伊藤美奈子 (歌手)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

伊藤 美奈子(いとう みなこ、1962年9月17日[1] - )は、日本の歌手シンガーソングライター東京都出身[1]

来歴[編集]

4歳からピアノを習い始め、中学3年の時に五輪真弓髙橋真梨子らに触発されて作曲を始める[2]1982年10月1日松任谷正隆プロデュースのアルバム『Tenderly』とシングル「グラスの中の青い海」でCBS・ソニーからデビュー。同月度のFM東京の新人オーディションで1位となる。プロデュースのポイントとして松任谷は、伊藤とラジオ番組に出演した際、「うんと大人っぽくして見た目との落差をつけたい」とコメントしている[3]

1983年村下孝蔵のコンサートツアーに参加。キーボードとコーラスを担当。この縁で1984年に発売された村下の5thアルバム『花ざかり』の収録曲「大安吉日」でデュエットを務めた。1985年の3rdアルバム『Portrait』を最後にCBS・ソニーとの契約が終了する。

その後、出産を経て、2000年に15年ぶりとなる4thアルバム『楽(gaku)』を自主制作でリリース。2008年2009年、村下孝蔵のメモリアルコンサートに参加。2009年には単独ライヴも開催した。近年の活動状況については本人のブログで確認できる。

2012年7月よりソニー・ミュージックが運営する復刻企画サイト「オーダーメイドファクトリー」において、過去CBS・ソニーからリリースされた3枚のアルバムの復刻が企画され、2ndアルバム『誘魚灯』の注文が規定数に達したため、CDでの復刻が決定。2013年10月23日に発売された。残る2枚は2013年11月に注文が規定数に達しCDでの復刻が決定。2013年12月25日に発売された。3rdアルバム『Portrait』は初CD化となる。

『誘魚灯』について、昭和歌謡が好きで歌謡BARを開いていた元プロ野球選手の駒田徳広が、「なんとも言えない虚しい物悲しい感じが好き。CDがリリースされて嬉しかった」と述べ、TVで紹介した。

ディスコグラフィ[編集]

シングル[編集]

  1. グラスの中の青い海/水の中の太陽 (1982年10月1日) 07SH1218
  2. 指切り/まどろみ (1984年3月23日) 07SH1472
  3. 誘魚灯/ともしび (1984年7月21日) 07SH1534
    • 「誘魚灯」はオムニバスCD『クイーンズ・ストリート』[4]にてCD化された。
  4. 見つめてほしい/9月の約束 (1985年8月25日) 07SH1679
    • 「見つめてほしい」は4枚組オムニバスCD『ニューミュージック・ヒットBOX 60』[5]にてCD化された。

アルバム[編集]

  • Tenderly (1982年10月1日) 28AH1461(LP) SRCL-1902(CD) DYCL-443(2013年復刻盤)
    • 収録曲の全作曲は伊藤自身による。
    • 1991年5月15日に「CD選書」の一枚としてCD化された。
    • 2013年の復刻の際、シングル曲のカラオケがボーナス・トラックとして追加された。
    • itunesmoraで配信されている(ボーナス・トラックは無し)。
  1. グラスの中の青い海
    • 作詞:田口俊
  2. さよならの休日
    • 作詞:田口俊
  3. 愛の行方
    • 作詞:有川正沙子
  4. きらめく季節
    • 作詞田口俊
  5. 昨日からの会釈
    • 作詞:有川正沙子
  6. 冬の前ぶれ
    • 作詞:田口俊
  7. 雨のメヌエット
    • 作詞:戸塚省三
  8. 回転木馬の夜
    • 作詞:田口俊
  9. アムール
    • 作詞:有川正沙子
  10. 水の中の太陽
    • 作詞:戸塚省三


〈ボーナス・トラック〉

  1. グラスの中の青い海(オリジナル・カラオケ)
  2. 水の中の太陽(オリジナル・カラオケ)


〈参加ミュージシャン〉

  • Keyboards:松任谷正隆
  • Drums:林立夫青山純山木秀夫
  • E.Bass:後藤次利、長岡道夫、高水健司、岡沢茂
  • E.Guitar:松原正樹椎名和夫今剛
  • A.Guitar:吉川忠英安田裕美
  • Percussions:斉藤伸雄(斉藤ノブ
  • Horns:数原晋小林正弘、河東伸夫、兼崎順一、新井英治、岡田澄雄(岡田澄夫)、Jake H. Conception
  • Strings:トマト・ストリングス・アンサンブル
  • Background Vocals:伊藤美奈子、桐ヶ谷仁
  • 誘魚灯 (1984年3月23日) 28AH1691(LP) DYCL-444(CD)
    • 作曲で桐ヶ谷仁が4曲に参加[6]。作詞はすべて田口俊が担当している。
    • CDではシングル曲のカラオケなど、6曲がボーナス・トラックとして追加されている。
  1. ベルベット・ブルー
    • 曲:伊藤美奈子
    • レコードでは歌唱が終わった直後に次曲とクロスフェードしていたが、CDではクロスフェードしない[7]
  2. 指切り
    • 作曲:伊藤美奈子
    • シングルと違って、フェードイン(レコードではクロスフェード)で始まり、1番の後の間奏が20秒ほど長い。
  3. 最後のレガッタ
    • 作曲:桐ケ谷仁
  4. さよならは言わずに
    • 作曲:伊藤美奈子
  5. 誘魚灯
    • 作曲:桐ケ谷仁
  6. まどろみ
    • 作曲:伊藤美奈子、桐ケ谷仁
  7. 鏡のように
    • 作曲:伊藤美奈子
  8. デリンジャー
    • 作曲:伊藤美奈子、桐ケ谷仁
  9. もうあなただけ
    • 作曲:伊藤美奈子
  10. ともしび
    • 作曲:伊藤美奈子


