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パンツを脱いだサル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
パンツを脱いだサル
著者 栗本慎一郎
発行日 2005年
発行元 現代書館
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 単行本
ページ数 247
前作 パンツを捨てるサルパンツをはいたサル
コード

ISBN 4768468985

ISBN 978-4768468982
ウィキポータル 書物
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パンツを脱いだサル」(パンツをぬいだサル)は、栗本慎一郎人類学書。2005年現代書館から発行。「パンツをはいたサル」「パンツを捨てるサル」に続くパンサル・シリーズの完結編。[1]

内容

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エピソード

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  • 731部隊出身の医師が、アメリカに協力したために、戦犯にならずに、国立大の教授になったと、第一章に書かれた
  • 第二章で、冷戦終結で浮いた各国の軍事費などが遊休貨幣として、世界のGDPの総計を超えるほどの額に達しているとの見解を表明
  • 1980年代のブダペスト取材中に、カール・ポランニーの母セシルが娘ゾフィーをナチスから救えなかったことを非難する女性に会ったが、そのことを自著「ブダペスト物語」(晶文社)には書けなかったと告白[2]
  • 911事件直前に欧州各国が英米の盗聴を非難していたことが、第三章に書かれる。
  • オノ・ヨーコから送られてきた手紙は何の感慨もなく返信後に処分したが、吉本隆明から送られてきた酒瓶に付いた熨斗は保存を熱望したのに手違いで紛失してしまったことが明かされる。
  • テレビ局を買おうとした若手経営者(時期から見て堀江貴文)の言動に注目している。

備考

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パンツを捨てるサル』で提起された「身体の変化社会の変化のつながり」というモチーフは本書ではほとんど登場せず、両者は無関係に並列される。「身体の変化」論としては「水生類人猿説」が紹介されるが、そのことと社会変化とのつながりは明示されない[3]。「社会の変化」論としては、生産支援的な金融資本から生産過程を離れた資金資本への移行が指摘され、その文脈で生命活動経済活動のつながりを考察しない経済学者たちが批判されるが、栗本自身が資金資本と生命論との具体的なつながりを示していない[4]

両者のつながりを考察するためのケーススタディであったはずの「江戸時代の人口増問題」についての研究・調査・思索の経過報告も皆無。パンサル・シリーズ『パンツをはいたサル』の続編だとは前書き等で書かれるが、『パンツを捨てるサル』の話題がほとんど出てこない[5]

出典

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  1. ^ Amazon.co.jp 本書のページ
  2. ^ はてなBlog[リンク切れ]
  3. ^ 本書、第一章
  4. ^ 本書、第二章
  5. ^ ちなみに、本著の後に出た「シルクロードの経済人類学」(東京農大出版会)においても、冒頭から ”「パンツをはいたサル」「パンツを脱いだサル」などを書いた私が本書のような著書を著すと、何時シルクロードに関心を持ったのか・・・・”などと、「パンツを捨てるサル」の存在を封印している