ホムンクルス (漫画)

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ホムンクルス』は、山本英夫による日本漫画。『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて2003年16号より2011年12号にかけて不定期連載された。単行本は小学館(ビッグコミックス)から全15巻が刊行されている。

あらすじ[編集]

新宿西口の一流ホテルとホームレスが溢れる公園の狭間で車上生活を送るホームレス・名越進は、医学生・伊藤学に出会い、報酬70万円を条件に第六感が芽生えるというトレパネーションという頭蓋骨に穴を開ける手術を受けることになった。その手術以降、名越は右目を瞑って左目で人間を見ると、異様な形に見えるようになった。伊藤によると「他人の深層心理が、現実のようにイメージ化されて見えているのではないか」と言い、彼はその世界をホムンクルスと名付けた。そして、名越は様々な心の闇を抱える人達と交流していく。

登場人物[編集]

名越 進(なこし すすむ)
本作の主人公。新宿の公園付近で車上生活を送るホームレスの男性。34歳。虚言癖がある為か、他のホームレスとは馴染めずにいる。伊藤から頭蓋骨の穴を開けるトレパネーションという手術を受けたことによって、トラウマに基づく深層心理が具象化した姿・ホムンクルスが見えるようになった。かつては外資系金融のエリートとして働いていた。ちなみに顔を整形しており、整形前の顔の記憶が一切なかった。
伊藤 学(いとう まなぶ)
不気味な医学生。1981年6月23日生まれの22歳。実家は病院を経営しており、裕福な家庭。名越に興味を持ち、彼にトレパネーション手術を施す。厳格な父親の元に行く時以外は派手なアクセサリーを身につけている。名越のホムンクルスの世界では、グッピーが映る水のかたまりをした人間として映る。小学生の頃に飼っていたグッピーを美の象徴として捉えて虜になり女装をしていたことがあったが、グッピーを父親に殺されたことがトラウマになっている。
組長(くみちょう)
本名不明。名越のホムンクルスの世界では、ロボに守られた少年として映る。新宿で小指詰めの組長として恐れられていたが、その真底には、少年の頃、農作業中に誤って友達の小指を鎌で刈ってしまった事によるトラウマがあり、懺悔の念を感じながらもそれを紛らわすために虚勢を張って(名越にはそれがロボに映った)やくざになってしまった過去を持っていた。76本の小指を刈ってきたが、名越との関わりを通じて罪と向き合い、やくざからの更生を決意する。そして77本目に自らの小指を刈ることで罪悪感から解放され、ロボも見えなくなった。代わりに、名越の左腕にロボットが移ってしまうのだった。
ユカリ
渋谷ブルセラ店で1775のナンバーを下げて、商品として売られていた女子高生で、当初は名越らから1775(いちななななご)と呼ばれていた。名越のホムンクルスの世界では、砂の人間として映る。両親はいわゆるマニュアル世代に生まれてきた人間で、厳しい教育として彼女に対して過剰なまでのしつけを行った結果、彼女は自失の状態となる。作中では、万引きのドサクサにまぎれて伊藤に連れて行かれ「初体験の相手をする」といわれるも、カラオケボックスで暴言を吐いて一蹴。その後名越によって車で自宅へ送られるも、車内に携帯を忘れて名越に持ってこさせた。その後名越と着衣状態で行為に及ぶ。
ケンさん
新宿の公園でホームレスをしている男性。名越に気をかけて、捨てられた毛布やタオルを拾って渡したり、銭湯をおごられたりしている。人員整理の際にリストラになったらしい。
イタさん
新宿の公園でホームレスをしている元料理人。ホームレスたちが集めた食材を上手く調理している。朝に公園に鳥に餌やりをしている。名越のホムンクルスの世界では、球状の液体として映る。名越の透視によって、中学卒業後にはやくも板前の道に入ったこと、店の看板娘と結婚したこと、その妻の夭折、そして店の後輩板前とのトラブルで傷害事件を起こして拘留されたことによって娘に迷惑を掛けてしまった事への自責の念からホームレスになった事が判明。名越と帰還の約束を結ぶが、直後に思いつめて公園で首つり自殺して果てた。
伊藤の父
脳神経外科病院を経営している医者。入院中で死期が近づいているが、その事を息子の学に隠していた。
七瀬ななこ
名越の元恋人。名越が整形手術を受ける前に交際していた。他人の心を読み取り、スケッチに絵で描写する能力を持つ。
ななみ
名越が外資系金融に務めていた頃に知り合った虚言癖のある女性。名越と同様、顔を整形しており金や物だけを信じている。ホームレスになった名越に執拗に付きまとい、名越から整形したななこではないかと思い込まれる。実際は別人だが、過去に「さとし」という男に捨てられた経験があるため、名越と共鳴してトレパネーションを受けることになる。

用語[編集]

ホムンクルス
本項では、作中の用語について解説する。伊藤からの手術を受けた名越が、右目を瞑って左目を見た時に見える世界。その世界では、人間が異形の姿に見えるが、それは本人のトラウマに基づく深層心理が具象化したものである。


関連項目[編集]