シックス・シグマ

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シックス・シグマとは、品質管理手法、または経営手法である。その適用範囲は主に製造業が中心であるが、製造業の製造部門に留まらず、営業部門、企画部門などの間接部門への適用、更にはサービス業などの非製造業への適用も多い。統計分析手法、品質管理手法を体系的に用いて製品製造工程などの各種プロセスの分析を行い、原因の特定やそれへの対策を行って不良率引き下げや顧客満足度向上などを改善していく。


目次

[編集] 概要

「シックス・シグマ」の語源となっているのは、統計学における標準偏差を意味するσである。6σの状態とは、ある製品組立工程の品質特性値が正規分布に従うと仮定するならば、6σの外に出る確率は、100万分の3.4である。すなわち、ある工程では100万個製品を組み立てて3.4個のばらつき(不良品)が生じる。「100万回作業を実施しても不良品の発生率を3.4回に抑える」ことへのスローガンとしてシックス・シグマという言葉は使われ、定着していった。

[編集] 統計学のσとの差異

なお、シックス・シグマにおける6σは、本来の6σとは異なる数字である。正規分布に従う製品不良の発生状態において、顧客仕様限界の幅を±6σとした場合、それから外れる確率は10億分の2、すなわち0.002ppmである。シックス・シグマにおける6σは3.4ppmであり、その数値に差がある。シックス・シグマにおける象徴的目標は、サンプリングされた各データの平均値の揺らぎ(時間の経過によっておきる)を勘案してもなお、1.5のCpk(工程能力指数)を達成しようというものである。(1.5のCpkは、シグマ・レベルが4.5σに等しい。Cpkはデータの平均値と仕様限界の差を3σで割った指標)このとき、顧客仕様限界から外れる確率は、3.4ppmである。(*単純化のため、限界の片側のみで考えている)上記を達成するには、平均値のシフトを勘案しない短期的なデータから計算されるCpkが2.0、つまり、シグマ・レベルが6σである必要がある。これは、上述の平均値のシフトが一般的に1.5σであるという定説による。 Cpkやシグマ・レベルで表される工程能力は、顧客仕様限界に対する、品質特性データのバラツキの裕度である。 上記とは別に、一般的に品質管理で使われる管理図は、±3σを管理限界としている。この管理限界は、プロセスのアウトプットから採取される品質特性データから計算されるものであり、それは、プロセスの異常を検知する目的で使用される。この管理限界と顧客仕様限界が混同されることが多い。

[編集] ばらつきの抑制

シックス・シグマの活動のポイントは、ばらつきの抑制に主眼がおかれている。ばらつきが発生しているプロセスに着眼し、そのプロセスの平均値向上を試みるよりも、ばらつきを抑えることに力点を置いてコントロールしていく。平均値が向上しても、品質のばらつきが大きく品質不具合が発生してしまっては、品質不良が原因で発生する損失COPQ(Cost Of Poor Quality)を減らすことができない。品質のばらつきを小さく抑えることで後工程不具合流出を減らし、COPQを低く抑える。

[編集] ブラックベルト

シックス・シグマの実際の活動は、ブラックベルトという資格を有する人物が中心となって行う。このブラックベルトは、柔道黒帯が語源となっている。ブラックベルトは専門の教育機関により認定される。ブラックベルトはシックス・シグマを遂行するにあたり中心となって推進する人物に授与される。ブラックベルトを補佐する資格として、グリーンベルトが存在する。

[編集] MAIC

MAICとは、シックス・シグマにおける行動プロセスである。QCサークル活動などおけるPDCAサイクルを発展させたものであるが、大きな特徴はM(Measurement)、A(Analysis)という現状分析により大きな主眼をおいていることである。

MAICの意味は以下の通りである。下記プロセスを持続的に回し続ける。

  1. Measurement:測定
  2. Analysis:分析
  3. Improvement:改善
  4. Control:改善定着の管理

[編集] 歴史

シックス・シグマの手法は1980年代に、モトローラによって開発された。その開発に当たっては日本の製造業で活発に行われているQCサークル活動を参考にしたとされる。ボトムアップ型かつ暗黙知が支配的な日本のQCサークル活動を、トップダウンで行う手法として、また統計学手法を取り入れた定量的評価を中心とした手法として開発された。モトローラで考案されたシックス・シグマは、GEが経営全体のプロセス改革に適用して発展させていった。

1990年代後半になって日本にも紹介され、1999年東芝GEの手法に習い、さらに独自の改良を加えて全社的な適用を行っているほか、ソニーでも導入されている。東芝の手法は下記方法を行っている。

・DMAIC

  1. Define:定義づけ
  2. Measure:測定
  3. Analyse:分析
  4. Improve:改善
  5. Control:改善定着の管理

・DFACE

  1. Define:定義づけ
  2. Focus:現状認識
  3. Analyze:目標設定
  4. Create:設計、最適化、検証
  5. Evaluate:評価

以下、東芝経営変革手法(東芝MI){マネージメントイノベーション)から記載。

  • DMAIC手法

Define(定義)、Measure(測定)、Analyze(分析)、Improve(改善)、Control(管理)のステップからなる経営変革手法であり、VOC(顧客の声。(Voice of Customer))をベースにして、事業活動を分析しデータドリブンでプロセスの改善を進めるものである。東芝は、シックスシグマ手法の提唱者であるマイケル・ハリー博士が創設したSix Sigma Academyから正規ライセンスを受けている。

  • DFACE手法

Design for Six Sigma手法の東芝版。米国スタンフォード大学と共同で開発した東芝オリジナルの手法である。VOCを起点に、商品企画と製品開発プロセスを革新するもの。Define(定義)、Focus(現状認識)、Analyze(分析)、Create(設計)、Evaluate(確認)のステップからなる。

  • 経営変革2001運動(MI運動)

1998年から導入したシックスシグマ手法を用いた経営品質の向上を目的とした運動であり、以下四つの特徴を持っている。

    • 顧客第1の発想を基にVOCを事業活動の出発点にする
    • トップダウンアプローチで事業全体の最適化を図る
    • 組織を越えたプロジェクト活動を通して成果を達成する
    • 強力な運動推進体制を整備し、グループ全体で展開する

全体最適から掘り起こされた個々のプロジェクトを定着することで着実な成果を積み上げていくものであり、東芝はこのシックスシグマ手法を採用したプロジェクト課題の実施にあたり、業績向上施策や業績のビジュアル化と利益向上につながるフォロー体制といった仕組みを独自に構築した。東芝MIはこれらの仕組と二つの変革手法をMI運動をとおして経営変革手法として体系化したものである。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク