井堀信号所

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井堀信号所[1](いぼりしんごうしょ)または井堀信号場[2](いぼりしんごうじょう)は、東京都荒川区西日暮里にある東日本旅客鉄道(JR東日本)東北本線宇都宮線)から尾久駅の留置線(留置線から田端運転所、尾久車両センターに入区する)出入庫線が分岐する、上野駅 - 尾久駅間の分岐点の呼称。

列車ダイヤや乗務員用の運転時刻表でこのように呼ばれている。かつては上野駅構内扱いで、法令上の信号場ではなかったが[1]、2003年10月に上野駅の電子連動化に伴い上野駅構内から分離され、現名称に改められた。

これに伴い上野~尾久間は1区間から上野~井堀信号場と井堀信号場~尾久間の2区間に変更され、出発及び場内信号機等の名称も変更されている。

信号扱いについては、井堀信号場は上野駅から遠隔制御される被制御駅であるが、通常は東京圏輸送管理システム(ATOS)により自動制御されている。

沿革[編集]

それまで日暮里駅構内にあった平面交差を解消する日暮里-尾久立体交差化の一環として、東京起点6.8 km(井堀第1)で上野駅高架ホーム線及び地平ホーム線から尾久客車区(現尾久車両センター)入出区線の分岐合流を、東京起点7.9 km(井堀第2)で上野駅高架ホーム線及び地平ホーム線の合流分岐をそれぞれ行うこととし、ヨンサントオ直前の昭和43年(1968年9月29日に使用開始された[3]

なお、東日本旅客鉄道の列車ダイヤ[4]では、東京起点6.6 kmとされている。

構造[編集]

下り線は井堀信号所にて上野駅高架ホーム線+地平ホーム線から尾久入庫線を分岐するとともに高架ホーム線と地平ホーム線が合流し、上り線はその逆の構造となっている。 上り出区線が上り高架ホーム線と2回交差する特異な形態は、用地を節約するためである[5]

井堀信号場 配線図
尾久車両センター

上野駅
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尾久駅
凡例
出典:『鉄道ピクトリアル』2006年11月号、p.40とp.41の間の折り込み。

脚注[編集]

  1. ^ a b 岩成政和「信号場と信号所」、『鉄道ピクトリアル』(電気車研究会)2013年11月号p.18
  2. ^ 東日本旅客鉄道「東北本線・高崎線・上越線列車ダイヤ」(平成20年3月15日改正、鉄道博物館運転士体験教室所蔵)では、信号場を示す○と×を組み合わせた記号を添えた「井堀」の停車場線が示されている。
  3. ^ 山田亮「「43-10」改正当時の鉄道事情と世相を探る」、『鉄道ピクトリアル』、2005年1月号別冊「アーカイブスコレクション 7」p.12。
  4. ^ 前出「東北本線・高崎線・上越線列車ダイヤ」。
  5. ^ 祖田圭介「上野駅をめぐる線路配線 今昔」、『鉄道ピクトリアル』2006年11月号、p.54

関連項目[編集]

座標: 北緯35度44分6.9秒 東経139度45分57.6秒 / 北緯35.735250度 東経139.766000度 / 35.735250; 139.766000