黒い雨

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黒い雨(くろいあめ)とは、原子爆弾炸裂時の泥やほこり、すすなどを含んだ重油のような粘り気のある大粒ので、放射性降下物(フォールアウト)の一種である。

主に広島市北西部を中心に大雨となって激しく降り注いだ。この黒い雨は強い放射能を帯びているため、この雨に直接打たれた者は、二次的な被爆(被曝)が原因で、頭髪の脱毛や、歯ぐきからの大量の出血、血便、急性白血病による大量の吐血などの急性放射線障害をきたした。大火傷・大怪我をおった被爆者達はこの雨が有害なものと知らず、喉の渇きから口にするものも多かった。原爆被災後、他の地域から救護・救援に駆けつけた者も含め、今まで何の異常もなく元気であったにもかかわらず、突然死亡する者が多かった。水は汚染され、川の魚はことごとく死んで浮き上がり、この地域の井戸水を飲用した者の中では、下痢をする事が非常に多かったという。長崎でも、黒い雨の降雨記録が残っている。黒い雨は爆風や熱線の被害を受けなかった地域に降り注ぎ、広範囲に深刻な放射能汚染をもたらした。

[編集] 主成分

広島県高須地区にある民家の応接間の壁裏に残っていた黒い雨の跡(白壁に上から墨滴を流したような黒い線)を分析した結果、炭素珪素が主な成分として検出された事が、1986年1月17日日本放送協会(NHK)が放映(製作:NHK長崎放送局)した番組[1]の中で報告された。番組内では特に鉄分について、爆発時の熱によって蒸発した広島市内の鉄構造物によるものだけではなく、爆弾そのものの鉄分である可能性についても言及している。

なお、この雨の跡からは、セシウム137(半減期30年)が微量検出されている。

放射線の作用として水が黒くなる訳ではないため、原子爆弾が投下された地域の建造物にアスファルトコンクリートが多用されていた場合、それらの粉塵によって雨が白く見える可能性もある。

[編集] 関連作品

黒い雨 (小説)」および「黒い雨 (映画)」も参照

井伏鱒二の『黒い雨』という小説が知られる。1965年新潮』で連載された。当初は『姪の結婚』という題であったが、連載途中で『黒い雨』に変わった。 この作品は重松静馬著『重松日記』を原資料とし創作を加えたもので、今村昌平監督のもと1989年に映画化された。

[編集] 脚注

  1. ^ 黒い雨~広島・長崎原爆の謎~(NHK特集名作100選#6) なお、この番組のディレクターは後に著名になった山登義明である。
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