ロレンツォ・ムゼッティ

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ロレンツォ・ムゼッティ
Lorenzo Musetti
2023年モンテカルロ・マスターズでのロレンツォ・ムゼッティ
基本情報
国籍 イタリアの旗 イタリア
出身地 同・トスカーナ州マッサ=カッラーラ県カッラーラ
生年月日 (2002-03-03) 2002年3月3日(22歳)
身長 185cm
体重 78kg
利き手
バックハンド 片手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2019年
ツアー通算 2勝
シングルス 2勝
ダブルス 0勝
生涯獲得賞金 4,681,289 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 2回戦(2024)
全仏 4回戦(2021)
全英 3回戦(2023)
全米 3回戦(2022)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 1回戦(2022)
全仏 1回戦(2021)
全英 1回戦(2022)
全米 1回戦(2022)
国別対抗戦最高成績
デビス杯 優勝(2023)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 15位(2023年7月26日)
ダブルス 273位(2023年12月11日)
2024年2月26日現在

ロレンツォ・ムゼッティLorenzo Musetti, イタリア語発音: [l̺oˈr̺en̪t̪͡s̪o muˈz̪et̪ːi]; 2002年3月3日 - )は、イタリアトスカーナ州カッラーラ出身の男子プロテニス選手。ATPツアーでシングルス2勝を挙げている。ATPランキング自己最高位はシングルス15位、ダブルス273位。身長185cm、体重78kg。右利き、バックハンド・ストロークは片手打ち。

選手経歴[編集]

ジュニア時代[編集]

2002年3月3日にイタリア大理石生産業に従事する父フランシスコと秘書をしている母サブリナの元に生まれた。4歳のときにテニスを始めて、シモーネ・タルタリーニの指導を受けていた。憧れていた選手はロジャー・フェデラーだった。

2017年 ツアー参戦[編集]

2017年7月にポンテデーラで行われたITF M15でプロ大会デビュー。

2018年 全米ジュニア準優勝[編集]

2018年全米オープンジュニア男子シングルス英語版の決勝で、チアゴ・ザイボチ・ヴィウチに1-2で敗れ準優勝。

2019年 ジュニア世界1位 プロ転向[編集]

2019年全豪オープンジュニア男子シングルス英語版の決勝で、エミリオ・ナヴァ英語版を2-1で下し優勝[1]。同年2月のベルガモ英語版チャレンジャー初出場。6月にITFジュニア世界ランキング1位となった。10月にはアンタルヤで行われたITF M15でプロレベルで初となる優勝を果たした。年間最終ランキングは360位。

2020年 チャレンジャー初優勝[編集]

2020年全豪オープングランドスラム予選に初出場し、シングルス予選1回戦でウェイントラウブ英語版を2-0、予選2回戦でコピルを2-1で下したが、予選3回戦でフリークスポール英語版に0-2で敗れた。2月のドバイで予選を勝ち抜き、ATPツアー本戦進出を果たした[2]。本戦1回戦はアンドレイ・ルブレフに0-2で敗れた。

9月のローマで予選を勝ち抜き、ATPマスターズ1000で初めて本戦進出を果たす。1回戦でスタン・ワウリンカを2-0で下しATPツアー初勝利。2回戦も錦織圭を2-0で下したが、3回戦でドミニク・ケプファーに0-2で敗れた。翌週行われたフォルリ英語版のシングルスで、ガバシュビリティアフォーセッピ、、モンテイロ英語版らを下し、チャレンジャー初優勝を挙げた。年間最終ランキングは128位。

2021年 トップ100入り[編集]

全豪オープンでは予選1回戦でボーティック・ファン・デ・ザンスフルプに6-3, 1-6, 4-6で敗れた。同月のアンタルヤ1英語版で2回目のチャレンジャー決勝進出を果たしたが、ハウメ・ムナールに敗れ準優勝。2月のビエッラ2英語版で3回目のチャレンジャー決勝となったが、權順宇に2-6,3-6のストレートで敗れ準優勝。3月のメキシコ・オープンで予選を勝ち抜き本戦進出。1回戦で第3シードで当時ランキング9位のディエゴ・シュワルツマンと対戦、6-3, 2-6, 6-4で下し、対トップ10初勝利を挙げた。2回戦でフランシス・ティアフォー、準々決勝でグリゴール・ディミトロフらを下して、ベスト4入り。準決勝ではステファノス・チチパスに1-6, 3-6のストレートで敗れた。マイアミ・オープンでは3回戦でマリン・チリッチに6-3, 6-4のストレートで敗れた。

