ブルガス (競走馬)

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ブルガス
原語表記 Burgas
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛[1]
生誕 2018年3月5日[1]
King David
Thisbe
母の父 Yavuzstar
生国 トルコの旗 トルコ
生産者 Fedai Kahraman[1]
馬主 Vedat Sönmez
→Sanem Kahraman
→Fedai Kahraman
→Sanem Kahraman[2]
調教師 Tevfik Baldakcı
→Kadir Baltacı[2]
競走成績
タイトル トルコ年度代表馬(2021年)
最優秀3歳牡馬(2021年)
最優秀ステイヤー(2021年)
最優秀4歳以上牡馬(2022年)[3]
生涯成績 28戦16勝[2]
獲得賞金 14,702,860トルコリラ[2]
勝ち鞍 ガジ賞ほかトルコ国内G1を7勝[2]
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ブルガス(Burgas)は、トルコ競走馬。主な勝ち鞍は2021年ガジ賞アンカラ賞トルコ大統領賞2022年ハリチ賞トルコジョッキークラブ賞2023年アヴラシア賞ファーティフ・スルタン・メフメト賞(すべてトルコ国内G1)[2]

日本からアメリカ種牡馬として輸出されたハットトリックの孫に当たる[4]

馬名の由来は、ブルガリアの地名(ブルガス)。生産者のフェダイ・カフラマンと馬主のサネム・カフラマンの夫妻はトルコに移民したブルガリア・トルコ人出身であり、出身地にあるブルガスという名前の激流で知られる川のような競走馬になることを期待して名付けた[5]。本馬が2022年ドバイシーマクラシックに出走した際に日本中央競馬会(JRA)の海外競馬発売では馬名が英語の発音に近い「バーガス」とカタカナ表記されたが[6]、本稿では馬名の由来であり、トルコ語の発音にもより近い「ブルガス」のカタカナ表記[7]を用いる。

戦績[編集]

2歳(2020年)[編集]

2020年10月17日アンカラ75年競馬場の条件競走マニラ賞(芝1200m)でデビュー。2戦目の未勝利戦(芝1400m)で勝ち上がり、3戦1勝(2着2回)の成績を残した[2]

3歳(2021年)[編集]

3月にアダナイェシロバ競馬場で春シーズンを開始し、A3(オープン競走)テンデュレク賞(芝1800m)に優勝。4月からイスタンブールヴェリエフェンディ競馬場に転戦し、3連勝で三冠競走の初戦G1エルケック・タイ・デネメ(トルコ2000ギニー。芝1600m)に2番人気で臨んだが、先頭から2馬身差の4着に敗れた[2]

翌6月、ガジ賞(トルコダービー)前哨戦のG2メフメト・アーキフ・エルソイ賞(アンカラ・芝2200m)1着を経て、6月26日のG1ガジ賞(イスタンブール・芝2400m)に2番人気で出走[2]。道中では中団前寄りの最内を進んだブルガスは、直線の入り口で外に持ち出されると末脚を伸ばして最後の200メートルで先頭に立ち、後方から追い込んだ1番人気リアルランナー(Real Runner)を1馬身半差で押さえて1着でゴールした[4]

映像外部リンク
2021年 ガジ賞|TJK TV

オーナーブリーダーのカフラマン牧場は2018年のガジ賞に優勝したヘップベラーベル(Hep Beraber)以来4年ぶり2回目の優勝。騎乗したアフメット・チェリク騎手はガジ賞7年連続優勝の大記録を樹立した[8]

9月25日、三冠競走最後のG1アンカラ賞(トルコセントレジャー。アンカラ・芝2800m)に出走し、6頭立ての道中2番手から直線で先頭に立つと、リアルランナーの追い込みを再び頭差で押さえて勝利、2冠を達成した[9]

10月30日、秋シーズン最後の世代混合G1トルコ大統領賞(アンカラ・芝2400m)に出走し、このレースを2連勝中の5歳馬ロングランナー(Long Runner)を破って世代交代を果たした[2]

2021年シーズンは9戦7勝の成績を残し、三冠を逃したものの2400mから2800mの中長距離でトルコ国内G1競走に3勝して同年のトルコ年度代表馬、最優秀3歳牡馬、最優秀ステイヤーに選出された[3]

4歳(2022年)[編集]

