sl (UNIX)
slはUNIX系OSのコマンドの一つ。コンソール画面をアスキーアートで描かれた蒸気機関車 (SL) が走り抜ける。
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[編集] 歴史
1987年歌代和正により開発され、ニュースグループのfj.sourcesに投稿された物を嚆矢とする[1]。以来、「作者不明」として流布し、さまざまな改変バージョンが製作された。現在Linuxなど各種Unix系OSのディストリビューション用として公式に採用されているものは、1993年当時東京工業大学の学生であった豊田正史(現・東京大学准教授)によって、より派手に改造されたバージョンである。
豊田のバージョンは1990年代後半から2000年代前半においてはPlamo Linux 2.1などの多くのメジャーなディトリビューションにも搭載され、多くのファンを獲得したが、2000年代におけるKDEやGNOMEなどに代表されるUnix系OSのGUIデスクトップ環境のめざましい発展と、その結果として起こったCUI環境における冗長プログラムの軽視の風潮を受け、2000年代後半以降は同じくCUI環境における冗長プログラムであるfortune(金言名句を表示するコマンド)などと共に、既に過去のソフトとなってしまっている。
昨今のウィンドウシステム上でlsコマンドを入力する機会は無いため、必然的にslコマンドを入力してしまう機会も無いが、一方でジョークプログラムとしてslコマンドを愛好する向きが存在し、Firefoxのアドオンの一つであるVimperator上にも、Firefoxの機能をフルに使ったド派手な演出を設けたslが実装されている[2]。
[編集] 概要
UNIX系OSにおいて、ls は最もよく使われるコマンドであるが、lsコマンドを実行しようとしてslとミスタイプすることがしばしばある。そのような場合、コンピュータは「sl」という存在しないコマンドを求めてシステムを全検索してしまい、70年代から80年代当時の処理能力の遅いコンピュータではそれにしばらく時間がかかり、作業が中断してしまうことがあった。そこでそれを防ぐため、「sl」と言う名のダミーのプログラムを用意することがあった。
このslも、そういったダミープログラムの一つであるといえるが、ミスタイプによってロスする時間(現代においては殆ど一瞬である)よりも、SLが走り抜けるのを待っている時間のほうが長いなど、ジョークプログラムとしての性格が強い。
Ctrl+Cでも停止できず、数分間も延々とSLが走っている姿を見させられるため、嫌がらせに近いと評価する者もいるが、学生時代の豊田准教授は本ソフトのマニュアルにおいて「高度に発展した、キータイプ矯正を目的とするアニメーションプログラムである」と主張している。
[編集] オプション
| 文字 | 説明 |
|---|---|
| -l | 細長いSLが走る |
| -a | 車内の客が「HELP!」と叫んでいる |
| -F | 空(画面の上のほう)へ飛んでゆく |
これらはlsでよく使われるオプションを真似たものである。lsにおいて、-lはファイルの詳細を表示する、-aはファイル名が.で始まる隠しファイルを表示する、-Fはファイルの性質を表示に付加するオプションである。
[編集] 改造作品
プログラムの性質上、重いほどキータイプ矯正力が強い(本来の目的が果たせる)とされ、その方向性での改造作品(改造パッチ)もいくつか作られている。以下がその例である。
- 客車の数が増える。客車には何両目であるかが記されている。客車数をランダムに決定する機能を持たせたものもある。
- 踏切が追加される。踏切では、列車通過の前後に遮断機の昇降演出が入る。
- 列車が往復する。踏切付きの場合は、一度遮断機が上がりかけた後で再び遮断機が下りるという演出が入っている。
なお、通常Linuxの標準パッケージに含まれている場合は改造の少ないslが採用されることが多いが、例外的にMandrivaおよびGentooでは改造されたslを採用している。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ slコマンド なお歌代によると、歌代の職場の先輩がさらにその原形に当たるslコマンドを製作し、他人のパソコンにいたずらでインストールしていたとのこと。
- ^ “あの機関車がFirefoxに! slジョークコマンドを大改修”. @IT (2009年9月7日). 2010年12月12日閲覧。
[編集] 外部リンク
- 豊田正史とslコマンド 東京大学生産技術研究所戦略情報融合国際研究センター 豊田正史准教授のサイト
- SL改造計画