ジャック・ラッセル・テリア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
ジャック・ラッセル・テリア
Jack Russell Terriers.jpg
英語名
Jack Russell Terrier
愛称
ジャック、JRT
原産国(原産地)
イギリス
基礎となったTrump

ジャック・ラッセル・テリアイギリス原産の小型のテリア犬種。 1800年代イギリス・デヴォンのジョン・ラッセル牧師(Jack Russell)がキツネ狩りのために、ホワイト・イングリッシュ・テリアから地中に潜り込める小さな白いテリアを作りだしたのがこの犬種のはじまりである。スムース・フォックス・テリアを基礎にボーダー・テリアなどが交配された。 テリアらしく好奇心旺盛、しかし非常に繊細で気性が荒い。のようにソファーの背もたれの上で眠ったりする。 オーストラリアに渡り、飼いやすくするためにウェルシュ・コーギー・ペンブロークと交配し犬種の改良が行われ、短脚でやや温厚になりつつあるのが現在のジャック・ラッセル・テリアと言える。

サイズは各犬種団体のスタンダードによって異なるが、体高25〜30cmとされる。体重は5cmにつき1kg。つまり体高25cmの犬の体重は約5kg、体高30cmの犬の体重は約6kgとなる。個体差も激しく。4kgに満たない小柄な個体から12kgを超す大柄な個体まで様々である。

俊敏な動きで、ドッグスポーツの小型犬部門では花形犬種である。 十分な運動と、きちんとトレーニングとしつけをすることで、とてもすばらしい家庭犬になる。しかし我慢強い犬ではないため、子供や小動物との接触は咬傷事故が起きないよう特に注意を要する。

気質[編集]

穴を掘るジャック・ラッセル・テリア

非常に好奇心旺盛。

小動物やボールなど動くものには非常に敏感に反応し、それが自動車やバイクまで及ぶこともあるので、事故防止のために幼い頃からのどんなときでも制止または注目させられる訓練が必要。ハムスターなどと一緒に飼育するのは難しい。 ただし幼少の頃より一緒にいれば同居も可能な場合がある。 他の犬ともややけんかっ早いため、犬から目を離さないようにすべきである。

山道はさすがテリアと言えるところで大得意な地形。モグラネズミの穴をかぎつけると掘り始め、なかなか離れなくなる。遊び好きで興奮しやすく吠えやすい。集中力もあるのでそこを生かせば訓練が入りやすいとも言える。運動が足りないと、心身ともに不満が募り足をしつこく舐める等の自傷行為に走ることがあるので、飼うには充分に運動時間を取れる人が向いている。運動だけでなく頭を使うゲームなどもあるとなおよい。 人間に対しては愛情深い犬であるが、触られたくないところははっきり主張する。

外観[編集]

毛色[編集]

ブラック&ホワイト、タン&ホワイト、ブラック&タン&ホワイト(通称トライカラー)。 犬の毛色で言うタンは黄褐色のことだが、明るいレモン色から濃いブラウンまでさまざま。 ブラック&タン&ホワイトにも、麻呂眉のようなタイプと富士額のようなタイプがいる。セーブルのようにブラックとタンの毛が混じった個体もいる。 ブリンドルはブルテリアの血が現れているため不可とされる。
ブルー&ホワイト、ブルー&タン&ホワイトはミスカラー。どのカラーにおいても白が優勢でなければならない。

毛質と手入れ[編集]

ブロークンコートのジャック・ラッセル・テリア

この犬種の被毛が粗く硬いのは、藪の中や穴の中で作業する際も、小枝や小石などで皮膚にダメージを受けないためだとされる。
長さによって3種類に分かれる。

スムース
短毛。腰のあるやや硬めの毛。
ブロークン
スムースとラフの中間のタイプ。毛量や長さは個体差が激しい。
ラフ
長く硬めの毛に全身を覆われたタイプ。

スムースは通常の犬の手入れと同じく、抜け毛を取り除き血行促進のためラバーブラシでブラッシングする。

ブロークンとラフの被毛は、オーバーコートが抜けることがあまりないため、プラッキングという、指またはトリミングナイフで死毛を抜いて新陳代謝を促す作業で手入れしなければならない。バリカンやはさみで行うか、まったく抜いていないと、被毛はやがてしなやかさを失い柔らかい印象になってしまう。しかし幼い頃からプラッキングに慣らしていないと、痛みで犬のストレスになるばかりなので、注意して行うこと。 このプラッキングをストリッピングと誤用されることがあるが、ストリッピングはある部位の全ての毛を地肌が見えるまで抜き去る作業で、シュナウザーなどのトリミングで用いられる。