2022年のドバイワールドカップカーニバルに選出され、1月15日アラブ首長国連邦ドバイメイダン競馬場に遠征[10]2月25日の国際G3ドバイミレニアムステークス(芝2000m)に出走し、先頭から4馬身差の4着に入った[11]

3月5日の国際G2ドバイシティーオブゴールド(芝2410m)は回避し[12]3月26日の国際G1ドバイシーマクラシック(芝2410m)に出走。大外発走から中団の外につけ、第3コーナーから押して先頭に取りつこうとする理想的な展開でレースを進めたが、ポジショニングに力を使い切ったブルガスは直線でラストスパートに入った外国馬についていくことができず失速[13]。低評価(JRAの海外競馬発売では15頭立ての15番人気[6])を覆せず、1着でゴールした日本のシャフリヤールから9馬身半離された14着に終わった[11]

トルコへの帰国初戦、6月26日にガジ賞と同日に行われるG1ハリチ賞(イスタンブール・芝1600m)に優勝。夏から秋にかけて走り続け、9月25日の世代混合G1トルコジョッキークラブ賞(イスタンブール・芝2400m)にも勝ったが、前年に勝利したG1トルコ大統領は3歳の2冠馬ファイナルダンス(Final Dance)に半馬身差で敗れ2着だった[2]

2022年シーズンは8戦3勝(2着3回)とドバイ遠征の2戦を除いて安定した成績を残し、同年の最優秀4歳以上牡馬に選出された[3]

5歳(2023年)[編集]

春シーズンを4月から開始し、5連勝で7月の中距離G1アヴラシア賞(イスタンブール・芝2000m)、8月のマイルG1ファーティフ・スルタン・メフメト賞(イスタンブール・芝1600m)に快勝した[2]

次走9月3日の国際G2ボスポラスカップ(イスタンブール・芝2400m)に1.05倍の圧倒的一番人気で出走するが、レース中に疾病を発症して伸びを欠き、最後の200mで騎手が追うのを止めて出走5頭(6頭立て・1頭発走除外)中最下位の5着[14]。その後G1トルコジョッキークラブ賞、トルコ大統領に出走するが2着、3着と敗れた[2]

競走成績[編集]

