NMKV

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。新約カエル (会話 | 投稿記録) による 2022年11月6日 (日) 12:06個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

株式会社NMKV
NMKV Co., Ltd.[1]
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
108-0074[2]
東京都港区高輪3-23-17 品川センタービル9F[2]
設立 2011年6月1日[3]
業種 製造業
法人番号 2010401093978 ウィキデータを編集
事業内容 日本市場向けの軽自動車の商品企画・開発等
代表者 代表取締役社長CEO 遠藤淳一[3][補足 1]
代表取締役副社長兼COO 鳥居勲[3]
資本金 1,000万円[3]
純利益 4487万5000円
(2022年03月31日時点)[7]
純資産 2億9076万5000円
(2022年03月31日時点)[7]
総資産 211億7631万9000円
(2022年03月31日時点)[7]
従業員数 54人(2022年4月1日現在)[3]
主要株主 日産自動車 50%
三菱自動車工業 50%[3]
外部リンク http://nmkv.com/
テンプレートを表示

株式会社NMKV(エヌエムケーブイ、NMKV Co., Ltd.)は、日産自動車株式会社と三菱自動車工業株式会社が折半出資で設立した日本市場における軽自動車事業に関わる合弁会社。eK・デイズおよび eKスペース・デイズルークス・ルークス、eKクロスEV・サクラについては、三菱自動車工業が製造している[8][9][補足 2]

概要

日産自動車と三菱自動車工業は、2010年12月14日に事業協力関係の拡大に合意[10][11]。そのプロジェクトの一環として、2011年5月20日に会社設立について正式契約を行い[12][13]、2011年6月1日にNMKVは設立された[14][15]

役割分担は、日産側が部品調達[16]・企画・デザイン[17]などを、三菱側が製造・開発などを担当し[16]、設立時の約35人の社員の内、半数強を三菱出身者で占めている[18]。会社設立時点で約15%である軽自動車における日産と三菱のシェアの合計を、将来的に20%程度に高めることを目標としている[19][補足 3]

設立時に、三菱の軽自動車で日産がOEMを受けてオッティとして販売していたeKワゴンの次期モデルを開発し、2013年前半に発売する予定とし、軽自動車でトップクラスの燃費を目指し、車台とエンジンを新開発するとした[22][19]。その後、2013年3月6日に初の共同開発車、3代目eKワゴンおよび初代デイズ(DAYZ)を発表し[23][24]、同年6月より販売開始[25][26]。同年9月の軽自動車販売台数が、デイズが5位、ekが10位になった[27]

3代目eK・デイズで、日本国外から部品を調達するなどして、先代モデルより30%コスト軽減 [28]。車両デザインでは、一つの案に対し三菱・日産両方のフロントデザインを組み合わせて提案するなどした[29]。また、三菱が元々持っていたエンジン3B20型エンジンをベースに、日産の持つ技術を活用し、圧縮比をレギュラーガソリン仕様としては高圧縮の12に向上[30]。骨格は共通化しつつ、外板やバンパーは造り分けている[30]。共同開発の目的として、三菱側はエンジンや工場や開発施設を提供し、それらの費用を減らし[30]、日産側は三菱が持っていない安全装備などを提供したりした[30]。また調達費なども、日産側にとっては従来のOEMより押さえ、三菱側にとっては単独で開発費が捻出できない問題を解消した[30]

開発メンバーは2013年6月の時点で、企画担当が日産・三菱各2人ずつの計4人[31]、開発担当が三菱16人・日産2人の計18人になっている[31]

また、3代目eK・デイズの発表を行った2013年3月6日、第二弾としてスーパーハイトワゴンタイプの車両を共同開発することを発表[24][23]。同年3月25日に、日産側の車名がデイズルークスになることと、デザインスケッチが発表[32]。同年10月3日に、三菱向けのeKスペース[33]および、両車のエクステリアデザインが発表された[34]。両車は、2014年2月13日より販売開始した[35][36]

三菱は2013年6月に、今後の軽自動車開発をNMKVに一本化する方針を明らかにしている[37]

社名のNMKVは、Nissan Mitsubishi Kei Vehicleから取られた[16][補足 4]

軽自動車以外にも2013年11月に、三菱・日産にルノーを含めた協力体制に拡大することを検討することを発表[39][40]。その中で、電気自動車仕様を含む新たなエントリーカーの開発を検討し、軽自動車の車台をベースにすると発表した[39][40]

