Max (ソフトウェア)
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Max (マックス)とは、サンフランシスコのソフトウェア企業Cycling '74が開発・保守している音楽とマルチメディア向けのグラフィカルな統合開発環境(ビジュアルプログラミング言語)である。音楽関係者に約15年間使われ続けている。現在はDSPの追加機能を備えたMax/MSP(マックス・エムエスピー)という名で発売されている。
Maxは非常にモジュール性が高く、ほとんどのルーチンは共有ライブラリの形で存在している。APIによってサードパーティーが(external objectsと呼ばれる)新たなルーチンを開発可能である。結果として、多くのMaxユーザーが商用か否かに関わらず、拡張を行っている。拡張性とグラフィカルなユーザインタフェースにより、Maxはインタラクティブな音楽パフォーマンスソフトウェア開発におけるリングワ・フランカともいうべき存在になっている。
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[編集] 歴史
Maxのオリジナル作成者は Miller Puckette であり、1980年代中ごろにIRCAMで作曲家がインタラクティブなデスクトップミュージック制作システムにアクセスできるように Macintosh上のエディタPathcerとして作ったものであった。当初、ピアノとコンピュータを組み合わせたPultonというシステムで使われた[1]。
1989年、IRCAMはMaxの並行処理版を開発し、NeXTにIRCAM Signal Processing Workstationを接続したもので動作するよう移植した(後にSGIのマシンやLinuxにも移植された)。これを Max/FTS (Faster Than Sound) と呼んだ[2][3]。
1989年、MaxはOpcode Systemsにライセンス供与され、同社は1990年にMax/Opcodeという商用版を販売した。同社での売れ行きは芳しくなく、数年後に他社に売却されている。現在の商用版MaxはMax/Opcodeでの拡張を行ったDavid Zicarelliの設立した会社 Cycling '74 (1997年設立[4])が1999年から販売している。
オリジナル開発者Pucketteは完全に設計しなおしたフリーソフトウェアプログラムとして1996年にPure Dataをリリースした。これは基本的な点で Max のオリジナルと異なる部分があるが、多くの部分で似ており、Max/MSP を代替可能なものとなっている。
Maxにはいくつかの拡張があり、特にPure Dataから1997年に移植された音響拡張セットが有名である。これをMSP(Max Signal ProcessingまたはMiller S. Pucketteの略)と呼び、このアドインパッケージをMaxに追加することでデジタル音声信号をリアルタイムで操作可能となり、ユーザーが独自のシンセサイザーやエフェクトプロセッサを作ることが可能となる(それ以前のMaxはハードウェアシンセサイザーやサンプラーなどへのインタフェースとして設計されていて、MIDIその他のプロトコルを制御する言語だった)。
1998年、Max/FTS の後継がJavaを使って開発され (jMax)、オープンソースとしてリリースされた。
1999年、Maxでビデオのリアルタイム制御を可能とする拡張であるnato.0+55がリリースされた。これは、謎の多いネット上の存在であるNetochka Nezvanovaが開発して配布したものだが、マルチメディアアーティストの間で人気となった。
同じころ、Cycling '74も正式なビデオ制御実装を開発した。2003年にリリースされたJitterというパッケージは、リアルタイムのビデオ/3次元/行列処理機能を提供するものである。
現在はバージョン5.0が発売されている。
[編集] 類似ソフトウェア
- Native InstrumentsのReaktorはMaxよりも学習が容易で使い易いが、能力が若干低いと言われている。
- アップルコンピュータのQuartz Composerもパッチ型プログラミングなので似ている。
- Pure Data - 本文参照。
- OpenMusic - IRCAMによって開発されている作曲演算処理補助(自動作曲)用プログラム。Max/MSPが主に演奏行為におけるリアルタイム処理を目的とした使い方に適しているのに対し、OpenMusicはあらかじめ準備されるための楽譜(MIDIデータまたはFinale用フォーマット)やサウンドファイルの出力に適している。SDIFフォーマットに対応しており、Maxをはじめとする様々なソフトウェアとのデータのやり取りも充実している。
[編集] その他
Maxの名称は、その先祖にあたるMUSICという音楽ソフトウェアを開発したMax Mathewsに由来するとされる。Maxで開発したプログラムは実行環境と共にスタンドアロンのアプリケーションとすることができ、商用でもフリーでも自由に配布可能である。また、Maxは他のシステムでプラグインとして使うこともできる。
ライブの音楽パフォーマンスでノートパソコンが使われることが多くなり、Max/MSPや Max/Jitterが開発環境として使われることも多くなっている。
[編集] Maxを利用する主なアーティスト
- 赤松正行
- カール・ストーン
- 秋田昌美
- リチャード・D・ジェームス
- オウテカ
- カールハインツ・エスル
- クリスチャン・フェネス
- ゲオルグ・ハイドゥ
- 高橋悠治
- 坂本龍一
- 佐近田展康
- ジャミー・リデル
- ジョニー・グリーンウッド(レディオヘッド)
- 竹村延和
- デヴィッド・バーマン
- ポーリン・オリヴェロス
- モノレイク
- evala
- 澤井妙治
- 筒井真佐人
IRCAMに関係する作曲家は、アシスタント技術士の支援を得てMax/MSPによる電子音響を自作に応用することが多い。古くはピエール・ブーレーズが4Xコンピュータを用いて近年の代表作「レポン」などを作曲したが、この4Xコンピュータの制御に用いるために開発されたのが最初期のMaxである。「レポン」の制御プログラムは現在のMax/MSPシステムにも移植され、最近の演奏会にて用いられている。他にもカイヤ・サーリアホ、フィリップ・マヌリ、ジョナサン・ハーヴェイ、ルカ・フランチェスコーニなどといった作曲家による電子音響を用いた作品にも用いられており、そのための開発準備はIRCAMの各スタジオにて行われている。またIRCAMでは1ヶ月および1年間(2007年度以降は2年間)の研究員制度を設けており、公募によって選ばれた数名の若手作曲家は初歩からMax/MSPおよびその他のソフトウェアを学び、1年後にはそれらを自らプログラミングして自作発表の演奏会に用いている。
他にもMax/MSP/Jitterを使っているアーティストは多数いる。詳しくはMax/MSPメーリングリストのこのスレッドを参照されたい。
[編集] 関連項目
[編集] 脚注
- ^ Explanatory notes: Pluton
- ^ A brief history of MAX (with a block diagram of variant history)
- ^ Max/MSP History and Background — Where did MaxMSP come from?
- ^ Cycling '74 About Us
[編集] 外部リンク
- Home Page of Cycling '74
- RTC-lib Max/MSP/Jitter でのアルゴリズム的合成のためのソフトウェアライブラリ
- Pd Home Page
- jMax project page on SourceForge.net
- AE Max/MSP patches and Powmod patch library
- Max Objects Database
- Studiotoolz!