以下の内容は、トルコジョッキークラブ の競走結果データベース[2]の情報に基づく。競走の格が太字のものは国際グループ競走、それ以外はトルコ国内の格付け(トルコ国内格付けのグループ競走は国際的にはグループ競走ではないブラックタイプ)。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場) 頭数 馬番 オッズ(人気) 着順 タイム 着差 騎手 斤量 [kg] 1着馬(2着馬)
2020.10.17 0アンカラ0 マニラ賞 条件1 0芝1200m(良) 12 2 005.65(3人) 02着 R1:12.53 0-0.47 0G. Kocakaya 57 CAN REİS
0000.11.05 0アンカラ0 未勝利 0芝1400m(稍) 13 1 002.80(1人) 01着 R1:26.36 0-0.38 0A. Çelik 57 (THE PLUCKY)
0000.11.15 0アンカラ0 条件4 0芝1400m(良) 6 1 003.25(2人) 02着 R1:17.77 0-0.02 0M.G. Arslan 55 BIG SUR
2021.03.02 0アダナ0 条件5 0芝1800m(良) 10 3 003.50(2人) 01着 R1:49.58 0-0.08 0A. Çelik 55 (MANDALORIAN)
0000.03.20 0アダナ0 テンデュレク賞 A3 0芝1800m(良) 12 2 003.05(2人) 01着 R1:50.50 0-0.46 0A. Çelik 58 (SKYLINE)
0000.04.18 0イスタンブール0 サドゥク・エリイェシル賞 KV-9 0芝1900m(良) 10 2 001.45(1人) 01着 R1:56.60 0-0.48 0A. Çelik 58 (BERKEN)
0000.05.16 0イスタンブール0 エルケック・タイ・デネメ G1 0芝1600m(良) 19 4 004.20(2人) 04着 R1:35.49 0-0.27 0A. Kurşun 58 ANADOLU ASLANI
0000.06.05 0アンカラ0 メフメト・アーキフ・エルソイ賞 G2 0芝2200m(良) 8 3 002.05(1人) 01着 R2:17.44 0-0.58 0A. Çelik 58 (ANADOLU ASLANI)
0000.06.26 0イスタンブール0 ガジ賞 G1 0芝2400m(良) 22 3 003.30(2人) 01着 R2:27.36 0-0.17 0A. Çelik 58 (REAL RUNNER)
0000.09.05 0イスタンブール0 ボスポラスカップ G2 0芝2400m(良) 10 9 002.20(1人) 04着 R2:30.07 0-0.36 0A. Çelik 56.5 ZAFER ATEŞİ
0000.09.25 0アンカラ0 アンカラ賞 G1 0芝2800m(良) 6 2 001.70(1人) 01着 R3:02.28 0-0.02 0A. Çelik 58 (REAL RUNNER)
0000.10.30 0アンカラ0 トルコ大統領賞 G1 0芝2400m(良) 13 11 003.45(2人) 01着 R2:29.23 0-0.35 0A. Çelik 56 (LONG RUNNER)
2022.02.25 0メイダン0 ドバイミレニアムS G3 0芝2000m(良) 12 8 04着 0H. Karataş 58.5 ROYAL FLEET
0000.03.26 0メイダン0 ドバイシーマクラシック G1 0芝2410m(良) 15 10 14着 0A. Çelik 56.5 SHAHRYAR
0000.06.26 0イスタンブール0 ハリチ賞 G1 0芝1600m(良) 7 2 005.10(4人) 01着 R1:36.12 0-0.09 0A. Çelik 58 (EGREGIOUS ROCK)
0000.07.24 0イスタンブール0 アヴラシア賞 G1 0芝2000m(良) 9 5 001.75(1人) 02着 R2:02.73 0-0.01 0A. Çelik 58 YAMANLARBEYİ
0000.08.12 0イスタンブール0 ジェラル・バヤル賞 G2 0芝2400m(良) 5 2 001.10(1人) 01着 R2:29.51 0-0.66 0H. Karataş 58 (ZAFER ATEŞİ)
0000.09.04 0イスタンブール0 ボスポラスカップ G2 0芝2400m(良) 9 1 001.60(1人) 02着 R2:31.11 0-0.39 0H. Karataş 60 MAXIMUS BOY
0000.09.25 0イスタンブール0 トルコジョッキークラブ賞 G1 0芝2400m(良) 8 3 001.50(1人) 01着 R2:31.97 0-0.73 0H. Karataş 60 (ZAFER ATEŞİ)
0000.10.29 0アンカラ0 トルコ大統領賞 G1 0芝2400m(良) 9 1 001.35(1人) 02着 R2:30.13 0-0.07 0H. Karataş 60 FINAL DANCE
2023.04.29 0アンカラ0 世界獣医師の日賞 A3 0芝1900m(良) 6 2 001.35(1人) 01着 R1:55.82 0-0.04 0V. Abiş 59.5 (ZALA BEY)
0000.05.31 0イスタンブール0 イスメト・イノニュ賞 G2 0芝2000m(良) 6 1 001.65(1人) 01着 R2:04.05 0-0.08 0V. Abiş 59.5 (GO HERO)
0000.07.08 0アンカラ0 フェヴズィ・チャクマク賞 G2 0芝1900m(良) 6 5 001.05(1人) 01着 R1:54.78 0-0.31 0V. Abiş 59.5 (NATIVE POWER)
0000.07.23 0イスタンブール0 アヴラシア賞 G1 0芝2000m(良) 6 1 001.35(1人) 01着 R2:02.63 0-0.22 0V. Abiş 58.5 (GO HERO)
0000.08.13 0イスタンブール0 ファーティフ・スルタン・メフメト賞 G1 0芝1600m(良) 7 2 001.20(1人) 01着 R1:37.25 0-0.33 0V. Abiş 58 (TRACTOR)
0000.09.03 0イスタンブール0 ボスポラスカップ G2 0芝2400m(良) 6 2 001.05(1人) 05着 R2:34.17 0-5.13 0V. Abiş 60 GO HERO
0000.09.24 0イスタンブール0 トルコジョッキークラブ賞 G1 0芝2400m(良) 7 2 001.45(2人) 02着 R2:32.36 0-0.98 0V. Abiş 60 GO HERO
0000.10.28 0アンカラ0 トルコ大統領賞 G1 0芝2400m(良) 13 3 001.50(2人) 03着 R2:28.53 0-0.43 0V. Abiş 60 TAYLOLO
  • 競走成績は2023年10月28日現在

血統表[編集]

ブルガス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヘイロー系
[§ 2]