役割分担として、軽商用車の開発は行っておらず、日産・三菱ともにスズキからエブリイキャリイOEMを受けている。

沿革

  • 2010年12月 - 日産自動車と三菱自動車工業が事業協力の拡大で合意[10][11]
  • 2011年5月20日 - 日産と三菱間で会社設立について正式合意[12][13]
  • 2011年6月1日 - NMKV設立[14][15]
  • 2013年3月8日 - 日産、三菱の各社に対して企画・開発したエクステリアデザインと車名を発表。日産向けはオッティ改め「デイズ(DAYZ)」「デイズハイウェイスター[24][補足 5]の名で、三菱向けは「eKワゴン」「eKカスタム」[23]の名で、それぞれ6月に発売される事を発表[23][24]
  • 2013年3月8日 - 第二弾共同開発車両として、スーパーハイトワゴンタイプ車両の開発を発表[23][24]
  • 2013年3月25日 - 日産向け第二弾共同開発車両の車名が「デイズ ルークス」になり、ルークスの後継車になること。およびエクステリアデザインが発表された[32]
  • 2013年5月20日 - 三菱水島製作所で「eKワゴン」「デイズ」のオフライン式を実施した[41][42][43]
  • 2013年6月6日 - 3代目「eKワゴン」・初代「デイズ」販売開始[25][26]
  • 2013年7月1日 - 三菱水島製作所内に、水島オフィスを開設[44][45][補足 6]
  • 2013年10月3日 - 三菱向けのスーパーハイトワゴンタイプ車両のeKスペースの開発発表[33]および、日産向けデイズルークスを含めエクステリアデザインが発表された[34][33]
  • 2013年11月5日 - ルノー・日産アライアンスと三菱自動車が協力関係の拡大を検討することを発表[39][40]
  • 2014年2月13日 - 初代「eKスペース」・初代「デイズルークス」販売開始[35][36]
  • 2015年10月22日 - 3代目「ekワゴン」・初代「デイズ」、大幅なマイナーチェンジを実施。
  • 2016年4月20日 - eKワゴン、eKスペース、デイズ及びデイズルークスの計4車種で燃費試験の不正問題が発覚。対象車4車種の製造停止、および販売停止が決まった。
  • 時期不明 - eKワゴン、eKスペース、デイズ、デイズルークス販売再開。
  • 2016年12月22日 - 初代「eKスペース」・初代「デイズルークス」、大幅なマイナーチェンジを実施。
  • 2019年3月14日 - 新型「ekワゴン」・「ekクロス」・「デイズ」・「デイズハイウェイスター」のオフライン式を実施
  • 2019年3月28日 - 4代目「eKワゴン」・2代目「デイズ」販売開始[49][50]
  • 2020年3月19日 - 2代目「ルークス」・2代目「eKスペース」販売開始。
  • 2022年6月16日 - 初代「サクラ」・初代「eKクロスEV」販売開始。

開発車種

発売年月日 日産自動車 三菱自動車 車両タイプ
画像 車名 画像 車名
2013年6月6日[25][26] デイズ eKワゴン(3代目) 軽トールワゴン[51]
2013年6月6日[25][26] デイズ ハイウェイスター eKカスタム 軽トールワゴン[51]
2014年2月13日[35][36] デイズルークス eKスペース スーパーハイトワゴン[34][33]
2014年2月13日[35][36] デイズルークス ハイウェイスター eKスペース カスタム スーパーハイトワゴン[34][33]
2019年3月28日 デイズ デイズ(2代目) eKワゴン eKワゴン(4代目) 軽トールワゴン
2019年3月28日 デイズハイウェイスター デイズ ハイウェイスター
(2代目)
eKクロス eKクロス 軽トールワゴン
(デイズハイウェイスター)/
クロスオーバーSUV
(eKクロス)
2020年3月19日 ルークス(2代目) eKスペース(2代目) スーパーハイトワゴン
2020年3月19日 ルークス ハイウェイスター(2代目) eKクロススペース スーパーハイトワゴン
2022年6月16日 サクラ eKクロスEV 軽トールワゴン

