サンシュユ

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サンシュユ
サンシュユの花(2004年3月)
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ミズキ目 Cornales
: ミズキ科 Cornaceae
: ミズキ属 Cornus
: サンシュユ C. officinalis
学名
Cornus officinalis Sieb. et Zucc.[1]
和名
サンシュユ(山茱萸)

サンシュユ(山茱萸、学名:Cornus officinalis Sieb. et Zucc.)は、ミズキ目ミズキ科の落葉小高木。ハルコガネバナ、アキサンゴ、ヤマグミとも呼ばれる[2]季語は春。

分布

中国及び朝鮮半島の原産地に分布する。江戸時代享保年間に朝鮮経由で漢種の種子が日本に持ち込まれ、薬用植物として栽培されるようになった[3]。日本では観賞用として庭木などにも利用されている[4]。日当たりの良い肥沃地などに生育する[5]

特徴

高さ3-15 mになる落葉小高木。樹皮は薄茶色で、葉は互生し長さ4-10 cmほどの楕円形で両面に毛がある[6]。3月から5月にかけ[1]、若葉に先立って花弁が4枚ある鮮黄色の小花を木一面に集めてつける。花弁は4個で反り返り、雄しべは4個[7]。夏には葉がイラガカナブンの食害を受ける。晩秋に付ける紅色楕円形の実は渋くて生食には向かない。

生薬

内部にある種子を取り除き乾燥させた果肉(正確には偽果)は生薬に利用され、山茱萸(やまぐみ)という生薬として日本薬局方に収録されており、強精薬、止血、解熱作用がある[4]。果肉は長さ1.4 cm程の楕円形[6]。牛車腎気丸、八味地黄丸等の漢方方剤にも使われる。

和名の由来

山茱萸の音読みが、和名の由来である[2][8]。早春、葉がつく前に木一面に黄色の花をつけることから、「ハルコガネバナ」とも呼ばれる[1]。秋のグミのような赤い実を珊瑚に例えて、「アキサンゴ」とも呼ばれる[2]

関連画像

葉と偽果 偽果 スケッチ

脚注

  1. ^ a b c サンシュユ”. 東山動植物園. 2011年11月21日閲覧。
  2. ^ a b c サンシュユ”. 埼玉県. 2011年11月21日閲覧。
  3. ^ 生薬の玉手箱 山茱萸(サンシュユ)”. ウチダ和漢薬 (2003年6月15日). 2011年11月21日閲覧。
  4. ^ a b 生薬について 山茱萸”. 田辺三菱製薬. 2011年11月21日閲覧。
  5. ^ サンシュユ”. 船橋市公園協会. 2011年11月21日閲覧。
  6. ^ a b 写真でみる野生植物 山茱萸”. 野生植物研究所. 2011年11月21日閲覧。
  7. ^ サンシュユ”. 広島県緑化センター. 2011年11月21日閲覧。
  8. ^ サンシュユ”. 筑波実験植物園. 2011年11月21日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • 遠藤徹、田口平八郎「サンシュユの成分研究」『藥學雜誌』第93巻第1号、公益社団法人日本薬学会、1973年1月25日、30-32頁、NAID 110003651371