酒井坦

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酒井 坦
生誕 1946年9月
居住 日本の旗 日本
研究分野 農芸化学
研究機関 東京大学
静岡県立大学
出身校 東京大学農学部卒業
東京大学大学院農学系研究科
博士課程中途退学
主な業績 糖質関連酵素
蛋白質工学研究
酵素の耐熱性に関する
蛋白質工学的研究
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酒井 坦(さかい ひろし、1946年9月 - )は、日本農芸化学者蛋白質工学酵素)。学位は、博士(農学)東京大学論文博士1993年)。静岡県立大学大学院生活健康科学研究科教授・食品栄養科学部教授。

来歴[編集]

生い立ち[編集]

1946年生まれ[1]東京大学に進学し、農学部の林産学科で農学を学んだ[2]。なお、東大紛争の影響により、1960年代後半から1970年代前半にかけ、東京大学は学生の卒業を6月とする措置を一時取っていた。そのため、酒井も1971年6月に東京大学を卒業した[2]。その後、東京大学の大学院に進学した[2]。農学系研究科の農芸化学専攻にて農芸化学を学び、1975年6月に博士課程を中途退学した[2]。なお、東京大学より、農学修士学位を授与されている。

研究者として[編集]

大学院の博士課程を中途退学した翌月、母校である東京大学に採用され、農学部の助手として勤務することになる[3]。なお、助手としての所属は、学生時代に在籍した林産学科ではなく、農芸化学科であった[3]。また、1993年には、東京大学より、博士(農学)の学位を授与された[4]

1996年4月静岡県立大学に転じ、大学院の生活健康科学研究科にて助教授に就任した[3]。その後、1999年4月に、静岡県立大学大学院にて、生活健康科学研究科の教授に昇任した[3]

現在は、静岡県立大学の大学院にて生活健康科学研究科に所属し、食品栄養科学専攻の教授を務め、食品蛋白質工学研究室を主宰している[1]。また、静岡県立大学の食品栄養科学部にて、食品生命科学科の教授も兼任している[1]

研究[編集]

専門領域は農芸化学であり、化学にもかかわりの深い農学の一分野である。その中でも、特に蛋白質工学酵素を専門分野としている[5]。具体的には、酵素の耐熱性糖質関連酵素について、蛋白質工学の見地から研究を行っている[6]。加えて、蛋白質の構造についての研究も行っている[6]

また、酵素を用い、有用なモノテルペン合成する新技術開発した[7][8]柑橘類に由来するγ-テルピネン合成酵素への変異導入により、サビネンを生産するように改変した[7][8]。この技術を用いれば、γ-テルピネンの合成と同手法でサビネンを生産できるとされる[7][8]。従来の技術に比べると、異なるモノテルペンを同条件で生産できるメリットがあり、かつ、酵素を用いて合成するため、穏和な条件で純度の高い標品を得ることが可能となった[7][8]。なお、この新技術は、静岡県立大学を運営する静岡県公立大学法人により、「組換えサビネン合成酵素及びその利用」として特許出願されている[7][9]

略歴[編集]

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]