リントヴルム
リントヴルム(ドイツ語: Lindwurm)は、主にドイツに伝わる伝説上のドラゴン。ワイバーンやアンフィスバエナと同じく、蝙蝠のような翼を持ち、2本の前足を持つ翼竜である。日本語ではリントブルム、リンドブルム、リンドヴルムとも呼ばれる。
オランダではチューブワーム(tubeworm)を意味する場合もある。Lindwurm の wurm とは「蟲」を意味するからである。
スカンディナヴィアでは海大蛇扱いにする場合が多い。スカンディナヴィアでは19世紀まで海大蛇のリントヴルムを目撃したという情報が絶えなかった。特に18世紀から19世紀にかけては遠洋漁業の漁師や水夫や乗客から海大蛇の目撃談が絶えなかった。したがってリントヴルムの姿は様々である。
デンマークではリントヴルムに相当する語は「レンオアム」(lindorm)である。文字通り英語の worm に相当する語である。レン(lin)はしなやかなという意味で、オアム(orm)とは蛇という意味である。dragon に当る drage (ドラーヴェ)と違い、レンオアムはスカンディナヴィア元来の竜である。北欧の竜伝承は元々翼のある竜はおらず、ジークフリードの竜退治伝承も、古代においては巨大な蛇の姿でルーン文字碑で描かれていたのである)[1]。当初のリントヴルムは空は飛べず、流星とは結びつけなかったのである。稲光や流星はリントヴルムが発した物なのではないかと言われるようになるのは時代が後になってからである。
ドイツやイギリスのリントヴルムの描写は主に尾は、鏃の様に尖っており、鰐の様に長い頭で鋭い牙を持つ。ただし、イギリスのリントヴルムは蝙蝠の翼を持たない姿も多く、それら翼を持たないリントヴルムは、リンドドレイク(Linddrake)とも呼ばれる。
ワイバーンやアンフィスバエナと同様、中世以降の紋章に描かれており、紋章学においては、「雄々しさ」、または「容赦なさ」を表していたという。
なお、白のリントヴルムを見たものは幸運が訪れるとも言う。
リントヴルムに関する伝説 [編集]
オーストリアのリントヴルムはクラーゲンフルト市の伝承が有名である。紋章にもなった。
1200年代からの別のドイツの物語。クラーゲンフルトの近くに住んでいたリントヴルムが川に沿って旅行者を襲い続けた。そして、河の主であるドラゴンの存在は脅威であった。 そこで、懸賞をつけたので街は大騒ぎとなり、何人かの青年が雄牛をチェーンに結んだと言って、リントヴルムが雄牛を飲み込んだ時に魚のように釣って殺したという。
- リントヴルム伝承でもっとも有名な 「リンドヴルム王子」については長いので別ページで扱う。
脚注 [編集]
- ^ 竹原威滋・丸山顯德編『世界の龍の話』三弥井書店(2002年)、p174-175。
関連項目 [編集]