アラブドリフト
アラブドリフト(英:タフィート Tafheet)とは、アラブ諸国で行われている危険なドリフト走行のことである。日本では一般的にサウジドリフト・アラブドリフトなどのように呼ばれることが多い[1]。
概要
アラブドリフトは一般的に呼ばれるドリフトとは異なり公道で行う危険な行為である。これについては後ほど記述する。中東諸国では特にサウジアラビアで人気があり、ここからサウジドリフトという名前が日本で広まった。そのため本国ではタフヒート(tafheet)やハグワラ(hagwala)と呼ばれる事が多い[2]。1970年代から流行した。 主にこの遊びに興じているのは王族である。王族は法律により取り締まられることがなく、莫大な財産に対して娯楽が少ないこともあり、アラブドリフトは貴族の遊びとして流行している[3]。
危険性
一般道で行うことも多く、当然周りには他の車両や通行人などがおり、事故に繋がるケースも少なくない。しかし通行人が多い場所で優れた技を披露すれば、動画投稿サイトなどで話題となり、「英雄」のようになることができるため、危険行為を行うものは後を絶たない。なお、日本では道路交通法によりこのような行為は規制されている。また、中にはドリフトをしながらアサルトライフルの1つ、AK-47を発射する者や、片輪走行をしながら同乗者がタイヤを装着する者もおり[4]、危険性は年々増加している。そのため以前は1年以下の懲役と罰金のみで済んでいたが、現在では10年の懲役や鞭打ちを課されることも少なくない。なお、日本人を始めとする外国人が同様の行為を行うと厳重に処罰されると言われている。
主な車両
ほとんどが中流(→Dセグメント)の一世代前のFFセダン、あるいはトヨタ・ランドクルーザー[5]である。これはレンタカーを借りているためである。また、使われるのは基本的に日本製(主にトヨタ・ホンダ・日産)、韓国製(ヒュンダイ・起亜)、アメリカ製(クライスラー(ダッジ)・シボレー)の自動車である。その中でも主な車両を挙げていく。
- トヨタ・カムリ
- ホンダ・アコード
- ホンダ・インスパイア[6][7]
- ヒュンダイ・ソナタ
- シボレー・クルーズ
- キア・マジェンティス
- マツダ・アテンザ
- トヨタ・ランドクルーザー(70系)
- トヨタハイラックス
- 日産・スカイライン(R31)
- ダッジ・チャージャー
- クライスラー・300C
脚注
- ^ “サウジドリフトとは (サウジドリフトとは) [単語記事]”. ニコニコ大百科. 2021年10月11日閲覧。
- ^ Paul Salopek (2013年9月28日). “Drifting” (英語). ナショナルジオグラフィック. 2021年10月8日閲覧。
- ^ “アラブドリフトとは?サウジの上級国民が熱狂する死亡遊戯!その雄姿に刮目せよ”. MOBY (2020年12月23日). 2021年10月8日閲覧。
- ^ “死と隣り合わせの「暴走ドリフト」がサウジで大流行”. Newsweek日本版 (2016年05月25日(水)17時09分). 2021年10月11日閲覧。
- ^ “Saudi authorities crack down on ‘tafheet’” (英語). Gulf News. (2016年11月2日) 2021年10月8日閲覧。
- ^ saudi-drift-tafheet - Drive Aravia(英語)
- ^ O mundo do drift ilegal na Arábia Saudita: Tafheet ou hajwalah - AHORA(ポルトガル語)