2021年全仏オープンでのロレンツォ・ムゼッティ

モンテカルロ・マスターズではアスラン・カラツェフに3-6, 4-6のストレートで初戦敗退。バルセロナ・オープンではフェリックス・オジェ=アリアシムに6-4, 3-6, 0-6で敗れた。マドリード・オープンでは予選敗退。ローマ・マスターズではホベルト・ホルカシュ戦で4-6, 0-2の時点で相手の途中棄権で初戦突破。2回戦ではライリー・オペルカに4-6, 4-6のストレートで敗退。リヨン・オープンではベスト4入りするも、またしてもチチパスに6-4, 3-6, 0-6で敗れた。全仏オープンではノバク・ジョコビッチに7-6(7), 7-6(2), 1-6, 0-6, 0-4の時点で途中棄権するも、当時世界ランキング1位かつ第1シード相手に2セット先取する奮闘を見せる活躍ぶりを見せる。ウィンブルドン選手権では第14シードのホルカシュにストレートで初戦敗退。

ウエスタン・アンド・サザン・オープンではケビン・アンダーソンに予選敗退。全米オープンでは2回戦でオペルカにストレートで敗退。BNPパリバ・オープンではアルベルト・ラモス=ビノラスに6-1, 6-3のストレートで初戦敗退。

ネクストジェネレーション・ATPファイナルではユーゴ・ガストンを4-2, 4-2, 2-4, 3-4, 4-2で下すも、セバスティアン・バエスに1-4, 1-4, 4-3, 3-4、セバスチャン・コーダに4-2, 4-3, 4-2で敗れ、ラウンドロビン敗退。年間最終ランキングは59位。

2022年 ツアー初優勝 デビス杯ベスト4[編集]

全豪オープンでは初の本戦入りするも、1回戦で第32シードのアレックス・デミノーに6-3, 3-6, 0-6, 3-6で敗れた。ABNアムロ・オープンでは初のATPツアー・500シリーズでベスト8入り。BNPパリバ・オープンでは2回戦でライリー・オペルカに敗れた。マイアミ・オープンではアレクセイ・ポピリンに初戦敗退。

2022年モンテカルロ・マスターズでのロレンツォ・ムゼッティ

モンテカルロ・マスターズでは3回戦でディエゴ・シュワルツマンに敗退。バルセロナ・オープンでもシュワルツマンに3回戦敗退。マドリード・オープンでは予選を通過して、3回戦まで進出するも、アレクサンダー・ズベレフ戦を3-6, 0-1の時点で途中棄権した。全仏オープンでは1回戦で第4シードかつ昨年の準優勝者であるステファノス・チチパスに7-5, 6-4, 2-6, 3-6, 2-6の2セットを先取する活躍をするも、フルセットの熱戦の末に初戦で姿を消した。その後開催されたATPチャレンジャーフォルリ6ではATPチャレンジャーツアー4勝目を挙げた。

ウィンブルドン選手権では1回戦で第11シードのテイラー・フリッツに4-6, 4-6, 3-6のストレートで敗れた。ドイツ国際オープンでは決勝でカルロス・アルカラスを6-4, 6-7(6), 6-4で破り、ツアー初優勝を果たした。ウエスタン・アンド・サザン・オープンではボルナ・コリッチに初戦敗退。全米オープンでは第26シードとして出場し、1回戦ではダビド・ゴファンを3-6, 7-5, 6-4, 3-6, 7-6(9)のフルセットの末に勝利を収めた。ソフィア・オープンとフィレンツェ・オープンでベスト4入りをする好調ぶりを見せ、そして、ナポリ・オープンでは決勝で決勝で同胞のマッテオ・ベレッティーニを7-6(5), 6-2のストレートで勝利し、ツアー2勝目を挙げた。パリ・マスターズではベスト8入りして、準々決勝でノバク・ジョコビッチに0-6, 3-6で完敗した。

ネクストジェネレーション・ATPファイナルでは第2シードとして出場する。グループステージでは第6シードの曾俊欣を4-2, 4-2, 4-2で破るも、第7シードのドミニク・シュトリッカーに3-4(5), 3-4(6), 4-3(7), 4-3(6), 3-4(3)で惜敗。そして第3シードのジャック・ドレイパー1-4, 0-4, 3-4(3)で敗れ、ラウンドロビン敗退。

デビスカップ2022にはイタリア代表とした出場。マッテオ・ベレッティーニヤニック・シナーが欠場したため、実質2番手として参戦し、アメリカ代表テイラー・フリッツに6-7(8), 3-6で敗れるも、チームはベスト4入り。準決勝のカナダ代表戦ではフェリックス・オジェ=アリアシムに3-6, 4-6で敗れ、シーズン終了。年間最終ランキングは23位。