〈ボーナス・トラック〉

  1. 指切り(シングル・バージョン)
  2. まどろみ(シングル・バージョン)
  3. 指切り(オリジナル・カラオケ)
  4. まどろみ(オリジナル・カラオケ)
  5. 誘魚灯(オリジナル・カラオケ)
  6. ともしび(オリジナル・カラオケ) 〈参加ミュージシャン〉


〈参加ミュージシャン〉

  • Keyboards:松任谷正隆
  • Drums:林立夫、山木秀夫
  • E.Bass:高水健司
  • E.Guitar:鈴木茂、松原正樹、安藤正容
  • A.Guitar:吉川忠英
  • Percussions:斉藤ノブ、浜口茂外也
  • Horns:数原晋、新井英治、大井貴司、Jake H. Conception
  • Strings:前田グループ
  • Background Vocals:桐ヶ谷仁、桐ヶ谷俊博白鳥英美子
  • Synthesizer Programing:浦田恵司
  • Portrait (1985年11月21日) 28AH1952(LP) DYCL-445(CD)
    • 収録曲すべての作詞は伊藤自身による。作曲に楠瀬誠志郎杉真理が参加。
    • 全曲に英語のサブタイトルが付いている(例:見つめてほしい→look at me)。
    • CDではシングル曲のカラオケがボーナス・トラックとして追加されている。
  1. 見つめてほしい
    • 作曲:伊藤美奈子
  2. マリオンの前で
    • 作曲:嶋田陽一
  3. MOJO DANCE
    • 作曲:嶋田陽一
  4. 一年ののち
  5. 9月の約束
    • 作曲:伊藤美奈子
  6. イニシャル
    • 作曲:杉真理
  7. 愛の意味
    • 作曲:楠瀬誠志郎
  8. Sister
    • 作曲:桐ヶ谷俊博
  9. Air Curtain
    • 作曲:伊藤美奈子
  10. Portrait
    • 作曲:楠瀬誠志郎


〈ボーナス・トラック〉

  1. 見つめてほしい(オリジナル・カラオケ)
  2. 9月の約束(オリジナル・カラオケ)


〈参加ミュージシャン〉

  • Keyboards:松任谷正隆
  • Drums:菊地武夫
  • E.Bass:高水健司、岡沢茂、田中章弘
  • E.Guitar:今剛、松原正樹
  • A.Guitar:吉川忠英
  • Percussions:斉藤ノブ、浜口茂外也
  • Horns: Jake H. Conception
  • Background Vocals:桐ヶ谷仁、桐ヶ谷俊博、白鳥英美子、楠瀬誠志郎
  • Synthesizer Programing:浦田恵司
  • 楽(gaku) (2000年9月17日) HMG-0122(CD)
    • 全曲の作詞・作曲を伊藤自身が手がけている。
    • 元WEEKIDSのメンバー・丸尾めぐみがプロデュース・アレンジを担当。
    • 元WEEKIDSのメンバー・中村裕介がアコースティック・ギターで参加(5曲目)。
    • デジパック仕様である。
    • itunesで配信されている。
  1. 啓く(ひらく)
  2. 観覧車の夏
  3. 遠い人
  4. 心の中で
    • ピアノとソプラノサックスによるインストナンバー。
  5. 君がきてくれたこと
  6. 泣かないで
  7. ありがとう

参加アルバム[編集]

  • 村下孝蔵『花ざかり』(1984年12月8日)MHCL-30067(Blu-spec CD2)
    • 5.大安吉日

脚注[編集]

  1. ^ a b シングル「グラスの中の青い海」の歌詞カードに掲載されている。
  2. ^ 『Tenderly』の歌詞カードに記載されている。
  3. ^ 1984年5月19日放送のFM東京「Lo-D ライブ・コンサート」にて。司会の井上堯之の質問に対する回答。
  4. ^ 1984年11月21日発売。11曲目に収録されている。
  5. ^ 1986年11月21日発売。Disc-3の15曲目に収録されている。
  6. ^ うち2曲は伊藤との共作。
  7. ^ 歌詞カードにその旨が記載されている。

外部リンク[編集]