エレクトリックベース
エレクトリックベース | ||||||||
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別称:エレキベース、ベースギター、ベース | ||||||||
各言語での名称 | ||||||||
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エレキベース | ||||||||
分類 | ||||||||
関連楽器 | ||||||||
エレクトリックベース(electric bass、エレキベースとも)は低音部の撥弦楽器。日本では「エレクトリックベース」とフルで呼ばれる事は少なく、エレキベース、電気ベース、あるいは単にベースと呼ばれる。一般的にバンドのパート担当者を紹介する際は「ベース」と表現される。弦は基本的に4本。5本や6本以上のものは多弦ベースと呼ばれることもある。
この項で解説する「エレクトリックベース」とは、「エレクトリックのベースギター (electric bass guitar) のことである。本来「エレクトリックベース」は「電気信号を別個の発音機器に送る低音域用の弦楽器」という意味で、「それ自体に音を発生させる機能がある低音域用の弦楽器」である「アコースティック・ベース」の対義語である。しかしエレキベースが世に出た当初は他にこのような電気信号式のベースはなかったことから、自然この語はほぼ排他的に「エレクトリックのベースギター」を指す語となった。
もっとも1960年代まで米国では、「フェンダーベース」という呼称が一般的だった。おそらく、この呼称は初めて量産されたフェンダー社のプレシジョンベース、及びその後継機種であるジャズベースの流通量の豊富さ、ミュージシャンの使用頻度の高さによるものと思われる。「エレクトリックベース」の呼称は、米国のセッションベーシストであるキャロル・ケイが自著「How to play electric bass」で用いたのが最初といわれる。
また日本語でも英語でも、「ベースギター (bass guitar)」と言うときも通常はこのエレクトリックベースギターのことを指す。
またベース奏者のことを「ベーシスト (Bassist)」と呼ぶ。著名なベーシストとしては、ファンクのブーツィー・コリンズ、ラリー・グラハム、ロックのアンディ・フレーザー、ロジャー・グローバー、ジャズ・クロスオーバーのポール・ジャクソン、スタンリー・クラークなどがいる。
今でこそポピュラーな楽器だが、昔は非常に高価な代物でヴァン・ヘイレンのベーシスト、マイケル・アンソニーはエレクトリックギターの1弦と2弦を外してベースの練習をしていたという。また、ナイアシンのベーシスト、ビリー・シーンは「(前略)当時ギターよりベースが高価で買えなかったから、ギターでベースラインを弾いていたんだ。」と語っている。
概説
通常弦は全て巻弦であり、音階はギターでいう3-6弦の1オクターブ下が1-4弦に相当する。音階が低いため、楽譜上はヘ音記号で記譜する。
エレキベースは、音域や演奏上のパートから見ればコントラバスの電気信号型と見なすこともできるが、その用途、構造、形状、発音方式、増幅方式などは全てエレキギターに準じており、実際は低音階を演奏するために特化したエレキギターである。
エレキベースとコントラバスの主な違いは以下の通り:
コントラバス | エレキベース | 備考 | |
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サイズ | ・等身大ほどの大きさ | ・通常のギターとほぼ同等 1 | |
演奏形態 | ・ベース脇に立って弾く ・専用の椅子に座って弾く |
・立って肩から吊るして弾く ・着席し膝の上に乗せて弾く |
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奏法 | ・ボウイング ・ピッツィカート ・スラッピング ・グリッサンド ・タッピング |
・ピッキング ・スラッピング ・タッピング ・グリッサンド |
独特の音響効果を得るためにエレキギターでボウイングをすることは稀にあるが、エレキベースでボウイングをすることはまずない。 |
フレット | ・ない | ・ある 2 | フェンダー社の最古のエレキベースに「プレシジョン・ベース」という商標のものがある。「プレシジョン」とは英語で「正確」という意味で、フレットを付けたことにより誰でも容易に正確な音程を出せるようになったことを表した命名である。コントラバスにはフレットがないので、ある程度の修練を積んだ者でなければ正確な音程で弾くことは難しい。 |
1 アコースティックギターのような厚みがなく、ネックの部分はやや長め。(→ 詳細は「クラシックギターとエレキギター」の項を参照)
2 ただしフレットのついていない特殊なエレキベースも存在する。(→ 詳細は「フレットレス ベース」の項を参照)
エレキベースの種類
- フレットレス: フレットの付いていない特殊なエレキベース
- 1弦ベース[1]
- 2弦ベース[1]
- 3弦ベース[1]
- 5弦ベース
- 6弦ベース
- 7弦ベース[1]
- 8弦ベース[1]
- 9弦ベース[1]
- 10弦ベース[1]
- 11弦ベース[1]
- 12弦ベース[1]
- 15弦ベース[1]
5弦ベースより弦の多いものは多弦ベースとも呼ばれるが、
7弦より多いものは非常にまれであり、多弦ベースというと一般的には5弦、6弦を指す場合が多い。
多弦のフレットレスベースというものも存在する(F Bassなど)。
- エレクトリック アップライトベース
- スティック: 8弦、10弦、12弦のものがある
- ワーギター: 7弦〜12弦のものがある
- アッシュボリー・ベース
関連項目
脚注
外部リンク
- ベース・マガジン - リットーミュージックが発行する月刊誌でベース専門雑誌では書店で最もよく目にする雑誌。