拠点

補足

  1. ^ 日産自動車出身。2005年4月1日より2011年3月31日まで、日産自動車常務執行役員(就任時「グローバルアフターセールス事業本部」「コンバージョンビジネス」担当。退任時「グローバルマーケティング&セールス」「グローバルアフターセールス」担当)[4][5]。NMKV社長就任のため退任[5]。日産自動車常務執行役員就任前は、オーテックジャパンの社長を務めていたこともある[6]
  2. ^ 第3弾車種については、日産自動車で製造するとの報道もある[8][9]
  3. ^ 2012年度のシェアは日産7.7%、三菱3.7%で、合計シェアは11.4%程度になっており[20]、3代目eK・デイズ販売直前にも、改めて20%のシェア目標を明らかにしている[21]
  4. ^ NMKVの名称は、株式会社NMKVが2011年12月16日に第5457018号で商標登録されている[38]
  5. ^ DAYZの名称は、日産自動車株式会社によって1998年3月27日に第4129404号で商標登録されており[38]、元々はエアロパーツ等のブランドとして使われていた。
  6. ^ a b 所在地の「岡山県倉敷市水島高砂町6-1」には、2009年3月27日まで三菱水島病院が存在した[46][47][48]。閉鎖後の病院建物では、i-MiEVなどのバッテリーの組み立てなども行っている。

