リリスにおまかせ!

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

リリスにおまかせ!』は、麻宮楓・著、梱枝りこ・イラストによる日本のライトノベル電撃文庫アスキー・メディアワークス)より出版。第14回電撃小説大賞の最終選考作品のひとつだが、受賞はしていない。第14回最終選考に唯一残ったラブコメ作品である。シュレッダー寸前だったところを良心的な編集者によって出版にありつけたという。出版に当たって、大きく改変された[1]

ストーリー[編集]

神と悪魔の生存を賭けた全面戦争。神の勝利により悪魔サタンは長き年月の眠りにつき、21世紀を迎えた。サタンの魔力によって誕生した使い魔・リリスとともに悪戯同然の悪事を起こしながら、世界中に散らばる悪意を自らのエネルギーとして収集して完全な復活のために動いていた2人は、ひょんなことから愛沢悟と言う少年と出会うことになる。そんな彼にサタンは興味を持ち、リリスとともに晴嵐高校に双子として転入する。

登場人物[編集]

リリス 
1巻より初登場。一人称“わたし”[注釈 1]。身長160cm。体重45キロ。サタンの魔力によって誕生した使い魔。外見は15歳の少女。サタンに忠誠を誓う。1年3組。学校での名前は、「阿久野リリス(あくのりりす)」。主人(サタン)に褒められたりすると力加減を忘れ抱きしめてしまう癖がある。世間知らずなところがあり、「おとす(惚れさせる)」の意味を「オトす(気絶させる)」と解釈してしまい、悟を気絶させてしまったりとサタンを呆れさせてしまうこともしばしば。家事全般や勉学などさまざまな事をこなす。サタンの行動を勘違いしてしまうことが多々ある。近距離での戦闘を得意とする。
サタン
1巻より初登場。一人称“ワシ”。身長140cm。体重30キロ。外見は10歳くらいの見目麗しい金髪ツインテールの幼い女の子。1年3組。学校での名前は、「阿久野サタン(あくのさたん)」。見た目どおりの力しか出せないため、基本はリリスがいなければなにもできない。つまらないゲーム(クソゲー)にハマっており、毎日のように徹夜している。食事は、主に駄菓子ジャンクフード、体に悪そうな炭酸飲料。お風呂で髪を洗うときは、シャンプーハットをつけリリスに洗ってもらうが、体の前側は洗わせないようにしている。リリスに呆れたりもするが、心からリリスのことを信頼している。他人の一部(細胞など)を体内に取り込むことで、相手の情報を知ることが出来る。
サタン(復活)
1巻より初登場。一人称“オレ”。アスタロスのことを、“アっちゃん”と呼び、サタンのことを、“ゼブ”と呼んでいた。魔力で防御壁を作ったり、アスタロスを軽く倒してしまったりと力はとても強大。サタンが身に着けている指輪の中に眠っている。アスタロス戦では、指輪をつけたリリスの体を借りて復活した模様。
愛沢 悟(あいざわ さとる)
1巻より初登場。一人称“俺”。身長170cmくらい。目つきは悪いが正義感の強い少年。リリスやサタンのクラスメイト。麻美子と一緒に、公共のゴミ拾いなどの奉仕活動に取り組んでいる。麻美子のおせっかいなどによって、ひねくれた性格になってしまった。リリスたちのクラスの保健委員。中学のときに目つきが悪いからといってイチャモンをつけてくる人を追い返しているうちに、「狂犬・愛沢」と呼ばれるようになった。イエス・キリストの生まれ変わり。リリスに好意を抱いている。
宮坂 麻美子(みやさか まみこ)
1巻より初登場。一人称“私”。リリスたちのクラスメイトで悟の幼馴染。悟に好意を抱いている。典型的なツンデレ眼鏡っ娘。裸眼での視力は、0.001以下。リリスたちのクラスのクラス委員長をしている。本当の姿は、悟を守護する為、天界から派遣された天使。手から炎を出して戦う(ジャスティスファイヤー)。少々空気の読めないところがある。また、“ガブリエル子”として登場することもあるが、リリスや悟には気付かれていない。
井上 明日菜(いのうえ あすな)/アスタロス
1巻より初登場。一人称“あたし”。リリスたちの学校の保険医。年齢は二十代半ばくらい。適当な性格の持ち主。本当の姿は、英雄ソロモン王によって封じられた、七十二柱の悪魔の一人“アスタロス”。1600体もの悪霊を部下にしていて、とても強力な力を持っていたが、サタンによって力を根こそぎ奪われた(1600の悪霊は、消滅)。
ベリアル
2巻より初登場。“ワタクシ”。アスタロスと同様、英雄ソロモン王によって封じられた、七十二柱の悪魔の一人。ややウェーブのかかった赤い髪を腰まで伸ばしている。強大な魔力を持ち、「偉大なる公爵」とも「炎の王」とも呼ばれている。聖アルマロス学園に通っている。交流会のメンバーとして晴嵐高校にきた際にサタンと再会。サタンの変わりように失望し、勝負を挑むが完敗する。使い魔のカチューシャとアンクレットをいつも連れている。
カチューシャ
2巻より初登場。ベリアルの使い魔。一人称“わたし”。身長は150cmにみたないくらい。いつも無表情で感情が読めない。戦闘時は二丁の拳銃を使う。また、範囲も狭く、効果も小さいが、対象を選ばない「ホワイト・レイ」を使う(「ホワイト・レイ」にかかった者は、脳に異常を加えられ身体の一部を停止させられる。その際に前髪で隠れている右目を使う模様)。
アンクレット
2巻より登場。ベリアルの使い魔。一人称“私”。身長は、カチューシャと同様に150cmにみたないくらい。いつもニコニコと笑っている。戦闘力は極端に低く、戦闘時は多数の人間を操ることのできる「ブラック・レイ」を使う。(前髪で隠れている左目を使う模様)
御堂 ヒカル(みどう ヒカル)
3巻より初登場。一人称“僕”。1年7組。2学期が始まって海外短期留学に行っていたが、学期末に帰国した。『晴嵐の青い騎士』と呼ばれている。身長は、170cmより少し低いくらい。胸ポケットにいつも青いバラを挿している。文化祭での“ミス晴嵐”のビデオに出ていたリリスに一目惚れをして告白する。女子からの人気は高い模様。1年生にして晴嵐高校の生徒会長就任を成し遂げた。生徒会長としての手腕は皆に認められ、高い評価を受けている。フェンシングのジュニア代表候補にも選ばれていたが、本当は女の子。趣味は男装で校内では学ランを着ている。悟は、決闘が終わるまでヒカルが女であることに気がつかなかった。ジャンヌ・ダルクの生まれ変わり。
桐原 美緒(きりはら みお)
3巻より初登場。一人称“私”。ヒカルのクラスメイト。身長は、リリスより少し高いくらい。明るい性格をしている。晴嵐高校の生徒会書記。語尾に「にゃ」を付けることがある。サタンと同じくクソゲーが大好き。本当の姿は、ヒカルを守る守護者(天使)。電気の塊を相手に投げつけて攻撃する。サタンやリリスの正体は最初から知っていた様子。

