「ネコヤナギ」の版間の差分
編集の要約なし |
編集の要約なし |
||
1行目: | 1行目: | ||
{{出典の明記|date=2011年5月}} |
|||
{{生物分類表 |
{{生物分類表 |
||
|名称 = ネコヤナギ |
|名称 = ネコヤナギ |
||
25行目: | 24行目: | ||
* f. {{Snamei|graciliglans}} ({{Taxonomist|Nakai}}) H.Ohashi チョウセンネコヤナギ<ref>[http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=25034 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)] - チョウセンネコヤナギ(2018年5月3日閲覧)</ref> |
* f. {{Snamei|graciliglans}} ({{Taxonomist|Nakai}}) H.Ohashi チョウセンネコヤナギ<ref>[http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=25034 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)] - チョウセンネコヤナギ(2018年5月3日閲覧)</ref> |
||
}} |
}} |
||
'''ネコヤナギ'''(猫柳、[[学名]]:{{Snamei||Salix gracilistyla}})は、[[ヤナギ科]][[ヤナギ属]]の落葉低木。山間部の[[渓流]]から町中の小川まで、広く川辺に自生する、[[ヤナギ]]の1種である。ねこやなぎの花言葉は |
'''ネコヤナギ'''(猫柳、[[学名]]:{{Snamei||Salix gracilistyla}})は、[[ヤナギ科]][[ヤナギ属]]の落葉低木。山間部の[[渓流]]から町中の小川まで、広く川辺に自生する、[[ヤナギ]]の1種である。ねこやなぎの花言葉は「自由」。 |
||
== 特徴 == |
|||
[[北海道]]〜[[九州]]までの河川の水辺で見られ、早春に川辺で穂の出る姿は美しいものである。他のヤナギ類の開花よりも一足早く花を咲かせることから、春の訪れを告げる植物ともみなされている。暖かく湿潤な環境を好む。他のヤナギ類よりも水際に生育し、株元は水に浸かるところに育つ。根元からも枝を出し、水に浸ったところからは根を下ろして株が増える。葉は細い楕円形でつやがない。初夏には綿毛につつまれた種子を飛ばす。 |
[[北海道]]〜[[九州]]までの河川の水辺で見られ、早春に川辺で穂の出る姿は美しいものである。他のヤナギ類の開花よりも一足早く花を咲かせることから、春の訪れを告げる植物ともみなされている。暖かく湿潤な環境を好む。他のヤナギ類よりも水際に生育し、株元は水に浸かるところに育つ。根元からも枝を出し、水に浸ったところからは根を下ろして株が増える。葉は細い楕円形でつやがない。初夏には綿毛につつまれた種子を飛ばす。 |
||
花期は3〜4月。雌雄異株で、[[雄株]]と[[雌株]]がそれぞれ雄花と雌花を咲かす。花の高さは3cmほど。 |
花期は3〜4月。雌雄異株で、[[雄株]]と[[雌株]]がそれぞれ雄花と雌花を咲かす。花の高さは3cmほどで、花穂は生け花にもよく用いられる。ヒメハナバチ類が主な送粉者とされる<ref>{{Cite journal|和書 |author = 根来尚 |date = 1998-11 |title = 庄川河川敷におけるヤナギ属3種の訪花昆虫とその送粉可能性 |journal = 保全生態学研究 |volume = 3 | issue = 2 |pages = 111-123 |publisher = 一般社団法人日本生態学会 |doi = 10.18960/hozen.3.2_111 |ref = harv }}</ref>。 |
||
銀白色の毛で目立つ花穂が特徴的であり、「ネコヤナギ」の和名はこれを[[ネコ]]の[[尾]]に見立てたことによる。 |
銀白色の毛で目立つ花穂が特徴的であり、「ネコヤナギ」の和名はこれを[[ネコ]]の[[尾]]に見立てたことによる。地方によって呼称が異なり、「ネコネコ」「ネコジャラシ」「ネコノマクラ」「ニャンコノキ」といったネコと結びついた呼称や、「イヌコロ」「エノコロ」「インコロ」「イノコロヤナギ」といったイヌと結びついた呼称が知られるほか、東北では「ベコ「ベコベコ」「ベコヤナギ」といったウシと結びついた呼称が見られる<ref>{{Cite |和書 |author = 湯浅浩史 |title = 四季の植物 |date = 2017-03 |pages = 180-183 |publisher = 筑摩書房 |ref = harv }}</ref>。 |
||
ネコヤナギの樹液は[[カブトムシ]]や[[クワガタムシ]]、[[カナブン]]、[[スズメバチ]]の好物である。<br> |
ネコヤナギの樹液は[[カブトムシ]]や[[クワガタムシ]]、[[カナブン]]、[[スズメバチ]]の好物である。<br>ネコヤナギを利用した護岸の緑化・環境保全技術が注目を集めている<ref>{{Cite web|title=ネコヤナギによる護岸の緑化工法 (第14回国土技術開発賞 地域貢献技術賞)|url=http://www.jice.or.jp/award/detail/45|website=www.jice.or.jp|accessdate=2020-02-14}}</ref>。[[ファイル:Salix gracilistyla (200704).jpg|250px|thumb|left|ネコヤナギの花穂(雌花・山梨県山中湖村・2007年4月)]] |
