トマス・デンマン (第3代デンマン男爵)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
第3代デンマン男爵
トマス・デンマン
Thomas Denman, 3rd Baron Denman
生年月日 1874年11月16日
没年月日 (1954-06-24) 1954年6月24日(79歳没)
出身校 サンドハースト王立陸軍士官学校
所属政党 自由党
配偶者 ガートルード・デンマン英語版

在任期間 1911年7月31日 - 1914年5月18日
国王 ジョージ5世

イギリスの旗 貴族院議員
在任期間 1895年11月16日 - 1954年6月24日
テンプレートを表示

第3代デンマン男爵トマス・デンマン英語: Thomas Denman, 3rd Baron Denman, GCMG, KCVO, PC1874年11月16日 - 1954年6月24日)は、イギリスの貴族、政治家。1911年から1914年にかけてオーストラリア総督を務めた。

経歴[編集]

1874年11月16日巡回裁判書記官英語版のリチャード・デンマンとその妻ヘレン(旧姓マクミッキング)の間の息子としてロンドンに生まれる[1][2]。父は初代デンマン男爵トマス・デンマン英語版の孫にあたる[3]

サンドハースト王立陸軍士官学校を卒業[1]

1894年8月9日に大叔父にあたる第2代デンマン男爵トマス・デンマン英語版の死去により19歳で第3代デンマン男爵を継承した[3][1]

ボーア戦争が勃発すると従軍し[1]1900年2月3日帝国ヨーマンリー英語版の中尉となった[4]。1902年4月30日にミドルセックス(ケンブリッジ公軽騎兵連隊)帝国ヨーマンリー英語版の少佐となる[5]

21歳から自由党貴族院議員となり、1905年から1907年にかけて議員たる侍従英語版(貴族院与党幹事)、1907年から1911年にかけて名誉帯剣紳士隊長(貴族院与党院内幹事長英語版)を務めた。また1909年には貴族院副議長(Deputy Speaker, House of Lords)を務めた[3][2]

1911年から1914年にかけてオーストラリア総督を務めた。彼は前任の第2代ダドリー伯爵英語版ウィリアム・ワード英語版と違い、「私は労働者が好きだ」と語ってアンドリュー・フィッシャー労働党政権と友好的な関係を持つことに努めた[1]1913年3月12日にはオーストラリア首都特別地域創設のセレモニーを開催した。1913年5月の総選挙英語版連邦自由党英語版が勝利してジョセフ・クック英語版が政権に就いたが、上院では労働党が多数を握り続けたため、政治は混乱した。デンマンの健康が悪化したこともあって混乱の収拾はできなかった。1914年5月に健康状態などを理由にして辞職した[1]

1914年から1915年にかけて第一次世界大戦に従軍し、ミドルセックス・ヨーマンリー英語版の中佐となった[1]

1919年から1924年にかけては貴族院自由党幹事長を務めた[1]

1954年6月24日サセックスホヴで死去。爵位はトマス・デンマン英語版に継承された[3][2]

栄典[編集]

爵位[編集]

1894年8月9日の大伯父トマス・デンマン英語版の死去により以下の爵位を継承した[3][2]

勲章[編集]

家族[編集]

1904年11月26日、初代カウドレー子爵ウィートマン・ピアソンの娘ガートルード英語版(Gertrude, 1884–1954)と結婚。彼女との間に以下の2子を儲けた。

  • 第1子(長男)トマス・デンマン(Thomas Denman, 1905-1971) - 第4代デンマン男爵を継承
  • 第2子(長女)アン・ジュディス・デンマン(Thomas Denman, 1907-1987) - 第8代準男爵英語版ウォルター・バレルと結婚

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h Cunneen, Chris (1981). "Denman, Thomas [Baron Denman] (1874–1954)". Australian Dictionary of Biography (英語). Canberra: Australian National University. 2018年1月15日閲覧
  2. ^ a b c d Lundy, Darryl. “Thomas Denman, 3rd Baron Denman of Dovedale” (英語). thepeerage.com. 2018年1月15日閲覧。
  3. ^ a b c d e Heraldic Media Limited. “Denman, Baron (UK, 1834)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2018年1月15日閲覧。
  4. ^ "No. 27160". The London Gazette (英語). 2 February 1900. p. 692.
  5. ^ "No. 27429". The London Gazette (英語). 29 April 1902. p. 2866.
  6. ^ "No. 28251". The London Gazette (Supplement) (英語). 17 May 1909. p. 3753.
  7. ^ "No. 28505". The London Gazette (Supplement) (英語). 16 June 1911. p. 4593.
公職
先代
初代チャーチル男爵
議員たる侍従英語版
1905年–1907年
次代
第2代ハーシェル男爵英語版
先代
第7代ビーチャム伯爵英語版
名誉帯剣紳士隊長
1907年 –1911年
次代
初代コールブルック男爵英語版
先代
第4代リブルズデール男爵英語版
貴族院与党院内幹事長英語版
1907年–1911年
官職
先代
第2代ダドリー伯爵英語版
オーストラリア総督
1911年–1914年
次代
サー・ロナルド・マンロ・ファーガソン英語版
イギリスの爵位
先代
トマス・デンマン英語版
第3代デンマン男爵
1894年–1954年
次代
トマス・デンマン