撃」改題短縮版)』、アニメ『パンダコパンダ』。
あらすじ
東京湾に姿を現した怪獣が自衛隊によって退治され、その怪獣の子供が後に残された。この子供怪獣はダイゴロウと名付けられ、国の管理下で飼育されることになった。
しかしダイゴロウは驚くべき大食漢であり、国税ではエサ代をまかないきれなくなったため、成長抑制剤を投与されそうになる。 それを知った子供たちや気のいい大人たちは立ち上がり、ダイゴロウのエサにもっと予算をつけてくれと要求するものの、役人の鈴木は追加予算を認めようとしない。
そんな時、宇宙から凶暴な怪獣ゴリアスが飛来する。ゴリアスを倒せるのはダイゴロウしかいないと、子供たちはダイゴロウの特訓をはじめる。
登場怪獣
ダイゴロウ
日本に上陸して暴れた怪獣の子供。瓦礫の中から発見され、孤島に隔離される形で飼育されていた。人懐こく、聞き分けが良い。そのため、食欲による予算過多を理由に成長を薬品で止められる際には、それを理解したかのように従う。反面、野生を失ったわけではなく、遥か彼方に飛来したゴリアスに対し、ライオンのように怒りを露にした(その際、ライオンの鳴き声を使っている)。ただし特訓したものの格闘能力は低く、母譲りの高熱火炎でゴリアスを退けた。
- 身長:35メートル
- 体重:8千トン
- 年齢:6歳
ダイゴロウの母
6年前に原子力潜水艦の爆発が原因で蘇った怪獣で、一対の角と鬣を有する。市街地に上陸し、火を吐いて暴れるが、大型ミサイルによって絶命。後には彼女の子供が遺されていた。
ゴリアス
宇宙から隕石に乗って地球に侵入した異星の生命体。熱エネルギーを吸収するため、周囲の海域は氷結、低温化する。武器は額の角から発する電光と巨大な拳。日本に上陸し、石油コンビナートを破壊。ゴリアス迎撃のため核兵器の使用までもが検討された。特訓したダイゴロウと対戦、発明おじさんたちによって電光を封じるための巨大な絶縁布を角に付けられるもそれを剥がし、終始優勢に戦いを進めるが、ダイゴロウの高熱火炎に角を破壊され敗北。最後はロケットで宇宙へ帰された。鳴き声は後に『ウルトラマンタロウ』のアストロモンス、ムルロア、マシュラ、『ウルトラマン80』のザキラに使用された。
- 身長:45メートル
- 体重:3万トン
- 尻尾:50メートル
スタッフ
- 製作:円谷一
- 製作:満田かずほ ※クレジット表記なし
- 脚本:千束北男
- 音楽:冬木透
- 予告編音楽:冨田勲 ※クレジット表記なし
- 撮影:稲垣涌三
- 美術:池谷仙克
- 照明:新井盛
- 録音:東京映画映像部
- 整音:西尾昇
- 光学撮影:宮重道久、茂田幸男、中村司、吉田和広、木村金男、鯨井実、兵頭文造
- 監督助手:山本正孝
- 編集:白江隆夫
- 視覚効果:飯塚定雄
- 現像所:東京現像所
- 製作担当者:笠井一美
- スチール:松原義昭 ※クレジット表記なし
- 特殊技術:大木淳、中野稔
- 監督:飯島敏宏
※映画クレジット順
- 主題歌:「ダイゴロウ対ゴリアス」(歌:子門真人、荒川少年少女合唱隊)
- 挿入歌:
- 「ララバイ オブ ダイゴロウ」(歌:桜井妙子、スタジオ・シンガーズ)
- 「ぼくのおじさん」(歌:子門真人)
- 「そしてエピロオグ」(歌:子門真人)
キャスト
- 鬼沢熊五郎:三波伸介
- 斉藤(飼育係):小坂一也
- 鈴木等:小林昭二
- 八五郎:三角八朗
- 医者:浜村純
- 中年男:砂塚秀夫
- 好子の見合いの相手:小松政夫
- TVキャスター:人見きよし
- 好子:天地総子
- 鬼沢うめ子:瞳麗子
- 女:田坂都
- 斉藤のガールフレンド:田代千鶴子
- 飲み屋の親父:若宮大佑
- 親父:今村源兵
- 飼育係:佐々木久男
- アシスタント:辻しげる
- 飼育係:伊海田弘
- 飼育係:山寺勉
- 飼育係上司:石山克己(現・石山勝巳)
- 太郎:矢崎友紀
- 子供:村田宏一、簾内滋之、スタンリー・イルマティ、河井京子、伊東享子
- オジサン(発明家):犬塚弘
- ダイゴロウ:山村哲夫
- ゴリアス:加藤寿
※映画クレジット順
エピソード
脚本も兼任した飯島監督は、犬塚弘演じる「発明おじさん」を、フランスの喜劇俳優・監督のジャック・タチ演じる「ユロおじさん」をイメージして造形したとコメントしている。