fOUL

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

fOUL
基本情報
ジャンル ロック
活動期間 1994年-2005年
レーベル 坂本商店(1995年-), ベルウッド2001年-)
共同作業者 eastern youth, bloodthirsty butchers
メンバー
谷口健(v,g)
平松学(b)
大地大介(d)
  

fOUL(ファウル)は日本スリーピースロックバンドである。1994年6月結成。元BEYONDSのメンバーのうち、マイペースで音楽を楽しむことを選択した二人が結成したバンドであるが、God's Guts, eastern youth, bloodthirsty butchersら札幌出身のハードコアバンドからの働きかけに応じた音源リリースやライブ活動を経て、1998年からフルタイムの音楽活動を開始。ジョー・チカレリプロデュースの3枚の海外録音アルバムを含む音源をリリースした後、2005年3月に「fOULの休憩」を宣言して活動を休止した。バンド名は「ホームランにならない人生」をなぞらえたもの。[1]

目次

[編集] メンバー

  • 谷口健(たにぐちけん)ボーカル・ギター
  • 平松学(ひらまつまなぶ)ベース
  • 大地大介(おおちだいすけ)ドラム

[編集] 概要

1993年後半にはUSハードコアが都内のライブハウスで盛り上がりを見せ始め、その中心としてBEYONDSは毎週のようにライブをこなすハードスケジュールとなる。増え続けるファンの期待に応えることやメジャーデビューよりも自由に楽しめる音楽活動を志向した谷口と大地は、BEYONDSのメンバーでの活動に限界を感じ、谷口の就職を直接の契機として1994年3月で活動を休止する。二人は、札幌ハードコア・シーン出身の平松(シークレット・サマー、サイドオーダー)を迎えてfOULを結成するが、当初は、初めてギターを担当する谷口が就職先の地方研修に出ていたこともあり、大地と平松が二人で練習して曲作りという状態が続く。その大地も1994年に二度目のアメリカツアーを控えたCOPASS GRINDERZに加入、さらにPaumeにも参加、平松も谷口順(God's Guts, U.G.Man)らとWe are the worldを結成して初めてのドラムを担当と、バンドを掛け持っており、fOULは三人のスケジュールに合わせての活動という状態が長かった。

オープン間もない下北沢CLUB Queで1994年10月8日に行われた初ライブでは、BEYONDSとはかけ離れたユニークなギターロックを披露して集まったBEYONDSファンを驚かせ、次の11月のライブではその効果が集客に如実に現れることになる。しかし、同じくオリジナリティーを志向するハードコアバンドからはそのセンスが注目され、12月の録音が谷口順の自主レーベル・レスザンTVから翌3月にリリース、また、4月に自主企画・極東最前線の第2回に出演したのを機に、eastern youthの自主レーベル坂本商店[2]に迎えられる。坂本商店は、音源リリースやeastern youthとの極東最前線や国内ツアー(極東最前線・巡業。2000年には坂商ロマンチック・キャラバンと銘打った全国ツアー)のほか、fOUL単独のライブ企画「砂上の楼閣」やその国内ツアーをサポートした。1996年には吉村秀樹(bloodthirsty butchers)とzero(Copass Grinderz)が監修したコンピレーションCinderella V.A.に参加。翌年bloodthisty butchersとお互いのカヴァーを含むスプリット・アルバムをLPとしてリリースする。

このようにfOULの活動が活発化したため、1998年に谷口は会社勤めを辞め、大地と平松もバンド活動をfOUL一本に絞る。1998年3月14日にスタートした下北沢Shelterでの「砂上の楼閣」は、2005年3月21日までに34回を数える自主ライブ企画となる。1997年までレギュラーだった極東最前線には年末や特別企画のみの出演となったが、うち3回はeastern youthとともにCSで放映された。1999年にはプロデューサーにジョー・チカレリを迎えてサンフランシスコで録音したセカンドアルバムを坂本商店からリリース。続くベルウッドからの2枚のアルバムもチカレリのプロデュースでそれぞれバンクーバーロサンジェルスで録音された。2000年6月と2001年8月には、それぞれNumber Girl[3]、bloodthirsty butchersとの組み合わせでCSのライブ中継番組に出演した。他のメディアにおいても、bloodthirsty butchers, eastern youth, NAHT, cowpersといったバンドと共にいわゆるエモーショナル・ハードコアの重要バンドとして扱われることが多くなり[要出典][4]Promise RingBurning Airlines, Jets To Brazilといった当時代表的とされたエモ・バンド[5]の来日公演オープニングにも出演している。ただし、絶叫というよりはむしろ朗々と歌い上げる谷口のボーカル、流れるように自然に展開する変拍子、文学作品や哲学書からの引用を多用した「禅問答のような」[6]印象を与える内省的な歌詞、間投詞やセリフの効果的な使用といった特徴は、エモと類型化するには異色であった。吉野寿(eastern youth)は「ロックの発想じゃない」[7]とまで言い切っている。

2005年3月12日の「砂上の楼閣」で活動休止を表明。ゲストは同じく夏からの活動停止を予告したPEALOUTで、谷口はその後、PEALOUTの岡崎善郎とBEYONDSとしての活動を再開する。大地は2006年に同じく元BEYONDSメンバーだった中村修一のバンド table に参加した。eastern youth が新しい自主レーベル裸足の音楽社を設立して移籍したため、fOULと共に坂本商店も活動休止の状態となった。

[編集] ディスコグラフィー

[編集] シングル

  • ブックシェルフ 1F(2000年4月10日)坂本商店
  1. 向こう三年の通暁者
  2. 打ち出の小槌
  3. 終わりの始め(ギターで吉野寿参加)

