小山裕史

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小山 裕史(こやま やすし、1956年11月14日[1] - )は、鳥取県出身の、元ボディビルダー、アスリートを指導するフィットネスコーチ、神経筋生理学者、博士(人間科学)[2]である。

経歴・人物[編集]

鳥取県立鳥取東高等学校大阪経済大学を卒業後、身体理論を学び、1981年鳥取市にてトレーニングジム「ワールドウィング」を開業[3]。1985年著書『トレーニング革命』を出版。

小山は、元JBBFボディビル日本チャンピオン、1983年1984年1989年アジアボディビル 90 kg 以下級チャンピオンというアスリートである。1980年代には日本のボディビル界で朝生照雄石井直方と並ぶ「三強」を形成しており、1983年にはIFBB世界ボディビル選手権に出場、ライトヘビー級5位に入った[4]

1994年に自ら考案した『初動負荷理論』を発表[5]イチロー[5]山本昌岩瀬仁紀[6]山口俊岩隈久志鳥谷敬を始めとして、野球選手を中心に多くのスポーツ選手を指導している。野球以外ではテニスの杉山愛、サッカーの藤田俊哉などへの指導経験もある[3]。日本人として100メートル競走で10秒00を初めて記録した伊東浩司も指導した。

日本スケート連盟日本陸上競技連盟[3]のフィットネス・コーチ等を歴任し、現在、ワールドウィング・エンタープライズ代表。

早稲田大学人間科学研究科博士課程を修了し、初動負荷トレーニングの運動生理学的研究により2011年7月博士(人間科学)の学位を取得[2]鳥取大学医学部客員教授及び高崎健康福祉大学保健医療学部理学療法学科教授を務めた。

宗茂宗猛兄弟を師と仰いでおり、後に小山が開発したスポーツシューズ「ビモロ」も、元々は宗兄弟が「トレーニング中にシューズが原因で故障することがあるのをなんとかできないか」と小山に相談してきたのがきっかけだったという[7]

2023年5月、ROOKIE Racing豊田章男(モリゾウ)と共同で、「ビモロ」のレーシングシューズバージョンとして「ビモロレーシング RR Morizo Selection」を開発したことを公表した。同年8月まで限定販売する[8]

著書[編集]

  • 『トレーニング革命』(ベースボール・マガジン社、1985年10月) ISBN 4583025572
  • 『夢の途中で:スポーツ・旅・ロマン・そして人を愛して』(講談社、1987年2月)ISBN 4062032546
  • 『新トレーニング革命』(講談社、1991年11月)ISBN 4062054914
  • 『新訂版 新トレーニング革命:初動負荷理論に基づくトレーニング体系の確立と展開』(講談社、1994年9月) ISBN 4062070324
  • 『初動負荷理論による野球トレーニング革命』(ベースボール・マガジン社、1999年11月) ISBN 4583036205
  • 『「奇跡」のトレーニング:初動負荷理論が「世界」を変える』(講談社、2004年1月)ISBN 4062122170
  • 『小山裕史のウォーキング革命:初動負荷理論で考える歩き方と靴』(講談社、2008年2月)ISBN 9784062143752
  • 『希望のトレーニング:彼らは初動負荷トレーニングで何を見つけたのか』(講談社、2014年7月)ISBN 9784062189088

テレビ出演[編集]

  • 『ウィークエンドリポート 極限に挑む ボディビルダー小山裕史復活への道』 1989年 NHK鳥取。1989年のアジア選手権で5年のブランクの後、復活優勝を遂げる過程を追ったドキュメンタリー

代表的な論文業績[編集]

  • Koyama Y, Kobayashi H, Suzuki S, Enoka RM (2010). “Enhancing the weight training experience: a comparison of limb kinematics and EMG activity on three machines”. European Journal of Applied Physiology 109 (5): 789-801. doi:10.1007/s00421-010-1421-y. PMID 20225080. 
  • Kobayashi H, Koyama Y, Enoka RM, Suzuki S (2014). “A unique form of light-load training improves steadiness and performance on some functional tasks in older adults.”. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports 24 (1): 98-110. doi:10.1111/j.1600-0838.2012.01460.x. PMID 22493975. 

出典[編集]

  1. ^ 著者、小山裕史.『小山裕史のウォーキング革命 初動負荷理論で考える歩き方と靴(増補改訂版)』(第2刷)(2014):講談社
  2. ^ a b 小山裕史『Beginning movement load training-induced neuromuscular adaptations in humans』早稲田大学〈博士 (人間科学) 甲第3406〉、2011年。 NAID 500000558851https://hdl.handle.net/2065/37778 
  3. ^ a b c 新理論でトレーニングの常識を覆した世界が注目するトレーナー 小山裕史さん - 早稲田ウィークリー・2004年10月7日
  4. ^ 日本トレーニング史⑩ 80年代、3強の時代 - VITUP!・2017年11月15日
  5. ^ a b イチローが取り組む「初動負荷理論」とは…ワールドウィング・小山代表が語りつくす - サンケイスポーツ・2016年6月17日
  6. ^ イチローと岩瀬、日米最年長の共通点。初動負荷理論は不老不死の薬なのか? - Number Web・2018年3月29日
  7. ^ イチローが愛用しチーム内でも大流行。鳥取産シューズ「ビモロ」とは? - 週プレNEWS・2016年3月29日
  8. ^ モリゾウとビモロシューズがタッグを組んだ『ビモロレーシング, RR MORIZO Selection』誕生 - オートスポーツ・2023年5月25日

外部リンク[編集]