王家の谷 (映画)

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王家の谷
Valley of the Kings
監督 ロバート・ピロッシュ
脚本 ロバート・ピロッシュ
カール・タンバーグ
原作 C.W. ツェーラム
出演者 ロバート・テイラー
エリノア・パーカー
音楽 ミクロス・ローザ
撮影 ロバート・サーティース
編集 ハロルド・F・クレス
配給 MGM
公開 アメリカ合衆国の旗 1954年7月21日
日本の旗 1954年10月19日
上映時間 86分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $2,065,000[1]
興行収入 $3,305,000[1]
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王家の谷』(Valley of the Kings)は1954年アメリカ合衆国冒険映画テクニカラー作品。

ドイツツェーラム英語版による考古学研究の歴史を小説化した『神・墓・学者』から着想を得ており、ロバート・ピロッシュ英語版カール・タンバーグが作成した脚本を、ピロッシュ自らが監督し映画化している[2]。出演はロバート・テイラーエリノア・パーカーなど。

タイトル通り、エジプトナイル川西岸にある古代エジプトの墓群である王家の谷を舞台としている。

ストーリー[編集]

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹替
東京12ch 日本テレビ
マーク・ブランドン ロバート・テイラー 江角英明 小林修
アン・バークレー・メルセデス エリノア・パーカー 来宮良子 鈴木弘子
フィリップ・メルセデス カルロス・トンプソン英語版 山田康雄 仲木隆司
ハメッド・バックアワー カート・カズナー英語版 郷里大輔
トゥアレグ族長 ビクター・ジョリー英語版 相模武 戸谷公次
アルコ レオン・アスキン英語版 須永宏 神山卓三
アンティモス神父 アルド・シルヴァーニ英語版 伊井篤史
ダンサー サミア・ガマール英語版
  • 東京12ch版:初回放送1969年10月8日
  • 日本テレビ版:初回放送1990年1月2日『新春映画劇場』

スタッフ[編集]

制作[編集]

当時、ハリウッドでは1950年公開の『キング・ソロモン』がヒットしたことを機に、エジプトをテーマにしたプロジェクトが多く開発されていた。そんな中でMGMにより、1952年に製作発表されたのが本作であった。エリノア・パーカーが出演することは発表時から決定していた[3]

撮影は1953年11月に開始。エジプトのカイロルクソールファイユームスエズリビア砂漠ギザの大ピラミッドで約6週間にわたるロケが行われ、カリフォルニア州とMGMスタジオで追加撮影を行い完成した[4]

エジプトでのロケは困難を極めたといい、エリノア・パーカーは後に、以下のように回想している。

一言でいえば恐ろしい悪夢でした。私たちにはひどいプロデューサーがいて、会社や現地のスタッフのために宿泊施設を作りませんでした。私たちはエジプトにいて砂漠の撮影に出ましたが、衛生設備も話す楽屋もありませんでした。信じられないほどでした。ロバート・テイラーと私はコートで身を覆い、地元の人たちと一緒に浴室を使わなければなりませんでした。さらに、監督(ロバート・ピロシュ)は自分が何をしているのかわかりませんでした。そのため、ヘッドカメラマン(ロバート・サーティース)が映画を監督していました。それからスタッフは給料をもらっていませんでしたが、私たちの偉大なカメラマン(サーティース)が「皆が給料をもらえるまで私たち全員がストライキに出る」と彼らに言ったことで、確かに給料が発生しました。 — エリノア・パーカー[5]

ワールドプレミアは、1954年7月21日にカイロとアレクサンドリア(およびニューヨーク市)で同時開催された。アメリカの映画がエジプトで世界初公開されたのはこれが初であった。

出典[編集]

  1. ^ a b The Eddie Mannix Ledger, Los Angeles: Margaret Herrick Library, Center for Motion Picture Study .
  2. ^ 王家の谷 - 映画.com
  3. ^ Pryor, Thomas (1952年9月27日). “NEW METRO MOVIE TO BE SET IN EGYPT: Studio's 'Valley of the Kings' Is Third Hollywood Picture Using That Background”. New York Times: p. 13 
  4. ^ Weiler, A.H. (1954年1月10日). “RANDOM OBSERVATIONS ON PICTURES AND PEOPLE: 'Act of Love' to Be Released Without Advertising Sanction -- Other Items”. New York Times: p. X5 
  5. ^ Eleanor Parker: Incognito, but Invincible”. Noir City Sentinel (Summer 2010). 2016年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月16日閲覧。

外部リンク[編集]