自己同一性
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自己同一性(じこどういつせい、セルフ・アイデンティティ(Self Identity))とは、自分は何者であり、何をなすべきかという個人の心の中に保持される概念。自我同一性(じがどういつせい)ともいう。エリク・エリクソン(E・H・Erikson、1902年- 1994年)による言葉で、青年期の発達課題を語るキーワードである。
[編集] エリクソン自身の問題
この概念は、エリクソン自身が、その生涯を通して自らのアイデンティティーに悩んだことから、生み出されたとされている。ローレンス・J・フリードマン著『エリクソンの人生』によると、エリクソンはユダヤ系の母親の初婚の相手との間の子で金髪碧眼であり、再婚相手のドイツ人医師の風貌とは似ても似つかない容姿であった。そのために自らのアイデンティティに悩んだという。実は、母の初婚の相手との結婚生活はごく短期間で、エリクソンはその間の母親の不倫相手との間の子どもであったらしい。実の父は写真家であったらしいが、エリクソンの晩年に至るまで存命だった母親は、終生ことの真相を明らかにしなかったという。自分は誰で、どこにその存在の根を持っているのかという疑問が、彼の自らの心の探求の原点になった。
[編集] 関連項目
[編集] 参考文献
- E.H.エリクソン(著)、小此木啓吾(編訳)、小川捷之、岩男寿美子(訳) 『自我同一性―アイデンティティとライフサイクル』 誠信書房、1973年、ISBN 4414402468
- ローレンス・J・フリードマン 『エリクソンの人生』 新曜社、2003年(上巻:ISBN 4788508575 下巻:ISBN 4788508583)

