石田恒信

石田恒信
国籍	日本
泳法	平泳ぎ、背泳ぎ
生年月日	1905年6月8日
生誕地	日本大阪府
没年月日	1991年2月18日（85歳没）
獲得メダル
競泳男子
日本
極東選手権
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石田恒信（いしだつねのぶ、1905年〈明治38年〉6月8日^[1] - 1991年〈平成3年〉2月18日^[2]）は、大正時代に活躍した競泳選手。関西学院大学在学中の1924年、パリオリンピックに出場した。大学卒業後は阪神電気鉄道に入社。第二次世界大戦戦中・戦後の困難な時期に阪神甲子園球場の球場長を務めた。

経歴[編集]

大阪府出身^[3]。旧制茨木中学校（現在の大阪府立茨木高等学校）に学ぶ^[4]。茨木中学校は体育教諭・杉本伝の指導のもとで水泳の盛んな学校であった^{[注釈 1]}。1920年（大正9年）8月、茨木中学校は石田（3年生）、入谷唯一郎・高石勝男（2年生）ら5人の選手で第4回戸田全日本競泳大会（静岡県戸田湾、東京帝国大学主催）に出場して優勝を果たす^[4]^[5]。この大会で石田は100m背泳ぎ（1分40秒6）と200m平泳ぎ（3分37秒0）で優勝した^[5]。その後、第5回水泳大会（1920年8月）の100m背泳ぎ^[5]、第6回大毎全国中等大会（1920年）の100m背泳ぎ^[6]で優勝。1921年8月の第1回全国競泳大会（浜名湖、浜名湾游泳協会主催）では100m背泳ぎ（1分26秒6）・200m平泳ぎ（3分11秒6）で優勝し^{[注釈 2]}、200mリレーと800mリレーの一員として茨木中の優勝に貢献した^[7]。

1923年の第6回極東選手権競技大会（大阪）では、220ヤード平泳ぎで2位に入り、200m平泳ぎでは優勝した^[8]。第8回全国大会（1923年8月、芝公園）では200m平泳ぎ（3分10秒2）で優勝^[9]。

関西学院大学在学中^[10]^[11]、1924年パリオリンピックの競泳日本代表選手に選ばれる^{[注釈 3]}。男子100m背泳ぎ、200m平泳ぎに出場し、それぞれ1分26秒9、3分09秒2の成績を残したが、いずれも予選落ちに終わった^[1]^[13]。

1929年（昭和4年）、大学卒業後は阪神電気鉄道に入社^[3]。戦前（第7代）・戦中戦後（第9代）の甲子園球場長を務め、戦中の日本軍による接収、空襲、戦後の米軍による接収といった困難な時代を経験した^[14]^[15]。その後、阪神電鉄の経営企画室課長などを務めた^[3]。

備考[編集]

退職後に「甲子園の回想」「続甲子園の回想」と題する手記（手製本）を書き記しており、甲子園球場の歴史に関する貴重な史料となっている^[14]^[15]^[16]。

脚注[編集]

[脚注の使い方]

注釈[編集]

^ 茨木中学校では1916年（大正5年）、初代校長・加藤逢吉の発案のもと、体育教諭の杉本伝が指導して生徒の勤労奉仕によってプールが建設され（日本最初の学校プールとされる）、杉本は「水泳研究班」を組織した^[4]。
^ 出典では「石田恒雄」になっている。
^ 杉本伝が水泳監督を務め、高石勝男も選手として出場した^[4]。なお、石田は関西学院初のオリンピアンである^[12]。

出典[編集]

^ ^a ^b “Tsunenobu Ishida”. Olympedia. 2021年3月25日閲覧。
^ 日本水泳連盟『創立70周年記念誌』1994年、434頁
^ ^a ^b ^c ダイヤモンド社 1950, 32頁.
^ ^a ^b ^c ^d “元祖イケメンスイマー高石勝男”. 久敬会 (2019年8月27日). 2021年8月20日閲覧。
^ ^a ^b ^c 三浦裕行 2005, p. 18.
^ 三浦裕行 2005, p. 19.
^ 三浦裕行 2005, p. 31.
^ 日本水泳連盟『水連四十年史』1969年、47頁
^ 三浦裕行 2005, p. 34.
^ 中澤 2010, 41頁.
^ 束原 2013, 258頁.
^ “水上競技部”. 関西学院事典. 関西学院大学. 2021年8月20日閲覧。
^ “第8回オリンピックパリ大会”. 大阪水泳協会. 2021年8月20日閲覧。
^ ^a ^b “【甲子園戦火を越えて（中）】終戦直後に米軍が接収、兵営置かれ酒場まで設置”. 産経WEST. 産経新聞社 (2015年8月14日). 2021年3月25日閲覧。
^ ^a ^b “戦後初の甲子園センバツ90／4 聖地「奪還」に万歳”. 毎日新聞 (2018年2月19日). 2021年3月25日閲覧。
^ “【41】鳴尾球場の足跡（上）”. 田名部和裕「僕と高校野球の50年」. デイリースポーツ (2015年10月21日). 2021年8月20日閲覧。

