ni_ka

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。SFfandom (会話 | 投稿記録) による 2022年6月28日 (火) 10:03個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎展示)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ni_ka(にか)は、日本の詩人芸術家写真家東京都品川区生まれ。 中央大学法学部卒業。[1]


にか

ni_ka
生誕 東京都品川区
出身校 中央大学法学部法律学科
職業 詩人芸術家
活動期間 2011年〜
代表作 AR詩モニタ詩
影響を受けたもの 新国誠一北園克衛
受賞

DOMMUNE 2012年の日本を発電させるカルチャーエネルギーベスト100

M/F(深澤徳)賞(3331 Art Fair ‒Various Collectors' Prizes
テンプレートを表示

人物・経歴

Cabra Dominican College留学。江戸川学園取手高等学校卒業。中央大学法学部法律学科卒業。[1]

伯爵で鳥類学者の清棲幸保(宇都宮大学教授などを歴任)は大叔父。[2]
地球宇宙化学者の清棲保弘(富山大学教授)と鳥類学者の清棲保之は従伯父。 伏見宮博恭王博恭王妃経子第二王女清棲敦子は大叔母。

作風

AR(拡張現実)を用いた「AR詩」や、絵文字・デコ文字を多用した「モニタ詩」を発表。北園克衛新國誠一といったコンクリート・ポエトリーの詩人の影響を受けていると評されている。アクリルパネルによる作品、写真、コラージュも発表しており、作風は多岐に渡っている。セカイカメラ(2011年〜2014年)で発表したAR詩についてni_kaは、「新しい喪の形式を作り出そうとしたり、現代の新しい生の感覚を表現するために、言葉とイメージの境界を解体する新しい表現の創造を行っている」[3]。『DOMMUNE オフィシャルガイドブック2』にて「2012年の日本を発電させるカルチャーエネルギーベスト100!!!!!!」に「AR詩」が選ばれている[4]

詩人の河野聡子は『現代詩手帖』2012年6月号において「女子中高生の携帯メールやアメーバブログ、mixiのようなSNSで発生しては消え去っていく言葉にみられる表現だが、けっして顧みられることがないこれらの言語表現をni_kaは批判的に抽出し再配置し芸術表現に拡張する」と評した[5]。 美術手帖編集長・岩渕貞哉は、「彼女は、ブログ上で絵文字やブログパーツを駆使した詩を発表しているのですが、ビジュアルアートとして見ても新しい。21世紀のコンクリート・ポエトリー(視覚詩)とさえ言えるかも知れません。しかも、詩の世界の人からは無視をされていて、声が掛かるのはいつもアートの人からというのも、逆に彼女のポテンシャルを象徴しているようで面白いですよね」と述べた[6]

AR詩

AR詩はセカイカメラ、Layerなどのアプリによって制作された写真・映像芸術の一種である。ni_kaがAR詩を制作し、展示会として発表したのは6回であるが、セカイカメラが健在であった頃は宮城などの東日本大震災の被災地を訪れて制作することもしている他、AR詩の展示自体は映写や紙媒体への掲載も含めると相当数に及ぶため、その展示回数を数えることは困難である。

立命館大学中尾麻伊香は、「311後の弔いのような思いが、時をこえたAR(拡張現実)空間に儚く浮遊して、表現と内容の一致する奇跡的な芸術作品となっていた」と語っている[7]門林岳史は『10+1web site』にてAR詩を、「芸術祭の会場を歩き回るという本質的に散漫な経験が、作品の成立にとって不可欠な構成要素になっている点」について「これらの集中を要求しない作品が与えている散漫な拡張現実的なるものは、各地に芸術祭が乱立する現在のアートシーンになにかふさわしいものなのかもしれない」と評した[8]

