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==ノーベル経済学受賞について==
==ノーベル経済学受賞について==
2005年のノーベル経済学賞を発表した選考委員会は、ゲーム理論の冷戦への応用を評価したが、アラブ・イスラエル紛争については言及しなかった(オーマンは、この紛争にゲーム理論を応用したことで有名であった)<ref>トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、99頁。</ref>。ここでゲーム理論は、イスラエルが中東紛争で勝つために応用された<ref>トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、100頁。</ref>。
2005年のノーベル経済学賞を発表した選考委員会は、ゲーム理論の冷戦への応用を評価したが、アラブ・イスラエル紛争については言及しなかった(オーマンは、この紛争にゲーム理論を応用したことで有名であった)<ref>トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、99頁。</ref>。糺弾者は、ここでゲーム理論は、イスラエルが中東紛争で勝つために応用された<ref>トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、100頁。</ref>、と主張する


オーマンを批判する団体は1000人近い署名を集め、[[スウェーデン王立科学アカデミー]]にオーマンとトーマス・シェリングへの授賞を取り消すよう嘆願書を提出した<ref>トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、103頁。</ref>。
オーマンを弾劾する団体は1000人近い署名を集め、[[スウェーデン王立科学アカデミー]]にオーマンとトーマス・シェリングへの授賞を取り消すよう嘆願書を提出した<ref>トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、103頁。</ref>。


一方でオーマンのノーベル賞受賞は、イスラエルで大きな誇りとして歓迎された<ref name="nobeljyo105">トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、105頁。</ref>。オーマンの同僚で数学者の[[タマラ・レフコート・ルビー]]は、イスラエルの数学教育の基準・評価を高めるよい機会だと喜び「子どもたちを励まし教育するためのチャンスである」と述べた<ref name="nobeljyo105" />。
一方でオーマンのノーベル賞受賞は、イスラエルで大きな誇りとして歓迎された<ref name="nobeljyo105">トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、105頁。</ref>。オーマンの同僚で数学者の[[タマラ・レフコート・ルビー]](Tamara Lefcourt Ruby)は、イスラエルの数学教育の基準・評価を高めるよい機会だと喜び「子どもたちを励まし教育するためのチャンスである」と述べた<ref name="nobeljyo105" />。


== 著作 ==
== 著作 ==

2015年10月19日 (月) 02:22時点における版

ロバート・オーマン
生誕 (1930-06-08) 1930年6月8日(93歳)
ドイツ, フランクフルト・アム・マイン
国籍 イスラエルの旗 イスラエル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
研究機関 エルサレム・ヘブライ大学
ストーニーブルック大学(Stony Brook University)
研究分野 数理経済学
ゲーム理論
母校 マサチューセッツ工科大学
ニューヨーク市立大学
影響を
受けた人物
George Whitehead, Jr.
受賞 ハーヴェイ賞(1983年)
イスラエル賞(1994年)
ノーベル経済学賞 (2005年)
ジョン・フォン・ノイマン理論賞
情報 - IDEAS/RePEc
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ロバート・オーマン
ノーベル賞受賞者ノーベル賞
受賞年:2005年
受賞部門:ノーベル経済学賞
受賞理由:ゲーム理論の分析を通じて対立と協力の理解を深めた功績を称えて

ロバート・ジョン・オーマンヘブライ語名:ישראל אומן英語名:Robert John Aumann、本名:Israel Aumann1930年6月8日 - )は、全米科学アカデミーに所属する数学者経済学者であり、イスラエルエルサレムにあるヘブライ大学の合理性研究所で勤務している。アメリカ合衆国イスラエル二重国籍を持っている。ゲーム理論での功績が称えられ、2005年ノーベル経済学賞を受賞した。

来歴

業績

ノーベル経済学受賞について

2005年のノーベル経済学賞を発表した選考委員会は、ゲーム理論の冷戦への応用を評価したが、アラブ・イスラエル紛争については言及しなかった(オーマンは、この紛争にゲーム理論を応用したことで有名であった)[1]。糺弾者は、ここでゲーム理論は、イスラエルが中東紛争で勝つために応用された[2]、と主張する。

オーマンを弾劾する団体は1000人近い署名を集め、スウェーデン王立科学アカデミーにオーマンとトーマス・シェリングへの授賞を取り消すよう嘆願書を提出した[3]

一方でオーマンのノーベル賞受賞は、イスラエルで大きな誇りとして歓迎された[4]。オーマンの同僚で数学者のタマラ・レフコート・ルビー(Tamara Lefcourt Ruby)は、イスラエルの数学教育の基準・評価を高めるよい機会だと喜び「子どもたちを励まし教育するためのチャンスである」と述べた[4]

著作

単著

  • Lectures on Game Theory, (Westview Press, 1989).
丸山徹立石寛訳『ゲーム論の基礎』(勁草書房, 1991年)
  • Collected Papers, 2 vols., (MIT Press, 2000).

共著

  • Values of Non-Atomic Games, with L. S. Shapley, (Princeton University Press, 1974).
  • Repeated Games with Incomplete Information, with Michael B. Maschler andRichard E. Stearns, (MIT Press, 1995).

共編著

  • Handbook of Game Theory with Economic Applications, 3 vols., co-edited with Sergiu Hart, (Elsevier, 1992).

主な論文

脚注

  1. ^ トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、99頁。
  2. ^ トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、100頁。
  3. ^ トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、103頁。
  4. ^ a b トーマス・カリアー 『ノーベル経済学賞の40年〈下〉-20世紀経済思想史入門』 筑摩書房〈筑摩選書〉、2012年、105頁。

外部リンク