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チオシアン酸水銀(II)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロダン水銀から転送)
チオシアン酸水銀(II)
Mercury(II) thiocyanate
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識別情報
CAS登録番号 592-85-8
特性
化学式 Hg(SCN)2
モル質量 316.79 g/mol
外観 白色の単斜晶系結晶
密度 3.71 g/cm3、固体
融点

165℃で分解

への溶解度 0.070 g/100 mL
希塩酸への溶解度 可溶[1]
危険性
NFPA 704
1
3
1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

チオシアン酸水銀(II)(チオシアンさんすいぎん、: Mercury(II) thiocyanate)は二価の水銀チオシアン酸塩で、化学式Hg(SCN)2で表される無機化合物

性質

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ブドウ糖などを補助燃料として点火すると分解し、蛇花火のように膨張する[2]。この時に発生する水銀蒸気は有毒である。

熱分解の反応式は、

4 Hg(SCN)2 → 4 HgS + 2 CS2 + 3 (CN)2 + N2

生成

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塩化水銀(II)などの二価の水銀化合物を、チオシアン酸カリウムなどのチオシアン酸塩溶液に混ぜるとチオシアン酸水銀(II)の沈殿を生じる。


他にも金属水銀硝酸を反応させて硝酸水銀にし、チオシアン酸カリウムチオシアン酸ナトリウムを硝酸水銀水溶液に水に混ぜたものを濾過することで生成できる

安全性

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日本の毒物及び劇物取締法では毒物に分類される。半数致死量(LD50)はラットへの経口投与で46mg/kg、ラットへの経皮投与で685mg/kg。ヒトの目や皮膚に刺激性があり、摂取すると腎臓中枢神経に中毒症状を及ぼす。グラスシュリンプの96時間半数致死濃度(LC50)は0.09mg/Lと、水生生物に対する毒性がある[3]

脚注

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  1. ^ Lide, David R. (1998), Handbook of Chemistry and Physics (87 ed.), Boca Raton, FL: CRC Press, pp. 4–70, ISBN 0849305942 
  2. ^ ぞわぞわする化学実験。チオシアン酸水銀(II)を分解させて謎生物を生み出してみた
  3. ^ 製品安全データシート(安全衛生情報センター)