呼び込み君

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呼び込み君(MC-F06)
呼び込み君本体と梱包箱

呼び込み君(よびこみくん)は、群馬電機が販売するメモリー式の音声POP(音声ポップ、録音再生器)で、同社の登録商標(第4423682号)である。スーパーマーケット総菜売り場などの個別の販売コーナーで販売促進するための商品案内の自動再生に、それまで使用されてきたカセットテープ式が耐久性に劣るため、これに代わるものとして2000年に開発された[1]2018年時点で4万台が出荷されている。

概要[編集]

事前に録音した商品説明などの音声や専用BGMの再生、およびそれらの同時再生ができ、内蔵された人感センサーにより来場者の動きと連動させることも可能となっている[1]

商品棚に置くことが想定されており、キャラクターを模して手の装飾が施されている。また、顔の部分はそのまま目と口が描かれているタイプと、「いらっしゃいませ」「お買い得品」などのLEDポップを付けられるタイプの2種類が存在する。

専用BGM[編集]

店舗が著作権を気にせずBGMを再生できるようにするため、専用メロディを抜き差しできるメモリーカードにて提供している。専用メロディは同じ群馬県内の地元向けコマーシャルソングの制作を行う企画会社の人物が作曲[2]したもので、標準で用意されているのはボサノバ調の「No.2」およびアップテンポ調の「No.4」の2曲である。このうち「No.4」は、インターネット上において「ポポーポポポポ」などの表現で話題となり、着メロが配信されるまでに至った[3]

音楽配信事業を手がけるUSENの北澤伸二は「安っぽさを感じる音楽と陳列されているお買い得商品が、『呼び込み君=安い商品』として印象づけられ拡販に結びついているのではないか」と分析している[4]

また、社会人野球応援歌としても使用されており、2022年開催の第47回社会人野球日本選手権大会では同大会に出場した四国銀行が本BGMを使用している[5]

なお、「No.4」の曲は2022年9月1日付けで音の商標として登録されている[6]

スーパーサウンド『呼び込み君』ミニ[編集]

呼び込み君本体とミニの対比。

2021年12月より、本製品をモチーフにしたおもちゃ(ミニトイ)が青島文化教材社より発売[7][8][9]。全長約53ミリメートルで、ボタンを押すと前述のBGM「No.4」(約20秒の編集版)が流れるというもので、録音機能などは付いていない[8]

本物同様に顔を付属の文字パネルに交換することができ、シールを貼ることによって「いらっしゃいませ」「今、売れてます」などの計5種類のメッセージを表示させることができる[7][8][9]。なお、同年5月の「第59回静岡ホビーショー」にて製品化が発表された際は、カプセルトイとして発売される予定だった[10]

また、群馬電機オリジナル仕様として収録シールやパッケージが若干異なるモデル[11]や、第60回静岡ホビーショーの開催を記念した赤一色および青一色成型のイベント限定バージョンも発売[12]された。

スーパーサウンド『呼び込み君』ミニ DX[編集]

2023年2月にボサノバ調のBGMである「No,2」を追加した「スーパーサウンド『呼び込み君』ミニ DX」が発売。基本仕様や20秒間の演奏時間は不変となるが、背面に切り替えスイッチが追加され、パッケージもブリスターパックから箱入りに変更された[13][14]。 このほか、ドン・キホーテ限定バージョンとして、DX収録曲の「No.2」を「ミラクルショッピング」に置き換えた「ドンキオリジナルVer.」も発売。パネルシールにドン・キホーテロゴが追加されている。なお、パッケージは無印と同じブリスターパックでの発売だった。

さらに新業態として「ドミセ」が設立。それと同時に登場したドミセ限定バージョンの黒色も登場している。これもブリスターで発売された。

メディア登場[編集]

