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アジサシ亜科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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アジサシ亜科
Thalasseus maximus
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: チドリ目 Charadriiformes
: カモメ科 Laridae
亜科 : アジサシ亜科 Sterninae
学名
Sterninae
Bonaparte[1]1838
和名
アジサシ(鰺刺)
英名
Terns

アジサシ亜科(アジサシあか、学名 Sternini)は、鳥類チドリ目カモメ科の亜科である。アジサシ科 Sternidae・アジサシ族 Sternini とも。

アジサシ(鰺刺)と総称するが、狭義にはその1種をアジサシと呼ぶ。

特徴

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世界中の温帯・熱帯の沿岸域に生息する。

カモメ亜科に比べ、やや小型で、は細く、(くちばし)は細く、は短い。

カモメ亜科と異なり、生きたしか食べない。

分類と系統

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伝統的に、カモメ科を構成する3亜科(または3科・3族)の1つとされてきた。アジサシ科として独立させる説もあるが、基底的な属がありいずれかの科が側系統となるため避けられる[2]ハサミアジサシ亜科をアジサシ亜科に含める説もあったが、ハサミアジサシ亜科はカモメ亜科姉妹群である[3]

古くは Moynihan (1959) による分類が標準的だった。彼は従来の属を大きく統合し、アジサシ族(アジサシ亜科に相当)をクロアジサシ属 AnousインカアジサシLarosternaアジサシ属 Sterna の3属に分けた。

Moynihan のアジサシ属は、現在は多くの属に分割される。インカアジサシ属は当時も現在も単型で、旧アジサシ属の諸属の内部で特別でない系統位置にある。

Moynihan のクロアジサシ属は、Noddies と総称され、現在はクロアジサシ属・ハイイロアジサシ属 ProcelsternaシロアジサシGygis の3属に分割される。これらは他のアジサシ亜科にはない、求婚時に首振り行動をするという特徴があり、Terns and Noddies と並列されることもあるが、通常は Terns に含まれる。

Noddies の分類については論争があり、一部をカモメ亜科とする説もあったが、近年は Bridge (2005)[4]などに基づきアジサシ亜科とすることが多いが[5][6]、続く研究によればアジサシ亜科とは(またカモメ亜科とも)別系統で、カモメ科の基底に位置する[3][7]。ただし Noddies を含むアジサシ亜科・ハサミアジサシ亜科に共有される遺伝子座の変異も発見されているものの、単系統性による共有変異とは考えられていない[7]

このうちクロアジサシ属+ハイイロアジサシ属はおそらく近縁だが[8]、シロアジサシとの関係は諸説あり、クロアジサシ属+ハイイロアジサシ属・シロアジサシの順に分岐した側系統であるとする強い結果が出ているが[3]、他に不確実ながら、これらが単系統をなすという結果もある[7]

系統樹は Baker et al. (2007)[3]より。ただしカモメ科内の系統関係については不確実な異論もある。サンプリングされていないハイイロアジサシ属は Thomas et al. (2004)[8]より。

アジサシ属および近年それから分離(ないし再分離)された属には☆をつけた。

カモメ科

クロアジサシ属 Anous

? ハイイロアジサシ属 Procelsterna

シロアジサシ Gygis

アジサシ亜科

Thalasseus

アジサシ属 Sterna

Onychoprion

クロハラアジサシ属 Chlidonias

ハシブトアジサシ Gelochelidon

オニアジサシ Hydroprogne

インカアジサシ Larosterna

オオハシアジサシ Phaetusa

Sternula

カモメ亜科 Larinae

ハサミアジサシ亜科 Rynchopinae

属と種

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属と種は国際鳥類学会議 (IOC)[9]、亜科の範囲はアメリカ鳥学会 (AOU)[6]より。12属45種、ただし Noddies は3属6種、それ以外は9属39種。

Noddies

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Noddies 以外

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出典

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  1. ^ シャルル・リュシアン・ボナパルト or en:José Bonaparte
  2. ^ Gill, Frank; Donsker, David, eds. (2010), “Shorebirds & allies”, IOC World Bird Names, version 2.5, http://www.worldbirdnames.org/n-shorebirds.html 
  3. ^ a b c d Baker, Allan J.; Pereira, Sérgio L.; Paton, Tara A. (2007), “Phylogenetic relationships and divergence times of Charadriiformes genera: multigene evidence for the Cretaceous origin of at least 14 clades of shorebirds”, Biol Lett. 3 (2): 205–209, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2375939/ 
  4. ^ Bridge, E. S.; Jones, A. W.; Baker, A. J. (2005), “A phylogenetic framework for the terns (Sternini) inferred from mtDNA sequences: implications for taxonomy and plumage evolution”, Mol. Phylogenet. Evol. 35: 459–469, http://www.cmnh.org/site/Files/Ornithology/MPETerns.pdf 
  5. ^ Dickinson, E. C., ed. (2003), The Howard and Moore Complete Checklist of the Birds of the World (3rd ed.), Princeton University Press 
  6. ^ a b NACC (2009), Check-list of North American Birds, 7th edition, http://www.aou.org/checklist/north/full.php 
  7. ^ a b c Ödeen, Anders; Håstad, Olle; Alström, Per (2009), “Evolution of ultraviolet vision in shorebirds (Charadriiformes)”, Biol. Lett. 6: 370–374, doi:10.1098/rsbl.2009.0877, http://rsbl.royalsocietypublishing.org/content/suppl/2009/12/15/rsbl.2009.0877.DC1/rsbl20090877supp1.pdf 
  8. ^ a b Thomas, Gavin H.; Wills, Matthew A.; Székely, Tamás (2004), “A supertree approach to shorebird phylogeny”, BMC Evol Biol. 4 (28), doi:10.1186/1471-2148-4-28, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC515296/ 
  9. ^ AOU (2010), “Shorebirds & allies”, in Gill, Frank; Donsker, David, IOC World Bird Names, version 2.5, http://www.worldbirdnames.org/n-shorebirds.html