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「菱葩餅」の版間の差分

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'''菱葩餅'''(ひしはなびらもち)は、[[ゴボウ|ごぼう]]と[[餡#加合あん|みそあん]][[菱形]]で紅色の[[餅]]を、円形の白い餅もしくは[[求肥]]を二つ折りにして包んだ[[和菓子]]である<ref name="nkym">{{harvnb|中山|2018|page=119}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.sankei.com/west/news/150110/wst1501100007-n1.html|title = 新年の和菓子 鮎、ゴボウ、花びら餅|archive-url=https://web.archive.org/web/20200115073802/http://www.sankei.com/west/news/150110/wst1501100007-n1.html |work=産経ニュースWEST|newspaper=産経新聞社|date=2015-01-10|accessdate=2015-01-10|archive-date=2020-01-15}}</ref>。通称'''花びら餅'''。


[[平安時代]]の新年行事「[[百日祝い|歯固め]]の儀式を簡略化したもで、600年り宮中[[おせち料理]]の一つと考えられた。
[[平安時代]]の宮中での新年行事「歯固め」の食べ食物に由来し、江戸時代には今日形になっといわれる


== 概要 ==
== 概要 ==
歯固めの儀式では長寿を願い、餅の上に赤[[菱餅]]敷き、そ上に[[猪肉]][[ダイコン|大根]]、[[アユ|鮎]]の塩漬け、[[ウリ|瓜]]などをのせて食べていたが、だんだん簡略化され、餅の中に食品を包んだもの(宮[[雑煮]]とよばれた)を、[[公家]]に配るようになった
歯固めでは正月の1日から3日にかけて、長寿を願い、食物食べていた。平安時代[[江家次第]]』では、[[ダイコン|大根]]、[[ウリ|瓜]]、[[猪肉]]や[[アユ|鮎]]の塩漬けなどが挙げられている<ref>{{Cite journal |和書 |author=金孝珍 |authorlink= |title=平安時代の歯固・基礎的考察 |journal=古文学 |volume=74 |issue= |publisher=古文学会 |date=2004-11-20 |page=67 |url=https://doi.org/10.32152/chukobungaku.74.0_65 |ref=}}</ref>


[[江戸時代]]に宮中に菓子を納めていた[[川端道喜]]に残る記録では、薄く延ばした白い餅(葩餅)の上に赤い[[菱餅]]を敷き、その上に押鮎(塩鮎)を乗せている<ref name="hysh">{{Cite journal |和書 |author=林淳一 |authorlink= |title=京菓子 |journal=日本調理科学会誌 |volume=16 |issue=1 |publisher=日本調理学会 |date=1983 |page=6 |url=https://doi.org/10.11402/cookeryscience1968.16.1_2 |ref=}}</ref>。次第に簡略化され、葩餅に菱餅、押鮎に見立てたごぼう、味噌を挟んだものとなった<ref name="nkym" />。餅に味噌の組合せが[[雑煮]]に類似することから<ref name="nkym" />宮中雑煮あるいは包み雑煮とも呼ばれ、形状を花弁に見立てて「花びら餅」ともいわれ、[[公家]]に配られた<ref name="hysh" />。
さらには鮎はごぼうに、雑煮は餅と味噌餡でかたどったものとなった。


[[明治時代]]に[[裏千家]]家元十一世[[千宗室 (11代)|玄々斎]]が[[初釜]]のに使うことを宮中から許可され、新年の菓子として使われるようになったことをきっかけに日本各地の和菓子屋でも工夫を凝らして作られるようになった<ref name="nkym" /><ref name="hysh" />
宮中に菓子を納めていた[[川端道喜]]が作っていた。

[[明治時代]]に[[裏千家]]家元十一世[[千宗室 (11代)|玄々斎]]が[[初釜]]のときに使うことを許可され、新年の菓子として使われるようにな全国の和菓子屋でも作られるようになった。


当初はごぼうが2本であったが、現在では1本のものが主流である。
当初はごぼうが2本であったが、現在では1本のものが主流である。


== 関連用語 ==
== 関連用語 ==
* [[茶道]]
*[[茶道]]


== 出典 ==
== 出典 ==
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==参考文献==
*{{Cite book|和書|author=岡田哲|title=たべもの起源事典 日本編 |publisher=筑摩書房 |year=2013|isbn=9784480095237|page=599|ref ={{harvid|岡田|2013}}}}
*{{Cite book|和書|author=中山圭子|title=事典和菓子の世界|edition=増補改訂版 |publisher=岩波書店 |year=2018|isbn=9784000612593|pages=119-120|ref ={{harvid|中山|2018}}}}


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
*[https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/105 梅の花びらを模ったお餅で新年を寿ぐ ―御菱葩(川端道喜)] - 京都芸術大学
* [https://www.facebook.com/eirakuya/posts/1586302611449013/ 葩餅(はなびら餅):初春を祝う迎春菓] - 京佃煮・京菓子 永楽屋
*{{CRD|1000309740|花びら餅について、詳しく知りたい。|[[岡山県立図書館]]}}


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2023年5月13日 (土) 14:24時点における版

菱葩餅

菱葩餅(ひしはなびらもち)は、ごぼうみそあん菱形で紅色のを、円形の白い餅もしくは求肥を二つ折りにして包んだ和菓子である[1][2]。通称花びら餅

平安時代の宮中での新年行事「歯固め」の際に食べた食物に由来し、江戸時代には今日の形になっていたといわれる。

概要

歯固めでは正月の1日から3日にかけて、長寿を願い、固い食物を食べていた。平安時代の『江家次第』では、大根猪肉の塩漬けなどが挙げられている[3]

江戸時代に宮中に菓子を納めていた川端道喜に残る記録では、薄く延ばした白い餅(葩餅)の上に赤い菱餅を敷き、その上に押鮎(塩鮎)を乗せている[4]。次第に簡略化され、葩餅に菱餅、押鮎に見立てたごぼう、味噌を挟んだものとなった[1]。餅に味噌の組合せが雑煮に類似することから[1]宮中雑煮あるいは包み雑煮とも呼ばれ、形状を花弁に見立てて「花びら餅」ともいわれ、公家に配られた[4]

明治時代裏千家家元十一世玄々斎初釜の際に使うことを宮中から許可され、新年の菓子として使われるようになったことをきっかけに、日本各地の和菓子屋でも工夫を凝らして作られるようになった[1][4]

当初はごぼうが2本であったが、現在では1本のものが主流である。

関連用語

出典

  1. ^ a b c d 中山 2018, p. 119
  2. ^ “新年の和菓子 鮎、ゴボウ、花びら餅”. 産経新聞社. (2015年1月10日). オリジナルの2020年1月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200115073802/http://www.sankei.com/west/news/150110/wst1501100007-n1.html 2015年1月10日閲覧。 
  3. ^ 金孝珍「平安時代の歯固・餅鏡の基礎的考察」『中古文学』第74巻、中古文学会、2004年11月20日、67頁。 
  4. ^ a b c 林淳一「京菓子」『日本調理科学会誌』第16巻第1号、日本調理学会、1983年、6頁。 

参考文献

  • 岡田哲『たべもの起源事典 日本編』筑摩書房、2013年、599頁。ISBN 9784480095237 
  • 中山圭子『事典和菓子の世界』(増補改訂版)岩波書店、2018年、119-120頁。ISBN 9784000612593 

外部リンク