ランゲ・アンド・ゾーネ

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ランゲ・アンド・ゾーネA. Lange & Söhne 発音例)は、ドイツに本拠地を有する高級時計ブランド。リシュモングループに属する。

ブランドの和名表記は現在「A.ランゲ & ゾーネ」。ドイツ語に近い表記は「ランゲ・ウント・ゼーネ」になる。

概要[編集]

ドイツのザクセン王国の宮廷時計師だったこともあるフェルディナント・アドルフ・ランゲ(Ferdinand Adolph Lange、1815年2月18日 - 1875年12月3日、以下F.A.ランゲ)は、貧困・失業対策としてグラスヒュッテ(現ザクセン州)および周辺の若者に、時計製造技術のノウハウを伝授した。ランゲの息子達が長ずると会社化(ランゲ・アンド・ゾーネという社名は「ランゲとその息子たち」の意)。これ以降、グラスヒュッテはスイスと並ぶ時計の一大生産地へと成長した。

第二次世界大戦中、グラスヒュッテは戦災に遭い、さらに戦後、ランゲ・アンド・ゾーネも含めたグラスヒュッテの時計メーカーは設備や資産を東ドイツ政府に接収され、グラスヒュッテ国営時計会社に統合された。

創業者ランゲから数えて4代目のヴァルター・ランゲ(Walter Lange)はフォルツハイムに時計工房を開いて1960年代にインターナショナル・ウォッチ・カンパニーと協力関係を作り、再興を意図するが、クォーツ・ショックにて頓挫した。

1990年の東西ドイツ統一時、自身も時計師としての経験を持つドイツの財閥マンネスマングループの鉄鋼部門の代表が「統一を記念してドイツ時計の最高峰を復活させよう」と傘下のインターナショナル・ウォッチ・カンパニーの社長に命じ、偶然にもマンネスマン傘下の企業に勤めていたヴァルター・ランゲを探し出しブランドが再建された。

現在はその再建を支援したインターナショナル・ウォッチ・カンパニーとともにリシュモングループ傘下のブランドである。

グラスヒュッテの伝統技法に基づいた時計づくり、ドイツのマイスターによる仕上げの美しさ、ステンレスモデルを出さない等の方針で高級時計メーカーと認知されており、ムーブメントも含めた自社一貫生産体制をとるメーカー(マニュファクチュール)としても地位を確立している。

歴史[編集]

  • 1815年 - ヨハン・フリードリヒ・グートケス(Johann Friedrich Gutkaes, 1785年-1845年8月8日)がドレスデンに工房を構えた。
  • 1830年 - F.A.ランゲがグートケスの工房に丁稚奉公に出た。
  • 1837年 - F.A.ランゲがグートケスに認められ、パリに旅行してオーストリア出身の時計師ヨーゼフ・タドイス・ヴィナール(Joseph Thaddäus Winnerl、1799年1月25日-1866年1月27日)の下で働いた。
  • 1840年 - F.A.ランゲがグートケスの工房に戻った。
  • 1845年12月7日 - F.A.ランゲはドレスデンからグラスヒュッテに移住しザクセン王国の支援を受け自分の工房A・ランゲ・ドレスデン(A. Lange Dresden)を創業した。
  • 1863年 - ハートカムを備えたクロノグラフ開発。
  • 1866年 - フルカレンダーとムーンフェイズを備える懐中時計型天文時計を発表。
  • 1868年 - F.A.ランゲの息子リヒャルト・ランゲ(Richard Lange、1845年12月17日-1932年10月29日)とフリードリヒ・エミール・ランゲ(Friedrich Emil Lange、1849年-1922年)兄弟が参加し、「A・ランゲ&ゾーネ・ドレスデン」(A. Lange & Söhne Dresden)に商号変更した。
  • 1895年 - マリンクロノメーター部門新設。
  • 1898年 - ドイツ帝国皇帝ヴィルヘルム2世より注文を受け、コンスタンチノープル公式訪問の際のオスマン帝国のスルタンアブデュルハミト2世へのプレゼントとして懐中時計を製作した[1]
  • 1908年 - パーペチュアルカレンダー、スプリットセコンドクロノグラフ、ミニッツリピーターを備えるグランドコンプリケーションウォッチを製造販売した。
  • 1924年 - ヴァルター・ランゲが生まれた。
  • 1945年5月8日 - 空襲により工場が被害を受ける。
  • 1948年4月20日 - 東ドイツ政府による接収を受け、グラスヒュッテ国営時計会社に統合される。
  • 1990年12月7日 - 10月3日ドイツ統一に伴いヴァルター・ランゲ(Walter Lange)により商号登記、商標登録を行ない再興される。

脚注[編集]

  1. ^ 現在トプカプ・サライ博物館にある。

外部リンク[編集]