参考文献[編集]

『ダイヤモンド会社職員録全上場会社版 1951年版』ダイヤモンド社、1950年。
中澤篤史「オリンピック日本代表選手団における学生選手に関する資料検討--1912年ストックホルム大会から1996年アトランタ大会までを対象に (グローバリゼーションとスポーツの変容)」『一橋大学スポーツ研究』第29巻、一橋大学スポーツ科学研究室、2010年、37-48頁、doi:10.15057/18711、ISSN 18803814、NAID 110008139748。
束原文郎「1912年〜2008年夏季オリンピック日本代表選手団に関する資料:所属組織と最終学歴を中心に」（PDF）『スポーツ科学研究』第10巻、2013年、242-316頁。
三浦裕行「内田正練とその時代 : 日本にクロールがもたらされた頃」『北海道大学総合博物館第20回企画展』、北海道大学総合博物館、2005年。

外部リンク[編集]

石田恒信 - Olympedia (英語)
石田恒信 - Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ (英語)

[5] 茨木中学校では1916年（大正5年）、初代校長・加藤逢吉の発案のもと、体育教諭の杉本伝が指導して生徒の勤労奉仕によってプールが建設され（日本最初の学校プールとされる）、杉本は「水泳研究班」を組織した^[4]。

[8] 出典では「石田恒雄」になっている。

[15] 杉本伝が水泳監督を務め、高石勝男も選手として出場した^[4]。なお、石田は関西学院初のオリンピアンである^[12]。

[olympedia-1] “Tsunenobu Ishida”. Olympedia. 2021年3月25日閲覧。

[2] 日本水泳連盟『創立70周年記念誌』1994年、434頁

[FOOTNOTEダイヤモンド社195032頁-3] ダイヤモンド社 1950, 32頁.

[kyuukeikai_95-4] “元祖イケメンスイマー高石勝男”. 久敬会 (2019年8月27日). 2021年8月20日閲覧。

[FOOTNOTE三浦裕行200518-6] 三浦裕行 2005, p. 18.

[FOOTNOTE三浦裕行200519-7] 三浦裕行 2005, p. 19.

[FOOTNOTE三浦裕行200531-9] 三浦裕行 2005, p. 31.

[10] 日本水泳連盟『水連四十年史』1969年、47頁

[FOOTNOTE三浦裕行200534-11] 三浦裕行 2005, p. 34.

[FOOTNOTE中澤201041頁-12] 中澤 2010, 41頁.

[FOOTNOTE束原2013258頁-13] 束原 2013, 258頁.

[14] “水上競技部”. 関西学院事典. 関西学院大学. 2021年8月20日閲覧。

[16] “第8回オリンピックパリ大会”. 大阪水泳協会. 2021年8月20日閲覧。

[sankei-150814-17] “【甲子園戦火を越えて（中）】終戦直後に米軍が接収、兵営置かれ酒場まで設置”. 産経WEST. 産経新聞社 (2015年8月14日). 2021年3月25日閲覧。

[mainichi-180219-18] “戦後初の甲子園センバツ90／4 聖地「奪還」に万歳”. 毎日新聞 (2018年2月19日). 2021年3月25日閲覧。

[19] “【41】鳴尾球場の足跡（上）”. 田名部和裕「僕と高校野球の50年」. デイリースポーツ (2015年10月21日). 2021年8月20日閲覧。

[1]

[2]

[3]

[4]

[注釈 1]

[5]

[6]

[注釈 2]

[7]

[8]

[9]

[10]

[11]

[注釈 3]

[13]

[14]

[15]

[16]

[12]