King David
2009 黒鹿毛
父の父
ハットトリック
2001 青鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*トリッキーコード Lost Code
Dam Clever
父の母
Storm West
1997 黒鹿毛
Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Storm Atack Storm Bird
Hortensia

Thisbe
2010 鹿毛
Yavuzstar
2001 鹿毛
Distant Relative Habitat
Royal Sister
Cindy I My Volga Boatman
Şermin
母の母
Rafia
2004 栗毛
Ramadan Rainbow Quest
Broad Halo
Sabırlı Kadın Catrail
Sense of Honour
母系(F-No.) (FN:F1-n) [§ 3]
5代内の近親交配 Halo 4x5 [§ 4]
出典
  1. ^ BURGAS” (トルコ語). Yüksek Komiserler Kurulu. 2023年6月28日閲覧。
  2. ^ Burgas”. netkeiba.com. 2023年6月28日閲覧。
  3. ^ Sense of Honour(USA)”. JBIS. 2023年6月28日閲覧。
  4. ^ Burgas”. netkeiba.com. 2023年6月28日閲覧。
  • 母の父Yavuzstar / ヤヴズスターは2004年ガジ賞(ガジダービー)およびアンカラ賞(トルコセントレジャー)勝ち馬[15]
  • 叔父に2022年のトルコ国内G1カライェル賞の勝ち馬Lion Victory / ライオンヴィクトリー(父King David)がいる[16]。ブルガスと血統の4分の3が一致する当馬は2023年3月までに10戦7勝(うち重賞5勝)の好成績で2023年クラシック戦線の有力馬だったが、4月26日のオープン競走プレヴェゼ賞(イスタンブール・ポリトラック1500m)の直線先頭に立ったところで右前脚骨折を発症し転倒、予後不良と診断されて安楽死処置が取られた[17]

脚注[編集]

  1. ^ a b c BURGAS” (トルコ語). Yüksek Komiserler Kurulu. 2023年6月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n BURGAS” (英語). TJK. 2023年10月28日閲覧。
  3. ^ a b c Karayel Ödülleri” (トルコ語). SİAYSD. 2023年6月23日閲覧。
  4. ^ a b 【海外競馬】ハットトリックの孫がトルコでダービー制覇、鞍上A.チェリク騎手は7連覇 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2023年6月28日閲覧。
  5. ^ Burgas'ın sahibi Sanem Kahraman: Burgas da deli gibi aksın, çağlasın...”. TJK'nin Sesi. p. 20 (2021年7月). 2023年8月6日閲覧。
  6. ^ a b 2022年ドバイシーマクラシックレース結果”. JRA. 2023年6月28日閲覧。
  7. ^ 2022ドバイ ワールドカップデイ 現地取材レポート”. JBIS. 2023年6月28日閲覧。
  8. ^ 95.Gazi Koşusunu BURGAS kazandı…” (トルコ語). Yarış Dergisi (2021年6月26日). 2023年6月28日閲覧。
  9. ^ Ankara Klasiğinde sonuç Gazi Koşusundaki gibi…” (トルコ語). Yarış Dergisi (2021年9月25日). 2023年6月28日閲覧。
  10. ^ Dubai'ye ilk uçak yarın sabah kalkıyor!” (トルコ語). Yarış Dergisi (2022年1月14日). 2023年6月28日閲覧。
  11. ^ a b BURGAS (TUR)” (英語). Emirates Racing. 2023年6月28日閲覧。
  12. ^ Burgas pas geçti! Super Saturday'de 3 atımız koşacak!” (トルコ語). Yarış Dergisi (2022年3月1日). 2023年6月28日閲覧。
  13. ^ Reşat Köstem (2022年4月8日). “Dubai'nin Ardından Gerçeklerle Yüzleşmek…”. Yarış Dergisi. 2023年7月22日閲覧。
  14. ^ 70'inci Kupa sahibini bekliyor…” (トルコ語). Yarış Dergisi (2023年9月23日). 2023年9月25日閲覧。
  15. ^ YAVUZSTAR” (英語). TJK. 2023年7月22日閲覧。
  16. ^ LION VICTORY” (英語). TJK. 2023年6月29日閲覧。
  17. ^ Veliefendi’de hüzün! Şampiyon Tay uyutuldu…” (トルコ語). Yarış Dergisi (2023年4月26日). 2023年6月29日閲覧。

外部リンク[編集]