ラザフォード (単位)

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ラザフォード
記号 Rd
非SI単位
放射能
SI 1 MBq
定義 放射性核種の壊変数が1秒間に100万の割合である放射能
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ラザフォード(rutherford)は、かつて使われていた放射能・壊変率の単位である。記号はRd

1ラザフォードは、放射性核種の壊変数が1秒間に100万(= 106)の割合である放射能と定義される。国際単位系(SI)の放射能の単位ベクレルが1秒間に1の割合と定義されているので、1 Rd = 106 Bq = 1 Mbq(メガベクレル), 1 Bq = 10-6 Rdとなる。また、1 Rd = 約 2.703×10−5 Ci(キュリー), 1 Ci = 約 3.7×104 Rd である。

この単位は1946年に導入された[1]。その名前は、「核物理学の父」と呼ばれるイギリス・ニュージーランドの物理学者アーネスト・ラザフォードに因むものである[2]。ラザフォードは初期の原子核崩壊研究の第一人者であった。1975年にベクレルが導入された[3]後、ラザフォードは時代遅れの単位となり、一般には使用されなくなった。

脚注[編集]

  1. ^ Lind, SC (1946), “New units for the measurement of radioactivity”, Science 103 (2687): 761–762, Bibcode1946Sci...103..761L, doi:10.1126/science.103.2687.761-a, PMID 17836457. 
  2. ^ Ernest Rutherford - Facts - NobelPrize.org”. 2018年10月22日閲覧。
  3. ^ Harder, D (1976), “[The new radiologic units of measurement gray and becquerel (author's translation from the German original)]”, Röntgen-Blätter 29 (1): 49–52, PMID 1251122. 
放射能に関する単位と量[編集]
単位 記号 定義 導入年 SI単位
放射能 (A) キュリー Ci 3.7×1010 s−1 1953年 3.7×1010 Bq
ベクレル Bq s−1 1974年 SI単位
ラザフォード Rd 106 s−1 1946年 MBq
照射線量 (X) レントゲン R esu / 0.001293 g(空気) 1928年 2.58×10−4 C/kg
フルエンス (Φ) 毎平方メートル m−2 m−2 1962年 SI単位
吸収線量 (D) エルグ erg erg⋅g−1 1950年 10−4 Gy
ラド rad 100 erg·g−1 1953年 10−2 Gy
グレイ Gy J·kg−1 1974年 SI単位
等価線量 (H) レム rem 100 erg·g−1 1971年 10−2 Sv
シーベルト Sv J·kg−1 × WR 1977年 SI単位