脚注

  1. ^ Establishment of new Minicar Joint Venture - Company to be named NMKV Co., Ltd - NMKV Co., Ltd、2011年6月20日
  2. ^ a b c d 事業所案内 - NMKV
  3. ^ a b c d e f 会社概要 - NMKV
  4. ^ 役員体制の変更について - 日産自動車 2005年3月15日
  5. ^ a b 役員体制の変更について - 日産自動車 2011年3月11日
  6. ^ ゴーン体制第2世代へ、日産が子会社転籍組を経営陣に抜擢 - nikkeiBP 2005年4月13日
  7. ^ a b c 株式会社NMKV 第11期決算公告
  8. ^ a b 日産が初の軽自動車生産 来年度にも年10万台 - 産経ニュース 2013年11月9日
  9. ^ a b 日産「軽」生産へ 国内100万台維持、三菱自にも供給 - 日本経済新聞 2013年11月9日
  10. ^ a b 日産自動車と三菱自動車、協力関係の拡大で合意 -OEMの拡大、海外での生産協力と日本での軽自動車事業の検討- - 日産自動車株式会社 三菱自動車工業株式会社(日産側) 2010年12月14日
  11. ^ a b 日産自動車と三菱自動車、協力関係の拡大で合意 -OEM の拡大、海外での生産協力と日本での軽自動車事業の検討- - 日産自動車株式会社 三菱自動車工業株式会社(三菱側) 2010年12月14日
  12. ^ a b 日産自動車と三菱自動車、軽自動車事業に係る合弁会社設立に関して正式契約 - 日産自動車株式会社 三菱自動車工業株式会社(日産側) 2011年5月20日
  13. ^ a b 日産自動車と三菱自動車、軽自動車事業に係る合弁会社設立に関して正式契約 - 日産自動車株式会社 三菱自動車工業株式会社(三菱側) 2011年5月20日
  14. ^ a b 軽自動車事業に関わる合弁会社の事業概要について-新会社の名称は「株式会社NMKV」 - 株式会社NMKV(日産側) 2011年6月20日
  15. ^ a b 軽自動車事業に関わる合弁会社の事業概要について-新会社の名称は「株式会社NMKV」 - 株式会社NMKV(三菱側) 2011年6月20日
  16. ^ a b c 日産自動車と三菱自動車が軽自動車で合弁設立、2社でシェア20%を目指す(1/2) 東洋経済オンライン 2011年6月21日
  17. ^ 新型車『デイズ』と『eKワゴン』の魅力を徹底分析! - All About 2013年05月30日
  18. ^ 日産自動車と三菱自動車が軽自動車で合弁設立、2社でシェア20%を目指す(2/2) 東洋経済オンライン 2011年6月21日
  19. ^ a b 日産自と三菱自の軽自動車合弁、「eKワゴン」の次期モデル開発 ロイター、2011年6月20日
  20. ^ 日産自と三菱自が新型軽自動車投入、巻き返しに意欲 - ロイター 2013年6月6日
  21. ^ 日産自・三菱自が新型軽自動車生産開始、4強の一角へシェア20%目指す - ロイター 2013年5月20日
  22. ^ 新会社名は「NMKV」日産と三菱自に13年軽新車 - スポーツニッポン 2011年6月20日
  23. ^ a b c d e 日産自動車と三菱自動車、協業による新型軽自動車のエクステリアデザインを公表 - 日産自動車・三菱自動車工業(三菱側) 2013年3月8日
  24. ^ a b c d e 日産自動車と三菱自動車、協業による新型軽自動車のエクステリアデザインを公表 - 日産自動車・三菱自動車工業(日産側) 2013年3月8日
  25. ^ a b c d 新型軽自動車 日産「デイズ」を発表 - 日産自動車 2013年6月6日
  26. ^ a b c d 新型軽自動車『eKワゴン』『eKカスタム』を発売 - 三菱自動車工業 2013年6月6日
  27. ^ 日産と三菱自がEV共同開発 トヨタ、ホンダ静観、独メーカーは参戦へ - J CASTニュース 2013年11月18日
  28. ^ 日産・三菱自連合が「軽」市場に本格参戦 両社合計でシェア2割奪取へ - 産経ニュース 2013年5月20日
  29. ^ 【日産 デイズ 発売】全てのデザイン案に、日産と三菱のフロントデザインをあてはめた - レスポンス 2013年6月11日
  30. ^ a b c d e 大躍進なるか? 日産と三菱による「NMKV」のお家事情 - All About 2013年6月27日
  31. ^ a b ekワゴンを作ったNMKVってどんな会社?~スーザン史子 - ホビダスオート 2013年6月28日
  32. ^ a b 日産自動車、新型スーパーハイトワゴンタイプ軽自動車の車名を公表 - 日産自動車 2013年3月25日
  33. ^ a b c d e 新型軽自動車の車名を『eKスペース』に決定 -来年初頭発売予定のスーパーハイトワゴン- - 三菱自動車工業 2013年10月3日
  34. ^ a b c d 「日産デイズ ルークス」のエクステリアデザインを公開 ―好調な「日産デイズ」シリーズ第2弾のスーパーハイトワゴン― - 日産自動車 2013年10月3日
  35. ^ a b c d 新型軽自動車『eKスペース』を発売 - 三菱自動車工業 2014年2月13日
  36. ^ a b c d 新型軽自動車 「日産デイズ ルークス」を発表 -- あわせて、「ライダー」、および、「運転席マイティグリップ」装着車を発表 -- - 日産自動車 2014年2月13日
  37. ^ 【三菱 eK 新型発売】益子社長「新型軽開発はNMKVに一本化」…トッポと i は生産終了 - レスポンス 2013年6月6日
  38. ^ a b 商標出願・登録情報 - 経済産業省 特許庁」にて検索
  39. ^ a b c ルノー・日産アライアンスと三菱自動車 広範囲に及ぶグローバルな商品・技術における協力関係を検討 新たなプロジェクトでグローバルな商品展開と生産能力の活用を促進 - 日産自動車 2013年11月5日
  40. ^ a b c ルノー・日産アライアンスと三菱自動車 広範囲に及ぶグローバルな商品・技術における協力関係を検討 新たなプロジェクトでグローバルな商品展開と生産能力の活用を促進 - 三菱自動車工業 2013年11月5日
  41. ^ 日産自動車、三菱自動車とNMKV、協業による新型軽自動車のオフライン式を実施 - 日産自動車・三菱自動車工業・NMKV(日産側) 2013年5月20日
  42. ^ 日産自動車、三菱自動車とNMKV、協業による新型軽自動車のオフライン式を実施 - 日産自動車・三菱自動車工業・NMKV(三菱側) 2013年5月20日
  43. ^ 日産、三菱とNMKV、協業による新型軽自動車のオフライン式を実施 - 日産自動車公式youtube 2013年5月21日
  44. ^ a b NMKV:日産・三菱合弁、水島事務所開く / 岡山 - 毎日新聞 2013年7月2日
  45. ^ a b 株式会社NMKV、生産現場との連携強化を目的に水島オフィスを開設 - NMKV 2013年7月1日
  46. ^ 三菱水島病院が閉院 67年の歴史に幕 - 山陽新聞 2009年3月28日
  47. ^ 三菱水島病院が3月閉鎖 自動車不振で存続断念 - 山陽新聞 2009年1月7日
  48. ^ 脳ドック実施施設 岡山県地区 - 一般社団法人 日本脳ドック学会
  49. ^ "新型「日産デイズ」を発表" (Press release). 日産自動車株式会社. 28 March 2019. 2019年3月28日閲覧
  50. ^ "新型軽自動車『eKワゴン』『eKクロス』を発売" (Press release). 三菱自動車工業株式会社. 28 March 2019.
  51. ^ a b 日産「デイズ」と三菱「eK」、燃費トップの29.2km/Lで軽市場に強烈参戦 - 日経トレンディ 2013年6月7日

外部リンク