低出生体重児

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低出生体重児(ていしゅっせいたいじゅうじ)とは、出生時に体重が2,500g未満の新生児のことを言う。

原因[編集]

大きく分けて、在胎週数が短く出生する早産のために出生体重が小さくなる場合(一般的には「未熟児」と呼ばれる)と、子宮内での胎児の体重増加が悪い子宮内発育制限のために出生体重が小さくなる場合がある。 子宮内発育制限は胎児自身の異常(先天性心疾患染色体異常など)や、妊婦側の異常(妊娠中毒症、極端な「やせ」、喫煙や飲酒など)、胎盤および臍帯の異常で起こる。 両方の原因が組み合わさって出生する早産低出生体重児もいるため、子宮内での体重増加は在胎週数に応じた標準体重と比較して評価される。在胎週数に比して体重の小さい児をLFD(light for date)児と呼ぶ。また、身長も小さい児をSFD(small for date)児と呼ぶ。

分類[編集]

低出生体重児は、その出生体重によりさらに以下のように分類される。

  • 狭義の低出生体重児(Low birth weight infant:LBWI)・・・出生体重2500g未満。
  • 極低出生体重児(Very low birth weight infant:VLBWI)・・・出生体重1500g未満。
  • 超低出生体重児(Extremely low birth weight infant:ELBWI)・・・出生体重1000g未満。

従って低出生体重児には極低出生体重児と超低出生体重児が含まれ、極低出生体重児には超低出生体重児が含まれる。

かつては、極低出生体重児を極小未熟児、超低出生体重児を超未熟児と呼んでいた。

治療[編集]

低出生体重であっても、在胎週数がほぼ正期産に近く、生命機能が成熟しており、先天性異常などを持たない児は、出生直後に低血糖などになりやすいものの問題は少ない。出生後の哺乳・体重増加は概して良好である。 早産児は児の生命機能が未熟であるため、未熟の程度に応じてさまざまな合併症をきたす可能性がある。そのため、在胎週数36週未満の早産児は一般に、新生児特定集中治療室(NICU)に入院して保育される。特に32週未満の児では肺の未熟性のために重篤な呼吸障害(急性呼吸窮迫症候群)等の合併症や、さらに超低出生体重児では循環障害による脳室内出血、(動脈管開存)による肺出血など致命的な合併症を来たす可能性があり、必ず専門施設での治療が必要である。

法律[編集]

体重が二千五百グラム未満の乳児が出生したときは、その保護者は、速やかに、その旨をその乳児の現在地の市町村に届け出なければならない。(母子保健法第十八条)

動向[編集]

1980年に5.2%だった2,500g未満出生児の割合は、1990年に6.3%、2000年に8.6%、2009年に9.6%と増加をたどっている[1]。また、新生児全体の体重としても、厚生労働省が10年ごとに行う「乳幼児身体発育調査」において、戦後の経済成長とともに増加を続けていた平均出生体重が1980年をピークに減少に転じ、2000年には戦前の1940年1942年を下回る水準[2]に達していた。他の先進国で女性の体格向上に伴い出生体重も漸増を続けているのに対し、日本での傾向は特異的である。

低出生体重児の増加や平均出生体重の低下原因に関して、女性の平均身長の伸びに対して平均体重の伸びは少なく痩せ傾向に進んでいること、諸外国に比べて日本における妊婦の体重増加制限は厳格に指導されがちなこと、高齢出産の増加、20~30代女性の喫煙率の増加、不妊治療等による多胎率の増加(ただし単胎の低出生体重児に限っても、1980年の4.6%から2009年の8.3%へと増加している[1])、医療技術の進歩に伴いかつては死産となっていた早産児が極低出生体重児・超低出生体重児として生存していることなど、複合的な要因が指摘されている。

脚注[編集]

  1. ^ a b 出生に関する統計(平成22年) 厚生労働省
  2. ^ 産経新聞 2008年11月27日付

関連項目[編集]