座法
座法(ざほう、もとの用字は坐法)とは、ヒトが椅子等の家具なしに床など敷物の上に座る際の足の組み方である。
敷物に座る文化は各国にあるが、日本では正座、胡坐(あぐら)といわれる座り方が現代でも日常的に行われている。
座法の種類
- 正座詳細は「正座」を参照
- 跪座(きざ)
- 片膝立
- 胡坐(あぐら)詳細は「胡坐」を参照
- 日本他。日本では安座といった。
- 半安座
- 胡座の足を組まない座り方。古い居合術の形に大座という名称でみられる。
- 結跏趺坐(けっかふざ)詳細は「結跏趺坐」を参照
- 仏教、ヨーガのパドマ・アーサナ(蓮華坐)など。
- 蹲踞(そんきょ)詳細は「蹲踞」を参照
- 体育座り詳細は「体育座り」を参照
- 女座り
- 日本女性などが行なう正座のずれた形の座り。
- あひる座り(ぺったんこ座り、ぺたんこ座り、女の子座り、ぺたん座り、おばあちゃん座り、鳶座り、割座)
- 正座の状態で両足を外にして、お尻を地面にぺたんと付けたままの座り方。M字のような形または、両脚をもっと広げてT字のような形に座る場合もある。主に、女性に特徴的な座り方であるが、成人男性でも出来る人もいる。体の柔らかい子どもがすることが多いが、成長過程で股関節に悪影響を与え、四角い骨盤となるおそれがある。そのため、女性の場合、子宮に影響を与え、あまり良くない座り方だと言われている。
その他
- しゃがむ姿勢
各国の座法
日本
身分によっても男性の座法と女性の座法は異なっている。仏教伝来とともに修行法の座法が入った。正式な座法にも変遷がある。室町時代には片膝立や胡坐が一般的。高台院(北の政所)の高台寺の坐像も片膝立であるように女性もこの姿勢が普通であった。現在の正座は江戸時代に武家の作法に小笠原流が入った際に採用された男女共通の座法という説がある。いっぽうで、奈良時代の仏像や、室町時代の宣教師の筆記から、江戸時代より以前から一般庶民に正座と同じ座り方が浸透していたとする説もある。なお正座という名称は明治時代以降につけられたと推測される。
朝鮮
韓国などでは女性は片膝立が正式な座法。
ヨーガ・仏教
外部リンク
- 入澤達吉『日本人の坐り方に就いて』 克誠堂書店 1921年 国会図書館 近代デジタルライブラリ(初出は『史学雑誌』第31編第8号 1920年)
- 正座の源流 Origin of Seiza:Sitting-Up Straight in Japan 川本利恵、中村 充一(東京家政大学紀要第39号 1999年)