2023年 デビス杯初優勝 ユナイテッド杯準優勝 トップ15入り[編集]

開幕戦となったユナイテッド・カップでは決勝進出。と対決したが、右肩の負傷により、第1セット2-6が終了した時点で右肩の負傷により途中棄権して、アメリカ代表に敗れ、チームは準優勝。

全豪オープンでは第17シードとして出場するも、ロイド・ハリス英語版に4-6, 1-6, 7-6(0), 6-2, 6-7(4)のフルセットの熱戦の末に初戦敗退。

モンテカルロ・マスターズでは1回戦でミオミル・ケツマノビッチに7-6,6-0で、2回戦ではルカ・ナルディ英語版にダブルベーグルで勝利した。続く3回戦では世界1位のノバク・ジョコビッチにで、4度目の挑戦で初白星(4–6, 7–5, 6–4)を挙げ、マスターズ2度目のベスト8入りを果たした。

2023年モンテカルロ・マスターズでのロレンツォ・ムゼッティ

全仏オープンでは3回戦でノリ―に勝利し、2年ぶりに自身2度目の4回戦進出。4回戦ではカルロス・アルカラスに敗れた。

ATPツアー決勝進出結果[編集]

シングルス: 2回 (2勝0敗)[編集]

大会カテゴリ
グランドスラム (0–0)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (0–0)
ATPツアー500 (1–0)
ATPツアー250 (1–0)
サーフェス別タイトル
ハード (1–0)
クレー (1–0)
芝 (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2022年7月24日 ドイツの旗 ハンブルク クレー スペインの旗 カルロス・アルカラス 6–4, 6–7(6), 6–4
優勝 2. 2022年10月 イタリアの旗ナポリ ハード イタリアの旗 マッテオ・ベレッティーニ 7–6(5), 6–2

成績[編集]

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

シングルス[編集]

グランドスラム大会[編集]

大会 2020 2021 2022 勝-敗
全豪オープン Q3 Q1 1R 0–1
全仏オープン A 4R 1R 3-2
ウィンブルドン選手権 NH 1R 1R 0–2
全米オープン A 2R 1-1

大会最高成績[編集]

大会 成績
ATPファイナルズ A 出場なし
インディアンウェルズ 3R 2024
マイアミ 4R 2024
モンテカルロ QF 2023
マドリード 3R 2022
ローマ 4R 2023
カナダ 3R 2023
シンシナティ 2R 2023
上海 2R 2023
パリ QF 2022
オリンピック 2R 2021
デビスカップ W 2023
ATPカップ A 出場なし
ユナイテッド・カップ F 2023
Next Gen ATPファイナルズ RR 2021, 2022

ATPチャレンジャー・ITFフューチャーズ決勝[編集]

シングルス:3勝2敗[編集]

記録
ATPチャレンジャーツアー (1–2)
ITFフューチャーズ (2–0)
結果 日時 トーナメント サーフェス 相手 スコア
優勝 2019年10月 トルコの旗 M15 アンタルヤ クレー トルコの旗 Fabian Marozsan 7–5, 6–2
優勝 2019年10月 トルコの旗 M15 アンタルヤ クレー ロシアの旗 Ronald Slobodchikov 6–4, 6–1
優勝 2020年10月 イタリアの旗 フォルリ クレー ブラジルの旗 チアゴ・モンテイロ英語版 7–6, 7–6
準優勝 2021年1月 トルコの旗 アンタルヤ1 クレー スペインの旗 ハウメ・ムナール 7–6(9-7), 2-6, 2-6
準優勝 2021年2月 イタリアの旗 ビエッラ ハード (屋内) 大韓民国の旗 クォン・スンウ 2-6, 3-6

ジュニアグランドスラム決勝[編集]

シングルス:2戦1勝[編集]

結果 トーナメント サーフェス 相手 スコア
準優勝 2018年英語版 アメリカ合衆国の旗 全米オープン ハード ブラジルの旗 チアゴ・ザイボチ・ヴィウチ 1–6, 6–2, 2–6
優勝 2019年英語版 オーストラリアの旗 全豪オープン ハード アメリカ合衆国の旗 エミリオ・ナヴァ英語版 4–6, 6–2, 7–6(14–12)

脚注[編集]

  1. ^ No. 1 seeds claim the junior trophies” (英語). ausopen.com (2019年1月26日). 2019年1月28日閲覧。
  2. ^ Lorenzo Musetti s'habille comme une référence pour la génération 2002” (フランス語). 2020年2月23日閲覧。

外部リンク[編集]