ケナガネズミ
ケナガネズミ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価[a 1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Diplothrix legata (Thomas, 1906) | ||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||
Lenothrix legata Thomas, 1906
Musbowersii var. okinavensis | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ケナガネズミ | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Ryukyu long-furred rat Ryukyu long-haired rat |
ケナガネズミ(毛長鼠、Diplothrix legata)は、動物界脊索動物門哺乳綱ネズミ目(齧歯目)ネズミ科ケナガネズミ属に分類される哺乳類。本種のみでケナガネズミ属を構成する。
分布
日本(奄美大島、沖縄島北部、徳之島)[1][2]固有種[a 2]
模式標本の産地(模式産地)は沖縄島[3]。
形態
体長22-33センチメートル[1][4][a 2]。尾長24-37.2センチメートル[1]。体重400-680グラム。700グラム超えるものさえいる。日本に分布するネズミ科の構成種では最大種[2]。背面は2.9センチメートルの体毛で被われるが、5-6センチメートルの長い剛毛と長さ2.5センチメートルの扁平な刺状の体毛が混じる[1][a 2]。尾は0.3-0.4センチメートルの体毛で被われる[1][4]。背面の毛衣は黄褐色、腹面の毛衣は暗褐色[1][a 2]。尾は黒褐色だが、先端(尾の2/5)は白い[1][a 2]。
後足長4.9-6センチメートル[1][a 2]。四肢には鉤状の爪があり、木に登るのに適している[2]。
分類
ネズミ科内ではクマネズミ属やセレベスオオネズミ属に近縁とする説がある[1][a 2]。
生態
アラカシやスダジイなどからなる常緑広葉樹林に生息する[1][2]。樹上棲[1]。夜行性で、昼間は樹洞で休む[4][a 2]。樹洞に木の枝や枯れ葉を組み合わせた直径30センチメートルに達する球状の巣を作る[1][4]。
食性は雑食と考えられ、果実、種子、サツマイモ、昆虫などを食べる[1][4][a 2]。
繁殖形態は胎生。秋季から冬季が繁殖期と考えられている[a 2]。1回に2-5頭の幼獣を産む[1]
人間との関係
方言名としてドオジロ(奄美大島)、ヤマアジ、ヤマアージ(沖縄島)、ジュジュロ、ヤマアラシ(徳之島)がある[1][4]。
開発による生息地の破壊[2]、人為的に持ちこまれたノイヌ、ノネコ、ジャワマングースなどによる捕食などにより生息数は減少している[1][4][a 2]。日本では1972年に国の天然記念物に指定されている[2]
- 鹿児島県版レッドデータブック - 絶滅危惧I類
- 沖縄県版レッドデータブック - 絶滅危惧IA類
参考文献
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 阿部永監修、阿部永・石井信夫・伊藤徹魯・金子之史・前田喜四雄・三浦慎吾・米田政明 『日本の哺乳類【改訂2版】』 東海大学出版会、2008年、142頁。
- ^ a b c d e f 加藤陸奥雄、沼田眞、渡辺景隆、畑正憲監修 『日本の天然記念物』、講談社、1995年、624、627頁。
- ^ 金子之史、村上興正 「シリーズ 日本の哺乳類 種名検討編、日本産齧歯類(野鼠及び家鼠)の分類学史的検討」『哺乳類科学』 Vol.36 No.1、1996年、119頁。
- ^ a b c d e f g 『沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)-動物編-』、沖縄県文化環境部自然保護課編 、2005年、25頁。
- 『フィールドベスト図鑑 日本の哺乳類』、学習研究社、2002年、ISBN 4054013740 P183