カイザーナックル

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カイザーナックル』は、1994年タイトーから発表されたアーケード用対戦型格闘ゲーム

特徴的な要素[編集]

5種類の通常技の属性
ストリートファイターII』シリーズと同じく、弱中強のパンチ・キックで攻撃する。また、弱+中を同時に押す事で超攻撃、中+強を同時に押すことで激攻撃を出すことができる。
クラッシュゲージ
ダメージを受けるとクラッシュゲージが増え、これが満タンになると次に当てた必殺技の威力が上昇する。出した必殺技がガードされた場合はゲージを消費しない。
最終奥義
いわゆる超必殺技。体力ゲージが少なくなって点滅したときに使用可能。
診断結果
敵キャラクターを倒した際、倒されたキャラクターは医師による診断がされ、スコアボーナスで同時にその結果が表示される。スロット形式のランダムに見えるが実は傾向があり、強・超・激の通常技や必殺技ばかり当てて倒してしまった場合、悲惨な診断結果が出やすくなる。

登場人物[編集]

プレイヤーキャラクター[編集]

和也(かずや)[Kazuya]
- 矢尾一樹
大学生にして、主人公。元々女の子にモテたいがために空手を始めたが、空手の腕はメキメキ上達してもモテないのは相変わらずであった。優勝して女の子にモテるために出場。
声優ネタから「やってやるぜ」と叫んだり、必殺技の一つに「断空牙」(だんくうが)があったりする
梨花(リーファ)[Lihua]
声 - 島津冴子
居合術の道場の娘。行方不明になった親を捜し、すっかり寂れてしまった道場を再建するために出場。
バーツ[Barts]
声 - 置鮎龍太郎
暴走族のリーダー。自分の運転ミスで事故を起こしてしまい、昏睡状態になった恋人「セーラ」を救うのにかかる、多額の手術費用を手に入れるために出場。
武龍(ウーロン)[Wulong]
ある組織の暗殺家。幼い頃に組織に拾われ、何の疑問も持たずに暗殺家業を続けていたが、他人の子供が無邪気に遊ぶ風景を見て暗殺から手を引くことを決意。組織から離れるための条件として提示された、1000万ドルを手に入れるために出場。
ライザ[Liza]
声 - 久川綾
南米に住む少女。一年かけて自分でじっくり準備した衣装を身に着けて挑んだリオのカーニバルのコンテストでは、まさかの予選落ちだった。なんとしてもリオの女王になりたい彼女は、カーニバル用の新しい衣装を買うために出場。
ボギー[Boggy]
ダンサー。バイトで得た収入を毎月すべてダンスレッスンにつぎ込むも、時折行われるオーディションでは未だに端役にすら選ばれなかった。ダンスの才は誰もが認めていたが、バックボーンがないことや人種差別が彼を阻む壁になっていた。大会で優勝し、名誉を手に入れるために出場。
月光(げっこう)[Gekkou]
声 - 石川英郎
スタントマン。実は「武幻流忍者」の末裔。普段は仲間達(同じ武幻流忍者の末裔達)と共に、映画村でアルバイトをしている。仲間達は「本物の忍者の末裔である我らが、何故こんなことを」とグチるが、月光は「修行のついでに飯も食える」と楽観的であった。月光の師匠が大会の破格の賞金に目がくらみ、「見事優勝賞金を持ってくれば、免許皆伝を授ける!」と問題発言。純粋に師匠を尊敬している月光は、免許皆伝を授けてもらうために出場。
J・マッコイ[J-McCoy]
声 - 田中一成
ボクサー。「費用を全額負担するなら、ヘビー級チャンプとの試合を組んでやる」とジム会長に言われ、その費用を捻出するために出場。ボクサー(キックボクサーではない)だがキックも使う。
マルコ[Marco]
声 - 音羽一郎
人造人間。見た目によらず優しい心を持つ。博士に人間にしてもらうために出場。彼のエンディングでは、ジェネラルの意外な面を見ることができる。

ボスキャラクター[編集]

ゴンザレス[Gonzales]
声 - 江川央生
ロシア出身のサンボ使い。1人目の中ボス。元々はオリンピック代表候補であったが、故郷で内戦が勃発。オリンピックへの参加機会を奪われ、婚約者である「ターニャ」も巻き込まれ消息を絶ってしまった。その婚約者を探すため大会に参加。必殺技の投げ間合いが驚異的に広く、さらに前回り受身による攻撃兼回避技も持つ。
アステカ[Azteca]
中南米系の翡翠の仮面を付けた原住民。一説によれば、「パレンケの仮面」をつけたことにより、自らの記憶と引き換えに不老不死になったらしい。記憶に関する手がかりを得るため大会に参加。2人目の中ボス。ジャンプスピード・必殺技のスピードが異常に早く、見てから対応するのは困難な攻撃速度を持つ。
アステカ戦終了までで条件が満たされていなかった場合、椅子に座ったジェネラルに説教され、各キャラのエンディングも流れずにそのままゲームオーバーとなってしまう。
ジェネラル[General]
ノーコンティニュー、かつCPUに取られたラウンド数が5ラウンド以下の時のみ現れる、最終ボスの軍人。「イーブルアイズジェネラル(Evil Eye’s General = 邪眼の将軍)」の異名を持ち、怖そうな外見とは裏腹に、性格は紳士的である。どのような状況下でも午後のティータイムを欠かさず取る癖がある。性能に関しては次項で述べる。

