ロスト・イン・ラ・マンチャ

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ロスト・イン・ラマンチャ』(Lost in La Mancha)は、テリー・ギリアムの映画『ドンキホーテを殺した男』(The Man Who Killed Don Quixote)の製作が暗礁に乗り上げた顛末を描いた2002年のドキュメンタリー映画。ナレーションはジェフ・ブリッジス

経緯[編集]

ギリアムおよび脚本の共同執筆者トニー・グリソーニは、セルバンテスの大作(『ドン・キホーテ』)をアレンジして独自のドン・キホーテ物語を作り上げようとした。たとえば、マーク・トウェインの小説『アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー』にヒントを得て大きな改変を加えた。映画では、サンチョ・パンサは最初にしか登場せず、21世紀から時間を遡ってやってきたトビー・グリソーニという人物と入れ替わる。その人物のことをドンキホーテがサンチョと勘違いする。

ドンキホーテというキャラクターは、ギリアムの作品に共通する多くのテーマ(「個人」対「社会」、「正気」の概念など)を体現している。そのためギリアムは、この映画の製作に非常な情熱を燃やしていた。撮影はすべてスペインおよびヨーロッパ全土で行われる予定であった。ドンキホーテ役にはジャン・ロシュフォールが起用され、ロシュフォールは7か月をかけて英語を学び準備をしていた。トビー役にジョニー・デップ、トビーが思いを寄せる女性にヴァネッサ・パラディが起用されていた。

『ロスト・イン・ラマンチャ』には、製作が始まってから明らかになった、この映画のスケジュールと予算面でのあやうさが描かれている。撮影初日、撮影隊は、近くにあるNATOの軍事演習所のせいで、屋外ロケが絶え間ない騒音に悩まされることを知る。ギリアムは、音声を後でダビングすることにして撮影を続行する。撮影2日目、洪水が発生して機材が損害を受ける。そればかりか、撮影が完了していないシーンがあるにもかかわらず、ロケ地の景観が恒久的に変化してしまう。

数日後、ロシュフォールが故障を抱えていることがわかる。ロシュフォールは椎間板ヘルニアと診断され、それ以降の出演が無理であることが明らかになる。それによって映画の製作に終止符が打たれ、保険会社が15,000,000ドルの保険金を支払うこととなった。現在『ドンキホーテを殺した男』の脚本は保険会社が所有している。

この映画は、かつて『12モンキーズ』のメイキングフィルム“The Hamster Factor and Other Tales of Twelve Monkeys”を撮ったKeith FultonとLouis Pepeがギリアム監督の支援を受けて製作した。

関連項目[編集]