リズムアクションゲーム『D4DJ Groovy Mix
2020年10月31日より、事前登録者50万人突破記念報酬楽曲として「呼び込み君 No.4」DJアレンジ版を収録[15][16]。また、出演声優の愛美西尾夕香によるアカペラバージョンを収録した実機「呼び込み君 D4DJコラボモデル」の抽選プレゼント企画も行われた[17]
アニメ『ちいかわ
2023年2月3日放送の第44話「寝起きの体操」において、ちいかわ達がスクリーンに映った呼び込み君の動きとそのBGMに合わせて体操するシーンが登場[18][19]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b “5万台狙う「呼び込み君」 みどり市の「群馬電機」製造販売”. 東京新聞. (2019年1月16日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201901/CK2019011602000172.html 2019年11月4日閲覧。 
  2. ^ 呼び込み君開発秘話 | 群馬電機株式会社”. 2020年6月20日閲覧。
  3. ^ 沓澤真二、ねとらぼ (2019年3月6日). “スーパーでよく聞く「ポポーポポポポ♪」が着メロに……えっ、正式な曲名「No.4」なの!?”. ねとらぼ. ITmedia. 2019年11月4日閲覧。
  4. ^ FNN.jp編集部 (2019年6月24日). “「ポポーポポポポ...」スーパーで流れる“あの曲”には隠された効果がある説が話題…専門家に聞いた”. FNN PRIME. フジテレビジョン. 2019年11月4日閲覧。
  5. ^ 社会人野球日本選手権:1回戦 四銀、王者相手に健闘 ENEOSに惜敗 応援席から拍手 /高知”. 毎日新聞 (2022年11月1日). 2023年9月25日閲覧。
  6. ^ 登録番号・第6608744号
  7. ^ a b 電撃ホビー編集部 (2021年10月18日). “ポポーポポポポ♪「呼び込み君」が音声付きミニトイになって登場!顔を文字パネルに交換することも可能”. 電撃ホビーウェブ. KADOKAWA. 2021年10月21日閲覧。
  8. ^ a b c 沓澤真二、ねとらぼ (2021年10月18日). “スーパーの「呼び込み君」がおもちゃになって12月登場 音声機能でいつでもどこでもポポーポポポポ♪”. ねとらぼ. ITmedia. 2021年10月21日閲覧。
  9. ^ a b tks24 (2021年10月19日). “全長約53mmの手のひらサイズ。あの「呼び込み君」の音声付きミニトイ、予約受付中”. INTERNET Watch. インプレス. 2021年10月21日閲覧。
  10. ^ 宮原れい、ねとらぼ (2021年5月17日). “あの「呼び込み君」が音声付きカプセルトイに 「ポポーポポポポ♪」のメロディーでおなじみの販促用端末”. ねとらぼ. ITmedia. 2021年10月21日閲覧。
  11. ^ スーパーサウンド 呼び込み君 ミニ”. www.popgallery.jp. 2022年6月10日閲覧。
  12. ^ 株式会社インプレス (2022年5月11日). “「スーパーサウンド『呼び込み君』ミニ」イベント限定Ver.2種が発売決定! アオシマonline shopでも5月14日9時から販売開始予定”. HOBBY Watch. 2022年6月10日閲覧。
  13. ^ スーパーサウンド『呼び込み君』ミニ DX|株式会社 青島文化教材社”. www.aoshima-bk.co.jp. 2022年9月27日閲覧。
  14. ^ 『スーパーサウンド「呼び込み君」ミニ』がパワーアップしたデラックス版になって新登場!ボサノバ調で落ち着いたメロディ「No.2」を追加!”. 電撃ホビーウェブ. 2022年9月27日閲覧。
  15. ^ @D4DJ_gm (2020年10月31日). "🎊「D4DJ Groovy Mix」本日追加楽曲🎊". X(旧Twitter)より2024年1月25日閲覧
  16. ^ @D4DJ_gm (2021年10月20日). "#グルミク に『呼び込み君 No.4』を実装中🎵". X(旧Twitter)より2024年1月25日閲覧
  17. ^ 「D4DJ Groovy Mix」事前登録50万人の達成報酬を発表!”. ブシロード. 2024年1月25日閲覧。
  18. ^ アニメ「ちいかわ」に音声POP「呼び込み君」が登場しました”. 群馬電機. 2023年2月13日閲覧。
  19. ^ アニメ「ちいかわ」に「呼び込み君」が登場し話題 「まさかあの曲が」 群馬電機(みどり市)が開発”. #gunma. 上毛新聞 (2023年2月8日). 2023年2月13日閲覧。

外部リンク[編集]