活動

展示

書籍

  • 2011年 5月 - 書籍『floating view 郊外から生まれるアート』(トポフィル)に記録写真と座談会を掲載
  • 2014年 1月 - 共同通信にて連載「ネット万華鏡」挿絵を毎月連載
  • 2015年 1月 - アメリカWEB文芸誌『CURA』にてモニタ詩『WEBはれるや「あ」ー血/アーチ』英訳掲載[20]
  • 2015年 4月 - NHKラジオテキスト「英語で読む村上春樹」の「それがTVピープル」――視覚表現あれこれにて紹介[21]
  • 2015年 10月 - アンソロジー詩集『現代詩100周年』に掲載[22]
  • 2017年 7月 - Tokyo Poetry Jounalに"Record of Affidavit"英訳掲載[23]
  • 2017年 9月 - チャかシズムVol.3 《声》に詩「はるのつき」「はるのつき・・」を寄稿[24]
  • 2018年 1月 - 三田文学に『AR詩 喪の限界へ、わた詩は浮遊する』掲載[25]
  • 2018年 10月 - 文学+に評論「女子的ウェブ文化とブログ詩の誕生」寄稿[26]
  • 2018年 10月 - チャかシズムVol.5 料理に「この夏出会った甘味たちとお食事。」を寄稿・装丁[27]
  • 2019年 8月 - Cyberpunk in a Transnational Context の表紙装丁[28]
  • 2020年 5月 - 文学+に評論『AR詩、言葉の限界へ、ハローキティとともにわた詩は浮遊する』寄稿[29]

発表・講演等

文学賞選考委員 

家族・親族

出典

  1. ^ a b https://artfair.3331.jp/2014/profile/000037.html
  2. ^ https://twitter.com/ni_ka/status/1069219023424909312?s=21
  3. ^ インタビュー「喪の限界を超えるAR詩の時間と空間」『Panic Americana』vol.17
  4. ^ 『DOMMUNE オフィシャルガイドブック2』河出書房新社 2011年 p49-50
  5. ^ 河野聡子「横断的であることについて」『現代詩手帖』2012年6月号、p202
  6. ^ 「シブカル祭り2013。突撃!目利きインタビュー!!」第一回 岩渕貞哉さん/『美術手帖』編集長
  7. ^ https://twitter.com/namaika/status/574204900139143168
  8. ^ 門林岳志「2013-2014年の都市・建築・言葉 アンケート」『10+1web』
  9. ^ 第5回展覧会企画公募 「floating view "郊外"からうまれるアート」
  10. ^ 「Shiny holidays exhibition 2011」公式サイト
  11. ^ 京都国際舞台芸術祭フリンジ企画「使えるプログラム」公式HP
  12. ^ http://webneo.org/archives/13277
  13. ^ シブカル祭2013公式HP
  14. ^ https://artfair.3331.jp/2014/profile/000037.html3331ART FAIR。この賞は「現代アートの著名コレクターから新進起業家たちによる<コレクターズ・プライズ>(コレクターによる賞)」である。
  15. ^ アリス・プロジェクト公式サイト
  16. ^ https://www.gankagarou.com/archive2014
  17. ^ https://www.shizuoka.ac.jp/sp/event/detail.html?CN=3300
  18. ^ http://www.maebashibungakukan.jp/kikaku/1713.html
  19. ^ 43北園忌” (2021年4月29日). 2022年6月28日閲覧。北園克衛プロジェクト始動 伊勢出身の前衛芸術家、顕彰へ 編集者や詩人ら、トークイベント /三重” (2021年5月27日). 2022年6月28日閲覧。
  20. ^ CURA
  21. ^ 日本放送協会 「英語で読む村上春樹」2015年4月号
  22. ^ TOLTA発行 アンソロジー詩集『現代詩100周年』
  23. ^ Tokyo Poetry Jounal Vol.4 p93-94
  24. ^ https://www.amazon.co.jp/チャかシズム-Vol-3-≪声≫-詩誌チャかシズム-矢田和啓-ebook/dp/B075YYFFP9/ref=mp_s_a_1_3?_encoding=UTF8&imageClass=hi-res&keywords=チャかシズム&phoneCarrier=wifi&phoneType=iPhone&qid=1566387336&rd=1&s=gateway&sr=8-3&view=Touch9
  25. ^ 三田文学冬季号 二〇一八 p.104-110
  26. ^ 文学+ p.221-237
  27. ^ https://www.amazon.co.jp/チャかシズム-Vol-5-料理-ni_ka-ebook/dp/B07HYG4LBC/ref=mp_s_a_1_2?_encoding=UTF8&imageClass=hi-res&keywords=チャかシズム&phoneCarrier=wifi&phoneType=iPhone&qid=1566387131&rd=1&s=gateway&sr=8-2&view=Touch9
  28. ^ https://www.mdpi.com/books/pdfview/book/1497
  29. ^ 文学+ 02 明治から「近代文学」を考える. 凡庸の会. (2020年3月31日). p. p251-268 
  30. ^ 慶應義塾大学文学部設置総合教育科目公式ブログ
  31. ^ 「見えないけど見える――女性と3.11」
  32. ^ http://gender-sf.org/sog/2013/424.html

外部リンク