||
ネコヤナギを利用した護岸の緑化・環境保全技術が注目を集めている。<ref>http://www.jice.or.jp/kaihatsusho/201207060/kaihatsusho_14_009_0.html</ref> |
|||
[[ファイル:Salix gracilistyla (200704).jpg|250px|thumb|left|ネコヤナギの花穂(雌花・山梨県山中湖村・2007年4月)]] |
|||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
2020年2月14日 (金) 03:10時点における版
ネコヤナギ | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ネコヤナギの花穂(雄花)
| ||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||
Salix gracilistyla Miq.[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
Salix gracilistyla Miq. var. adscendens Kimura、Salix gracilistyla Miq. f. adscendens (Kimura) H.Ohashi[2] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ネコヤナギ タチネコヤナギ[1] | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
rose-gold pussy willow | ||||||||||||||||||||||||
変種、品種 | ||||||||||||||||||||||||
ネコヤナギ(猫柳、学名:Salix gracilistyla)は、ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木。山間部の渓流から町中の小川まで、広く川辺に自生する、ヤナギの1種である。ねこやなぎの花言葉は「自由」。
特徴
北海道〜九州までの河川の水辺で見られ、早春に川辺で穂の出る姿は美しいものである。他のヤナギ類の開花よりも一足早く花を咲かせることから、春の訪れを告げる植物ともみなされている。暖かく湿潤な環境を好む。他のヤナギ類よりも水際に生育し、株元は水に浸かるところに育つ。根元からも枝を出し、水に浸ったところからは根を下ろして株が増える。葉は細い楕円形でつやがない。初夏には綿毛につつまれた種子を飛ばす。
花期は3〜4月。雌雄異株で、雄株と雌株がそれぞれ雄花と雌花を咲かす。花の高さは3cmほどで、花穂は生け花にもよく用いられる。ヒメハナバチ類が主な送粉者とされる[7]。
銀白色の毛で目立つ花穂が特徴的であり、「ネコヤナギ」の和名はこれをネコの尾に見立てたことによる。地方によって呼称が異なり、「ネコネコ」「ネコジャラシ」「ネコノマクラ」「ニャンコノキ」といったネコと結びついた呼称や、「イヌコロ」「エノコロ」「インコロ」「イノコロヤナギ」といったイヌと結びついた呼称が知られるほか、東北では「ベコ「ベコベコ」「ベコヤナギ」といったウシと結びついた呼称が見られる[8]。
ネコヤナギの樹液はカブトムシやクワガタムシ、カナブン、スズメバチの好物である。
ネコヤナギを利用した護岸の緑化・環境保全技術が注目を集めている[9]。
脚注
- ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - ネコヤナギ(2018年5月3日閲覧)
- ^ Salix gracilistyla Miq.「The Plant List 1.1 」(2013-)(2018年5月3日閲覧)
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - クロヤナギ(2018年5月3日閲覧)
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - シダレネコヤナギ(2018年5月3日閲覧)
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - フイリネコヤナギ(2018年5月3日閲覧)
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) - チョウセンネコヤナギ(2018年5月3日閲覧)
- ^ 根来尚「庄川河川敷におけるヤナギ属3種の訪花昆虫とその送粉可能性」『保全生態学研究』第3巻第2号、一般社団法人日本生態学会、1998年11月、111-123頁、doi:10.18960/hozen.3.2_111。
- ^ 湯浅浩史『四季の植物』筑摩書房、2017年3月、180-183頁。
- ^ “ネコヤナギによる護岸の緑化工法 (第14回国土技術開発賞 地域貢献技術賞)”. www.jice.or.jp. 2020年2月14日閲覧。