ハシリドコロ

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ハシリドコロ
 Scopolia japonica-03.jpg
ハシリドコロ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナス目 Solanales
: ナス科 Solanaceae
: ハシリドコロ属 Scopolia
: ハシリドコロ S. japonica
学名
Scopolia japonica Maxim.
和名
ハシリドコロ

ハシリドコロ(走野老、莨菪、Scopolia japonica)は、ナス科ハシリドコロ属草本。別名、キチガイイモキチガイナスビオニヒルグサヤ

特徴[編集]

日本本州から四国九州にかけて分布する多年草。山間の日陰などに群生する。早春にに包まれた新芽を出し、全長は40 - 50 cm程度に成長する。花期は4月から5月。釣鐘状の暗紫紅色の花を咲かせる。夏先には休眠状態に入るため枯れる。夏から冬までは見ることができない典型的な春植物である。

和名は、食べると錯乱して走り回ること、また、根茎トコロ(野老)に似ていることから付けられた。

毒性と薬用[編集]

ロートコン

アルカロイド類のトロパンアルカロイドを主な毒成分とする有毒植物で、根茎とが特に毒性が強い。摂取し中毒を起こすと、嘔吐散瞳、異常興奮を起こし、最悪の場合には死にいたる。これは、同じナス科のベラドンナなどと同様の症状である。ハシリドコロのトロパンアルカロイドの成分は、l-ヒヨスチアミンやそのラセミ体であるアトロピンdl-ヒヨスチアミン)、他にノルヒヨスチアミンl-スコポラミンなどが含まれる。これらの物質は副交感神経を麻痺させるため、先述のような症状がおこるのである。

ただし、用法・用量をまもって使用すれば有用であり、成分の強い根茎と根はロートコン(莨菪根、Scopoliae Rhizoma)という薬品として日本薬局方にも収められている。ロートコンに含まれるアトロピンは硫酸アトロピンの原料になり、ロートコンの成分を水またはエタノールに浸出させたものはロートエキスと呼ばれる。ロート製薬胃腸薬「パンシロン」シリーズにもロートエキスを含む製品があり、これが同社の社名の由来になっているという俗説があるが、実際には目薬の処方を手がけた当時の眼科医界の権威・井上豊太郎ドイツ留学時代の恩師であるミュンヘン大学教授アウグスト・フォン・ロートムントの名前にちなむものであり、ロートコンが由来というわけではない。

日本では、江戸時代フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが薬効に気付いたのが契機となり、以降ベラドンナの代用品として用いられている。中国では「東莨菪(とうろうとう)」と呼んでいる(「莨菪」はヒヨス変種シナヒヨス Hyoscyamus niger var. chinensis を指す)。

間違えやすい山菜[編集]

早春に土から顔を出す新芽はフキノトウと間違えやすく、葉は青々として食べられそうに見えるため誤食されやすい。

ギャラリー[編集]

関連項目[編集]

参考書籍[編集]

  • 原色牧野和漢薬草大図鑑 旧版監修:三橋博、編集:和田浩志・寺林進・近藤健児、北隆館、ISBN 483260810X
  • 新装版山渓フィールドブックス (14) 山菜 木原浩、山と渓谷社ISBN 4635060713

外部リンク[編集]