[編集] アルバム

  • foul ball for foul men (1995年4月)Less Than TV
  1. eleven
  2. escape
  3. a personal matter
  4. sideorder (「裁判所の架空の訓示」原曲)
  5. legacy of hate
  6. correct
  • A FOULFUL OF・・・(1996年3月20日)坂本商店
  1. from way out to way under
  2. opportunity
  3. mr.vain
  4. abesada
  5. 黙示録/apocalypse
  • Dostoevsky Groove(1997年10月21日)坂本商店
  1. 私は求めない…
  2. Na・Ka・Za・Wa
  3. 赤い砂漠
  4. デタッチメント・コミットメント
  5. わらをもつかむ思い
  6. Smart Boy Meets Fat Girl (スマート・ボーイ・ミーツ・ファット・ガール)
  7. Searchin' for June (サーチン・フォー・ジューン)
  8. fOULの休憩
  9. ドストエフスキー・グルーヴ
  10. 1 am 1 am (アイ・アム・アイ・アム)
  • bloodthirsty butchers&foul split LP (1997年)CD(1998年2月)Less Than TV
1. Legacy of Hate
2. Green
3. I am on fire(Bloodthirsty Butchers カヴァー)
8. from way out to way under
  • 煉獄のなかで(1999年6月10日)坂本商店 プロデュース:ジョー・チカレリ
  1. あの入江に棲むとき
  2. ヨナが呼んでいる
  3. 霜焼け
  4. 神保参詣(30.october)
  5. 大人になる予感
  6. そして浸透
  7. 煉獄のなかで
  8. mind-dump
  9. 裁判所の架空の訓辞
  10. 齟齬
  • Husserliana(2001年7月25日)坂本商店/ベルウッド プロデュース:ジョー・チカレリ
  1. fRATERNITY
  2. 絶え間ない保身と枯れ草
  3. 全裸の魂
  4. フッサリアーナ
  5. fOULの水
  6. fOULの皮算用
  7. iridium192
  8. 枯槁
  9. dark on you
  10. IT'S A LONG WAY BACK (ラモーンズカヴァー)
  • アシスタント(2003年1月22日)坂本商店/ベルウッド プロデュース:ジョー・チカレリ
  1. あなたのレーゾン・デ・トゥール
  2. a heartbreak hill
  3. いかるがの空
  4. チンコンカン
  5. 輝く湖水
  6. 従業員
  7. 柊の葉
  8. 留守
  9. カンブリア紀
  10. 氷の山

[編集] 参加作品

  • Cinderella V.A I HATE DANCE...Why?(1996年4月23日)キング
5. dark on you
  • SANTA(1997年)Less Than TV
17. 宴のあと
  • 極東最前線(2000年7月16日)坂本商店
1. wax&wane
  • スペースシャワー列伝~宴~(2002年4月24日)スピードスター
4. 氷の山
  • WE HAD BEEN THERE A Tribute to Beyonds(2002年5月24日)UKプロジェクト
15. FEDDISH THINGS
  • Flowers Of Error 3 (2004年03月17日) ベルウッド(會田茂一企画のライブ・コンピレーション)
6. Foulの水
  • 極東最前線2 (2008年7月23日) バップ
[DISC2] 3. Decade

[編集] 脚注

  1. ^ 当初はFoul Ballとするはずだったが他にBallのつくバンドが多いのでfOULに。(『Doll』1995.5)「西村茂樹/シャイニー・ゴースト・西村茂樹の90年代」(いぬん堂)のライナーに、西村が1993年頃、増子真二(DMBQ)、SEIKI(Volume Dealers, 後にnaht)、スガイ(Volume Dealers)と結成した、野球のみを歌うハードコア・パンクバンド、Dead Ball との重複を避けてfOULとなったという西村の説明がある。
  2. ^ 『Indies Magazine』vol1.p75 (1995)によれば、「いいものを出す、しかも友達」がコンセプト。このインタビューでは、eastern youthとfOULの音源を交互にリリースするという構想が語られている。
  3. ^ 吉野寿は、デビュー前のNumber Girlが坂本商店のfOUL宛に送った音源を聞いたことがNumber Girlを知ったきっかけだったとしている。『What's in? ES』1999年11号 p109
  4. ^ シンコーミュージックムック『ラウド・ロックCDガイド』p157に挙げられた日本のバンドはこれらのバンドとfOUL、Number Girl。同時期の『爆音侍激情無宿編』は、これらの「激情」バンドやハスキング・ビーのほかにディスコードフガジや海外重要エモ・レーベルなどを特集したムックであるが、「激情革命史」と題する記事にEmotional Hardcore Legend という副題を付けるなど、「エモ」とカテゴライズされることを嫌うバンド側に配慮した苦しい構成となっている。2003年のDVD『ロック魂』でもeastern youth、fOUL、怒髪天、bloodthirsty butchers、Number Girl、54-71、NAHTなどを収録した巻が「エモーショナルロック編」と題された。
  5. ^ Burning AirlinesはPromise RingやJets To Brazilのプロデュースでも知られるJ. ロビンス(元Jawbox)のバンド。Jets To Brazilは、eastern youthやbeyondsに影響の大きかったJawbreakerのフロントマン、ブレイク・シュワルツェンバックのバンドで、Promise RingとともにJade Treeレーベルの看板となっていた。『爆音侍激情無宿編』は「激情革命史」や「激情越境対談」と題する記事で詳報されている。
  6. ^ 川上啓之の表現。『爆音侍激情無宿編』p75
  7. ^ 『indies issue』vol.7 p13(2003). 谷口健、吉村秀樹との三者座談会での発言。

[編集] 参考文献

  • シンコーミュージックムック『爆音侍激情無宿編』2001

[編集] 外部リンク