最強最悪のボス「ジェネラル」[編集]

CPU戦の難易度は全般に渡って高く、特に最後の敵のジェネラルは『ゲーメスト』にさえ、「気合でなんとか…」「今後の格闘ゲームにこんなラスボスが出ませんように」と書かれたほどの凄まじい強さを誇る。

具体的には

最強の飛び道具
自分の分身型飛び道具を横、斜め上、真上の3方向に同時発射する。予備動作が無く、この飛び道具は他の飛び道具を貫通するものである上に、発射後の硬直も全く無いため先読みで飛び込んでも攻撃が間に合わない。というより、斜め上にも発射されるのでそもそも飛び込めない。しかも、この技は通常の必殺技なので連発してくる事もある。ジェネラル担当プログラマーであったアオキヒロシは「飛び道具を消失パターンがないという理由から貫通設定にしてそのまま修正しなかった」とtwitterでコメントしている。
最強のスライディング
3連続ヒットするスライディングを繰り出してくるが、ガードしてもジェネラルが先に動けるため全く反撃が出来ない(一般的にはガードした側が先に動けるので、そこからの反撃が可能。よって攻撃側(先手)とガード側(後手)の読み合いが起こる)。これを連発されるだけでも脱出困難な連係となってしまう。
最強のワープ
発動直後から無敵のワープがある。ワープ技にありがちな移動後の隙も全く無く、出現の際に攻撃を重ねていてもガードされてしまう。しかし、警戒して様子見をしていると投げられてしまう。
反則クラスの投げ
投げ間合いが異常に広い。足払いの間合い外からも投げられてしまうほどである。

その他にも、攻撃の出が早い、攻撃力や防御力が高い、移動速度が全キャラ中最速等等、基本性能自体が全てにおいて高い。

このように伝説的とも言える強さを持つジェネラルであるが、彼を倒した後、実は所属する組織の「尖兵に過ぎない」との衝撃の事実が語られる。

何故このような凶悪な性能を持ってしまったのか。その理由は仕様書にある。開発の段階でジェネラルの仕様書には「好きにして」という言葉しかなく、担当プログラマーであったアオキヒロシがその言葉に従い本当に「好きにして」しまいそれ故にこのような史上最凶のボスが生まれてしまったという、冗談のような逸話がある。

余りにも凶悪な難易度の為か、後日、メーカー側からオペレーターに「難易度をEASYに設定して稼動してください」との異例の通達が出されている。しかし、それでも改善策にならない状況ゆえ、当時出版されていた芸文社のアーケードゲーム情報誌『スーパーゲーマーズ』の攻略記事によると、難易度を低下した修正用のROMを配布する予定があるとの記事が掲載されていたが、結局、配布される事はなかった。

断仇牙(だんくうが)[編集]

本作の調整版として当初は『カイザーナックルEX』という、CPU戦の難易度を落とした以外はほぼ変化なしのバージョンを出す予定であったが、ロケテストであまりに不評だったために却下され、そこから改修を行った『断仇牙』(和也の断空牙とは字が違う)を発表しなおした。ゴンザレスとアステカが使用可能キャラになり、新技の追加、超攻撃・激攻撃の廃止(一部通常技はレバー入れ技という形で残っている)、CPU戦の難易度低下(プレイヤーの動きに超反応で対処することがはるかに少なくなり、ジェネラルの出現条件は廃止されている)、攻撃力の全体的な低下、練習モードを含めたゲーム開始時のモードセレクト(「ノーマル」は各キャラのエンディングまで、「プロ」はそれに加えスタッフロールがクリア後に流れる)、「ジャンプ攻撃を当てた際にその動作をジャンプでキャンセルできる」という新しいシステムなど、様々な変更点がなされている。

稀にバグが起こりゲームが止まってしまうことはあるものの(CPUのアステカ戦で勝つと低確率だがフリーズしてしまうことがある)、ほぼ完成に近いところまで作られていたがタイトーの諸事情により発売はされなかったため、文字通り「幻」と言える格闘ゲームであった。作られた基板は数は少ないながらも現存しており、ロムの吸出しもされている。

これとは別に『カイザーナックル2』としての続編も企画されていたが、アーケードゲーム制作に使用する基板が3D基板へ移行するに伴って企画は打ち切られた。この経緯を経て、新たに企画されたのが『サイキックフォース』であるという。このことは以下の関連リンクに詳しい。

外部リンク[編集]