サタンの666の必殺技[編集]

ギロチン・ラリアット
相手のノド元を狙って腕を引っ掛けて地面に叩きつける。
マジカル☆ドロップキック
小さく飛び上がり、両足を揃えて進行方向に向かって突き出す。
イミテーション・ペーパー
データを偽装する。(これによって晴嵐高校に転入)
レインボー・ボイス
七色の声色を使い分け、敵を惑わす。
スローリー・スロー
ジャンケンの時に、相手の手が明らかになるその瞬間に相手より少し遅れてから手を出す。(簡単に言えば“後だし”)
コンティニュー・コンビネーション
格ゲーの対戦で負けた後、他の人に介入される前に目にも止まらぬ速さでコインを投入し、負けた後も連続でゲームに参加する高度なテクニック。

クソゲーリスト[編集]

キリキリ・ナースベーダー
まな板の上のなすびを、延々と切り続けるゲーム。
ジャガイモ・トッタ君
ジャガイモの芽をひたすら削り取るゲーム。
ミスター・ピクルスの冒険
ハンバーガーの間に、手作業でピクルスを挟んでいくゲーム。
ショコラ行進曲
動物の形をしたビスケット菓子の背中の部分から、中にチョコを注入するゲーム。
オンリー・ロンリー・モグラッチ
穴が一つしかないもぐら叩きのゲーム。

書誌情報[編集]

  • 麻宮楓(著)、梱枝りこ(イラスト)『リリスにおまかせ!』アスキー・メディアワークス電撃文庫〉、全3巻
    1. 2008年6月10日初版 ISBN 978-4-04-867095-1
    2. 2008年9月10日初版 ISBN 978-4-04-867214-6
    3. 2008年12月10日初版 ISBN 978-4-04-867421-8

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 物語は、基本的にリリスの一人称で進む。

出典[編集]

  1. ^ 第1巻あとがきより。