[編集]

アーモンド型の目のものと丸い目のものがいる。色は明るいブラウン。片眼がブルー・アイの個体もいる。眼瞼の色は目の周囲の毛色に準じる。白い毛ならばピンク色の眼瞼、色がついているなら黒。

[編集]

前肢、後肢ともに狼爪が生えているが、後述の断尾の際に一緒に切除する場合もある。

[編集]

狩猟の現場では穴に潜った犬の尾をつかんで取り出しやすくするため、短くしていたと言われる。それに倣い、もしくは見た目の愛らしさから断尾する場合が多い。現代では動物愛護の観点から断尾していない犬も増えている。断尾する場合は生後1週間前後で行うことが多い。施術は獣医師が行うのが原則だが、ブリーダーが切ることもある。犬が直立したときの耳の高さと同じになるように尾の長さを決めるのが理想だが現状では個々バラバラの長さに切られている。

さまざまなタイプ[編集]

イギリス系
パーソン・ラッセル・テリアに近い。馬について行けるよう足が長い。マズルや足は太くしっかりしている。
アメリカ系
先述の通りAKCではジャック・ラッセル・テリアは非公認犬種のため、単犬種団体のスタンダードに沿う。足が長めでイギリス系より細身なタイプが多い。
プディングタイプ
オーストラリア系のジャック・ラッセル・テリアに多い、短脚で小さめのタイプ。

ただし日本国内のジャック・ラッセル・テリアは、上記のタイプや系統を考えず繁殖されている事も多いため、足の長いオーストラリア系ジャック・ラッセル・テリアも存在する。よって見た目だけで○○系とは分からなくなってきている。

現在日本に多いのは、オーストラリア系の短脚で顔にブレイズが通った、やや温厚になったタイプのジャック・ラッセル・テリア。イギリス系・アメリカ系など、いつでも狩猟が始められると言わんばかりのジャック・ラッセル・テリアは他の犬への攻撃性が比較的強めだったり、マイペースでしつけが入りにくいことから、ジャック・ラッセル・テリアが日本に入ってきたばかりの頃よりは減少傾向にある。

特有のスポーツ[編集]

ジャック・ラッセル・テリアの本来の役割や気質を生かして楽しめるスポーツやイベントが単犬種団体の開催で行われることがある。

  • ラッセル・レース
マズルと呼ばれる口輪をつけたジャック・ラッセル・テリア数頭で行うレース。1頭ずつ入れられる専用のゲートからルアー(疑似獲物)を追いかけて行うルアーコーシングの一つ。ゴールはわらで作ったキューブを積み上げ、ゴールは1頭だけが通れるようになっており、最初に通り抜けた犬が勝利となる。ルアーは毛皮や白いビニール袋などが用いられ、モーターで巻き取る。興奮した犬が他の犬を傷つけないようマズルを装着する。コースの地形はなだらかな斜面や平地など。
  • Go To Ground (GTG)
地中に設営されたコースの中を通り、地上のゴールに到達するまでのタイムを競う。実際にキツネ、ネズミ、アナグマなどの動物を使う場合もある。その場合檻で区切られており、動物が傷つけられることはない。テリアらしさが遺憾なく発揮されるゲームである。

その他どんなドッグスポーツ、訓練競技、災害救助犬等においても、健康であれば活躍できる犬種。

関連のある犬種[編集]


主な出演映画・テレビ[編集]

映画
テレビドラマ
テレビ番組
テレビCM


関連項目[編集]

単犬種クラブ・レスキュー[編集]