マニュファクチュール
マニュファクチュールは、時計業界でムーブメント(時計の機械)から自社一貫製造するメーカーを指す業界用語。原語はフランス語の"Manufacture d'horlogerie"。
エタ等のムーブメント・メーカーからムーブメントを購入して時計を製造するエタブリスール(établisseur )の反対語。高度で幅広い技術を持っている証明とされ、セイコー、シチズン、ロレックス、ジャガー・ルクルト、ゼニス、ジラール・ペルゴ、パテック・フィリップ、ランゲ・アンド・ゾーネ等が知られる。
[編集] エタブリスールとの境界線
しかし上述したメーカーでも、全製品を自社ムーブメントで賄っているわけではなく自社製のムーブメントを使うラインと他社製のムーブメントを使うラインを分けているメーカーもある。特にクロノグラフに関してはロレックスやパテック・フィリップでも長らく外部供給に頼って来た。
また自社製を謳っていても他社製のムーブメントとの類似を指摘され流用を疑われる例がある。また逆に他社のムーブメントに大幅に改造を加えて搭載しているのにエタブリスールとして扱われているメーカーもある。
機械式時計の主要部品であるヒゲゼンマイなどは多くのマニュファクチュールでも自製できず、自社でヒゲゼンマイを製造していると公表している時計メーカーは決して多くない[1]。 ネジやヒゲゼンマイまで自社で生産する「完全なマニュファクチュール」と呼べるのは世界でただ一社、セイコーだけである[2]。また、シチズンも製造装置に始まりヒゲゼンマイ、ムーブメントに至るまでを自社生産しており、2010年5月に約30年ぶりの新型自社ムーブメントCal. 0910を発表したことに伴い、マニュファクチュール宣言をした。
近年はムーブメントの設計のみを行い[3]、製造は他社に任せるファブレス・マニュファクチュールも増えてきている。またノモスのように機械式時計黄金期のムーブメントの図面とその使用権を購入し再生産してマニュファクチュールを宣言する会社も存在する。
以上のようにエタブリスールとの間にはっきりした境界線はない。
[編集] 脚注
- ^ 自製したヒゲゼンマイを搭載した腕時計をラインナップしているメーカーの例としてはセイコー、ランゲ・アンド・ゾーネ、パルミジャーニ・フルリエなどがある。世界文化社『傑作腕時計年鑑2006』『同2007』の各ブランドの項目ないしムーブメント図鑑のページを参照。また、ロレックス、パテック フィリップ、ブレゲは2006年にシリコン製ヒゲゼンマイを共同開発し、一部の腕時計に搭載している。オメガも2007年にシリコン製ヒゲゼンマイを採用した自社ムーブを発表している。ほかには2007、2008年の各時計誌のスイス見本市特集号で自社ヒゲゼンマイを搭載するハインリッヒ・モーザーの腕時計が紹介されている
- ^ Pride of Japan 第2章 モノづくりが日本を豊かにする [1]
- ^ 設計を時計師に委託する場合もある