表話編歴日本選手権水泳競技大会男子100m背泳ぎ優勝者
1910年代	16 三好康和 18 三好康和/持永義崇
1920年代	20 石田恒信 21 石田恒信 22 上田治 23 上田治 24 野塚義則 25 木村象雷 26 木村象雷 27 木村象雷 28 入江稔夫 29 片山兼吉
1930年代	30 メイオラ・カリリ（英語版） 31 清川正二 32 清川正二 33 清川正二 34 アル・ヴァンデウェー（英語版） 35 児島泰彦 36 児島泰彦 37 アドルフ・キーファー（英語版） 38 児島泰彦 39 吉田喜一
1940年代	40 吉田喜一 41 児島泰彦 42 吉田喜一 46 西野恭正 47 西野恭正 48 西野恭正 49 西野恭正
1950年代	50 山本速水 51 西野恭正 52 西野恭正 53 ヨシノブ・オヤカワ（英語版） 54 長谷景治 55 長谷景治 56 長谷景治 57 長谷景治 58 ジョン・モンクトン（英語版） 59 長谷景治
1960年代	60 渡辺和夫 61 トム・ストック 62 ジェド・グラーフ（英語版） 63 福島滋雄 64 福島滋雄 65 伊藤圭祐 66 林祐士郎 67 田中毅司雄 68 細川伸也 69 本多忠
1970年代	70 星野浩二 71 山本敏光 72 本多忠 73 中村靖 74 本多忠 75 ジョン・ネーバー 76 スティーブ・ハーディ（英語版） 77 池田憲次 78 池田憲次 79 松本敬充
1980年代	80 ウェイド・フレモンズ 81 高橋英利 82 高橋英利 83 池田憲次 84 鈴木大地 85 鈴木大地 86 鈴木大地 87 丸山繁守 88 丸山繁守 89 丸山繁守
1990年代	90 糸井統 91 糸井統 92 糸井統 93 糸井統 94 糸井統 95 糸井統 96 近内圭太郎 97 近内圭太郎 98 錦織篤 99 近内圭太郎
2000年代	00 大石隆文 01 錦織篤 02 森田智己 03 森田智己 04 森田智己 05 森田智己 06 森田智己 07 森田智己 08 森田智己 09 古賀淳也
2010年代	10 古賀淳也 11 入江陵介 12 入江陵介 13 萩野公介 14 入江陵介 15 入江陵介 16 入江陵介 17 入江陵介 18 入江陵介 19 入江陵介
2020年代	20 入江陵介 21 入江陵介 22 入江陵介 23 入江陵介

表話編歴日本選手権水泳競技大会男子200m平泳ぎ優勝者
1910年代	16 伊藤忠雄 18 山本隆一
1920年代	20 平野豊 21 石田恒信 22 坂倉厳 23 石田恒信 24 三倉博 25 鶴田義行 26 鶴田義行 27 鶴田義行 28 鶴田義行 29 鶴田義行
1930年代	30 鶴田義行 31 小池礼三 32 小池礼三 33 小池礼三 34 小池礼三 35 葉室鉄夫 36 葉室鉄夫 37 葉室鉄夫 38 葉室鉄夫 39 葉室鉄夫
1940年代	40 葉室鉄夫 41 大浦誠一郎 42 大浦誠一郎 46 藤垣亮太郎 47 藤垣亮太郎 48 藤垣亮太郎 49 宇田久寿秀
1950年代	50 萩原孝男 51 梶川孝義 52 長沢二郎 53 梶川孝義 54 古川勝 55 古川勝 56 古川勝 57 古川勝 58 テリー・ガザーコール（英語版） 59 大崎剛彦
1960年代	60 大崎剛彦 61 チェット・ジャストレムスキー（英語版） 62 敷石義秋 63 松本健次郎 64 松本健次郎 65 松本健次郎 66 山南宏一 67 鶴峯治 68 鶴峯治 69 田口信教
1970年代	70 佐藤章 71 入江健治 72 田口信教 73 田口信教 74 田口信教 75 リック・コレラ（英語版） 76 新屋干城 77 高橋繁浩 78 新屋干城 79 新屋干城
1980年代	80 樺谷博 81 高橋繁浩 82 松田成利 83 高橋繁浩 84 不破央 85 松田成利 86 渡辺健司 87 渡辺健司 88 高橋繁浩 89 藤枝宏
1990年代	90 渡辺健司 91 藤枝宏 92 林享 93 林享 94 小嶋倫明 95 鈴木淳矢 96 宮崎義伸 97 仲下力 98 仲下力 99 宮崎義伸
2000年代	00 林享 01 北島康介 02 北島康介 03 北島康介 04 北島康介 05 今村元気 06 木村太輔 07 北島康介 08 北島康介 09 末永雄太
2010年代	10 立石諒 11 冨田尚弥 12 北島康介 13 山口観弘 14 小日向一輝 15 小関也朱篤 16 小関也朱篤 17 小関也朱篤 18 小関也朱篤 19 渡辺一平
2020年代	20 渡辺一平 21 佐藤翔馬 22 花車優 23 渡辺一平