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立石隧道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
立石隧道
立石隧道・三木町側
概要
位置 香川県高松市牟礼町原・香川県木田郡三木町
座標 北緯34度18分42秒 東経134度9分8秒 / 北緯34.31167度 東経134.15222度 / 34.31167; 134.15222
現況 運用中
所属路線名 高松市道平木線・三木町道立石東線
起点 香川県高松市
終点 香川県木田郡三木町
運用
開通 1943年(昭和18年)3月
通行料金 無料
技術情報
全長 119.7m
道路車線数 車線無し
高さ 3.2 - 3.5m
3.0 - 4.1m
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立石隧道(たていしずいどう)は、香川県高松市木田郡三木町を結ぶ全長119.7mのトンネルである。高松市側の麓にある集落名から通称、中村トンネル(なかむらトンネル)とも呼ばれる。

概要

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高松市牟礼町原字中村と木田郡三木町大字井上字立石を結ぶ手掘り(素彫り)トンネルである。普通車以下であれば自動車の通行は可能であるが、自動車同士の対向はトンネル自体も前後の山道の区間共に不可能である。新立石トンネル[1]の旧道ではあるが、路面は舗装されておりある程度の管理も行われている。

岩盤が露出した手掘りのトンネルであり、隧道内には照明設備は設置されていない。また両地区の坑口および周辺域は木々が生い茂っていて幅員も狭いため、三木町および高松市側県道より隧道へのアプローチ道に入った後は、中型自動車以上の通り抜けおよび小型自動車軽自動車(二輪車のみ除く)を含めた自動車の対向をかわす事がほぼ不可能[2]となっている。また隧道の前後数百メートルの道路は生い茂った木々と迫る崖のために昼間でも薄暗く道も左右に湾曲(カーブ)している。

以前は三木町側の坑口に道祖神地蔵が祀られ、牛の墓[3]が存在していたが、1990年11月30日以降これらの塚および石碑類は新道として整備され供与が開始された新立石トンネルへと移動されている。もとより、これら地蔵や牛の墓は地元住民によって管理・信仰され続けていたものである。なお、高松市側の坑口には監視カメラと警告看板が設置されている。

歴史

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新立石トンネル

原村(現・高松市牟礼町原)と井上村(現・三木町大字井上)間は前田山から連なる立石山などの山岳に阻まれていた。そのため、この地域の内陸部から瀬戸内海に抜けるには武道(ぶどう)峠[4]を超えて前田から屋島へと抜けるか、トンネルの東側にある峰堂(むねんどう)峠[4]を越えるか、もしくは旧三木牟礼線を平井地区(正確には平木駅近辺)まで南下して長尾街道まで出てから長尾まで大きく迂回して志度へと抜けなければならないなど、この間の交通は非常に不便なものであった。

その区間の交通を向上させる目的で作られたのが当トンネルである。郷土史によると、トンネル工事にあたっては峠付近にあった集落の住民たちが総出で協力をしたとされている。後世になると坑口がコンクリート巻きになるなど、生活道路として一定の管理が施されてきた。

しかし、その竣工時期などは長らく不明とされ、一説には明治以前より存在したとも言われていたが、2016年に付近の民家にて保管されていた竣工碑[5]が発見され1943年(昭和18年)3月の竣工である事が明らかになった。なお同竣工碑は2017年5月に高松東ファクトリーパーク三木町側ポンプ場の前に新設された高松自動車道2車線事業竣工碑の隣に移転再築された。

1990年(平成2年)11月30日、西側に「新立石トンネル」(香川県道38号三木牟礼線)が開通し供与が開始されたため、当トンネルはその旧道となり、地元住民を含め日常的に利用されることはほとんど無くなった。

2004年10月20日に上陸した台風23号の被害で高松市側のアクセス道路で土砂災害があり、1年以上通行止めになっていた。

路線データ

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  • 延長:119.7m(高松市部分:76.1m、三木町部分:43.6m)
  • 高さ:3.2 - 3.5m
  • 幅員:3.0 - 4.1m
  • 道路管理者:高松市(高松市道平木線)、三木町(三木町道立石東線)
  • 交通規制
    • 高さ制限:3.2m

関連項目

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脚注

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  1. ^ 市町の境にある県道38号三木牟礼線のトンネル
  2. ^ 対向車をやり過ごすには、どちらかが民家地帯まで湾曲した道路を後退する必要があり、なおかつ私有地への侵入を行わねばならない。
  3. ^ 道祖神と同様に全国の峠や村境に見られる貨車田んぼを引くための牛たちを纏めて弔うための一般的な塚。実際に何らかの特別な牛が葬られている墓ではない。また特に讃岐地方の「牛の墓」には地来による独特の伝統文化に由来するものである。これに関しては讃岐山脈#借耕牛も参照すること。
  4. ^ a b 武道峠および峰堂峠は、共に香川県道147号太田上町志度線上にある峠。武道峠は国道11号高松東バイパス(高松自動車道高架)交点である戸敷交差点の北側路にある小規模な峠。峰堂峠は高松東ファクトリーパークのさらに北側に存在する三木町・さぬき市の市町境に存在する大規模な峠である。
  5. ^ 香川県道38号三木牟礼線および高松自動車道の整備事業の折に、現地の工事を担当していた建築業者によって破壊されていたものを、家主が保護していたものである。