ダリネゴルスク

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座標: 北緯44度32分 東経135度31分 / 北緯44.533度 東経135.517度 / 44.533; 135.517

ダリネゴルスクの市章。名産の水晶をあしらう
ダリネゴルスクの冬
ダリネゴルスク中心部
鉱山町テチューヘ(1934年)

ダリネゴルスクДальнегорск Dal'negorsk;英:Dalnegorsk、「遠くの山の町」)はロシアの極東部、沿海地方ポグラニーチヌイ地区に属する街。人口は2002年国勢調査で40,069人の鉱工業都市である。

沿海地方東部の日本海側ではもっとも大きな街である。街の旧名称は中国語の「野猪河」(拼音: yĕzhūhé)が転じたテチューヘТе́тюхе Tetyukhe)、でありシベリア抑留気象通報などで日本でもよく知られていたが、1972年に沿海地方からの中国語地名の一掃により改名された(1860年北京条約までは沿海地方はの領土・外満州であったため、多くの中国語由来の地名が残っていた)。

地理

日本海から30kmほどシホテアリニ山脈山中に入った場所で、ルドナヤ川(旧称テチューヘ川)が流れている。最寄の港は、ルドナヤ川の河口にある日本海に面したルドナヤプリスタニで、35km離れている。

沿海地方の最大都市ウラジオストクなどからの路線が就航する空港がある。ウラジオストクからは道路で517km。最寄の駅は198km離れたチュグエフカ(シベリア鉄道から東のシホテアリニ山中へ分かれる支線の終着駅)。

歴史

集落の設立は1899年スイスからの移民であったユリウス・ブリンナー(Julius Brynner)という人物がテチューヘ川(現在のルドナヤ川)沿いのこの地に亜鉛の鉱山を設立した。息子のボリス・ブリンナーが1931年まで鉱山を所有・管理しており、ソビエト連邦の中でも最後に国有化された鉱山のひとつである。ウラジオストクで生まれたボリスの息子ユル・ブリンナーは後にハルビンからパリへ渡り、第二次世界大戦後アメリカで有名な映画俳優になった[1]

1930年にテチューヘは都市型集落(町)へと昇格し、1972年にダリネゴルスクと改名された。1989年に市制施行されている。

産業

市民の多くは「JSC Bor」と「JSC Dalpolimetal」という企業に雇用されている。「Bor」はこの地方の種類の豊富な鉱床から多くの原料を作り出す化学工場である。「Dalpolimetal」は1897年に操業を開始したロシアのの58%を生産する企業で、ルドナヤプリスタニの港に大きな精錬所を所有している。いずれも生産量の4分の3ほどを日本はじめアジアヨーロッパ諸国に輸出している。しかし一方では大気汚染など重金属による環境への影響も深刻である。

ダリネゴルスクは工業都市であるが、ポグラニーチヌイ地区の90%はチョウセンゴヨウ(またはチョウセンマツ)や広葉樹に覆われた多くの生物のすむ山林地帯であり、エコツーリズムの可能性を秘めている。またダリネゴルスク周辺から産出される水晶などの鉱物は、世界の多くの鉱物市場やミネラルショーなどで取引され広い層に珍重されている。

UFO事件

ダリネゴルスク近郊のイズヴェストコヴァヤ山(Mount Izvestkovaya、別名611高地)は、1986年1月29日に光の球が目撃され、UFOが墜落または着地したと称される「611高地UFO事件」の起こった場所である[2][3]

脚注

  1. ^ Mining history of the town on the website of Dalnegorsk (ロシア語)
  2. ^ http://www.ufoarea.com/crashes_1986_siberia.html 611高地事件に関するページ Ufoarea.com
  3. ^ http://www.unexplainable.net/artman/publish/article_864.shtml 1994年のプラウダの記事

外部リンク