イベルメクチン
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臨床データ | |
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胎児危険度分類 | |
識別 | |
ATCコード | P02CF01 (WHO) QP54AA01 (WHO) QS02QA03 (WHO) |
KEGG | D00804 |
化学的データ | |
化学式 | C48H74O14 (22,23-dihydroavermectin B1a) C47H72O14 (22,23-dihydroavermectin B1b) |
分子量 | [計算不可] |
イベルメクチン(英: ivermectin)は、マクロライド類に属する腸管糞線虫症の駆虫薬の1つ。また疥癬、毛包虫症の治療薬でもある。商品名ストロメクトール。
線虫のシナプス前神経終末においてγ-アミノ酪酸(GABA)の遊離を促進することにより節後神経シナプスの刺激を遮断する。吸虫や条虫では末梢神経伝達物質としてGABAを利用しないため無効。イヌでは犬糸状虫症の予防のために使用される。犬糸状虫のミクロフィラリアが血中に存在しているイヌにイベルメクチンを投与すると、ミクロフィラリアが一度に死滅し、発熱やショックを引き起こす場合がある。したがって、イベルメクチンを予防薬として使用する際は犬糸状虫の感染の有無を検査する必要がある。
医療
日本国内においては、健康保険適応疾患としては腸管糞線虫症、および疥癬がある。 糞線虫では2回、疥癬では1回服用できる(一般論としては、孵化していない虫卵に対しては効果がないため、2回服用が好ましい)。2回内服する場合は1~2週間空ける。
畜産への利用
- ウシの寄生虫駆除のため、イベルメクチンの投与が行われているが、牛肉に成分が残留するため、アメリカ合衆国や日本等の輸入国では許容値が設けられている。
- 2010年5月14日、アメリカ合衆国農務省食品安全検査部は、ブラジル産牛肉から、許容量以上のイベルメクチンが検出されたとして輸入を停止、リコールを行った。その後、輸入は再開されたが、再び同年9月に許容量以上のイベルメクチンが検出されたとして二度目の輸入停止措置を行っている。
関連項目
参考文献
- Donald C. Plumb著 佐藤宏ほか監訳 『プラム 動物用医薬品ハンドブック 原書第3版』 株式会社ワハ 2003年
- 伊藤勝昭ほか編集 『新獣医薬理学 第二版』 近代出版 2004年 ISBN 4874021018