サン・ビセンテ・デル・ラスペイグ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
San Vicente del Raspeig/Sant Vicent del Raspeig

  


 バレンシア州
 アラカント県/アリカンテ県
面積 40.55 km²
標高 109m
人口 56,297 人 (2014年)
人口密度 1,388.34 人/km²
住民呼称 Sanvicentero, -a
言語地域 バレンシア語
自治体首長
(2015年)
ヘスース・ビリャール (PSOE)
守護聖人 ビセンテ・フェレール
San Vicente del Raspeig/Sant Vicent del Raspeigの位置(スペイン内)
San Vicente del Raspeig/Sant Vicent del Raspeig
San Vicente del Raspeig/Sant Vicent del Raspeig
スペイン内サン・ビセンテ・デル・ラスペイグの位置
San Vicente del Raspeig/Sant Vicent del Raspeigの位置(アラカント県内)
San Vicente del Raspeig/Sant Vicent del Raspeig
San Vicente del Raspeig/Sant Vicent del Raspeig
アリカンテ県内サン・ビセンテ・デル・ラスペイグの位置

北緯38度23分47秒 西経0度31分31秒 / 北緯38.39639度 西経0.52528度 / 38.39639; -0.52528座標: 北緯38度23分47秒 西経0度31分31秒 / 北緯38.39639度 西経0.52528度 / 38.39639; -0.52528

サン・ビセンテ・デル・ラスペイグスペイン語 : San Vicente del Raspeig)またはサン・ヴィセン・デル・ラスペッチバレンシア語 : Sant Vicent del Raspeig, IPA: [sam viˈsɛn deɫ rasˈpetʃ])は、スペインバレンシア州アリカンテ県ムニシピ(基礎自治体)。公式名は二言語の名称をスラッシュで連結したSan Vicente del Raspeig/Sant Vicent del Raspeig。

地理[編集]

アリカンテ都市圏を構成する都市であり、アリカンテ県の県都アリカンテから北東に約10キロメートル離れている。アリカンテとサン・ビセンテは都市間が連続して都市化されており、レンフェ(スペイン国鉄)のセルカニアス・ムルシア/アリカンテスペイン語版バレンシア公営鉄道(FGV)のアリカンテ・トラムスペイン語版で相互に往来が容易である。

水源に乏しく、季節によって水が流れるガリ程度しかない。加えて、農地に適するほど肥沃な土壌は村落の近くを除いてわずかである。

乾燥した地中海性気候で、1月の平均気温は摂氏11℃、7月・8月の平均気温は摂氏25℃である。一方降雨量は年間通して不均一に降り、年間340mmを超えない。

樹木の植生に乏しく、穀物や、農場でマツが見られる程度である。イネ科のグラスやローズマリーなど雑草が、非耕地に生い茂っている。

歴史[編集]

イベリア人ローマ属州ヒスパニア、アラブ占領時代のサン・ビセンテに関する研究記録は何も残っていない。少なくとも17世紀以降、プラ・デ・ラ・オリベラ、エル・ラスペイグの2つの村が確認された。

サン・ビセンテとは、エル・ラスペイグで説教を行ったことのある中世の聖人、聖ビセンテ・フェレールにちなんでいる。その後エル・ラスペイグは礼拝堂を中心に発展していき、サン・ビセンテ・デル・ラスペイグを名乗るようになった。1848年にはアリカンテより分離して独立した自治体となった。1858年、マドリード=アリカンテ間の鉄道が開通しサン・ビセンテにも到達した。これによってアリカンテ港に近くなり、サン・ビセンテで作られた一部の製品に輸出の道が開けた。1873年から1878年にかけて、アリカンテからアゴスト、イビへ向かう道路が開通。1905年にはアリカンテ・トラムスペイン語版が開通し、1924年には電化された。これにより、タイル、セメント、石膏といった建設資材の工場がセン・ビセンテにでき、その後家具工場ができた。19世紀後半から20世紀初頭にかけ、サン・ビセンテはソリア・イ・マータ線状都市理論(Ciudad lineral)による都市化を経験した。

スペイン第二共和政時代からスペイン内戦期、都市はフランス革命暦の第8月にちなみ、フロレアル・デル・ラスペイグ(Floreal del Raspeig)と改名されていた。1960年代以降、バレンシアーナ・デ・セメントスのセメント工場(現在セメックス傘下)や家具工場の好調で人口が大幅に増加した。1979年には州立大学のアリカンテ大学がサン・ビセンテで開校した。1991年、バレンシア語がサン・ビセンテの準公用語と認定され、自治体の公式名にバレンシア語のSant Vicent del Raspeigが併記されて、二言語の名称をスラッシュで連結したSan Vicente del Raspeig/Sant Vicent del Raspeigとなった。

経済[編集]

サン・ビセンテはあらゆる種類のビジネスを含む業界が存在する一方で、アリカンテ都市圏のベッドタウンでもある。また、学生数約28,000人を擁する州立のアリカンテ大学の本部を抱えている。

かつては農業が経済の大黒柱であったが、現在は住宅地所や工業団地が優先され、穀物畑は背景に押しやられた。唯一パルティダ・ラスペイグにて伝統的な農業が行われている。この地区は農業保護区として大規模農業が実践されており、特にトマトイチジクの農園がある。

交通[編集]

姉妹都市[編集]

外部リンク[編集]