フッ化水銀(I)

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フッ化水銀(I)
識別情報
CAS登録番号 13967-25-4
特性
化学式 Hg2F2
モル質量 439.177 g/mol
外観 黄色結晶
密度 8.73 g/cm3, 固体
融点

240 ℃(昇華)

沸点

570 ℃(分解)[1]

への溶解度 加水分解
危険性
EU分類 猛毒 (T+)
環境への危険性 (N)
Rフレーズ R26/27/28, R33, R50/53
Sフレーズ S13, S28, S45, S60, S61[2]
引火点 不燃性
関連する物質
その他の陰イオン 塩化水銀(I)
臭化水銀(I)
ヨウ化水銀(I)
その他の陽イオン フッ化亜鉛
フッ化カドミウム
フッ化水銀(II)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フッ化水銀(I)(フッかすいぎん いち、Mercury(I) fluoride)は、化学式が Hg2F2 と表される水銀フッ化物である。感光性のある黄色結晶である。

反応[編集]

フッ化水銀(I)は、フッ化水素炭酸水銀(I)によって合成される。水に溶かすと、金属水銀と酸化水銀(II)、フッ化水素に加水分解される。Swarts反応では、ハロゲン化アルキルをフッ化アルキルに変化させる[3]

2 R-X + Hg2F2 → 2 R-F + Hg2X2 (X = Cl, Br, I)

構造[編集]

Hg2F2 は、他の Hg(I) 化合物と同様に直線形の X-Hg-Hg-X 単位構造を持つ。Hg-Hg 結合は 251 pm で、金属水銀中の Hg-Hg 結合 300 pm より短くなっている。Hg-F 結合は 214 pm である。各 Hg は隣接する1個の Hg 原子と1個の F 原子、周囲の4個の F 原子と結合しており、この F 原子との結合は 272 pm となっている。全体的には八面体形構造である。この化合物はしばしば Hg22+ イオンと F- イオンからなるイオン性化合物であると言われる。

脚注[編集]

  1. ^ Perry, Dale L.; Phillips, Sidney L. (1995), Handbook of Inorganic Compounds, CRC Press, pp. 256, ISBN 0849386713, http://books.google.com/books?id=0fT4wfhF1AsC&pg=PA256&dq=%22Mercury(I)+fluoride%22&as_brr=3&sig=gKhgDP3XTuOVMwxPy6tRhQ2eMaQ 2008年6月17日閲覧。 
  2. ^ 339318 Mercury(I) fluoride technical grade”. Sigma-Aldrich. 2008年6月17日閲覧。
  3. ^ Beyer, Hans; Walter, Wolfgang; Lloyd, Douglas (1997), Organic Chemistry, Horwood Publishing, pp. 136, ISBN 1898563373, http://books.google.com/books?id=RXX2RaCplmAC&pg=PA136&dq=%22Mercury(I)+fluoride%22&as_brr=3&sig=RJdwPrOMITT5SrMjBs-jmf7JxWM 2008年6月17日閲覧。